■ストーリ
「妻を殺しました」。
現職警察官・梶聡一郎が、アルツハイマーを患う妻を殺害し
自首してきた。動機も経過も素直に明かす梶だが、殺害から
自首までの二日間の行動だけは頑として語ろうとしない。
梶が完全に“落ち”ないのはなぜなのか。
その胸に秘めている想いとは。
■感想 ☆☆☆☆
寺尾聡主演でヒットした映画の原作。
映画同様のヒューマニズム溢れる作品世界を想像していたが
まったく違った。そこには、横山作品らしい妥協を許さない
厳しい世界が繰り広げられていた。
事件が起こり、容疑者が逮捕された時点で、まったく事件に
関係ない人々にとっては、その事件は「解決」し、「終了」
つまり過去の事件となる。
しかし、実際にはそこからも事件は続いている。
刑事や検事や判事や裁判官など、多くの人々が新たに事件に
関わり、事件の背景や真相を究明しようとする。
事件が起こるに至った納得いく「解答」を探そうとする。
この作品は犯人が捕まったところから話が始まる。
空白の二日間に何が起こったのかを知ろうとする刑事、検事、
裁判官、事件記者、拘置所の管理官、と各章ごとに視点が
変わっていき、それによって事件の側面も変化する。
現職の刑事の犯行ということもあって、「組織の圧力」が
加わり、様々な思惑が交錯し、それらが事件を微妙に変えていく。
組織から自由になれない中で、「真実」を知りたいと願い
組織の中でもがく彼らの姿と対称的に主人公、梶は
澄んだ瞳で事件について落ち着いて話す。
彼の姿に迷いがないからこそ、彼に関わる人々は、真相を
知りたくなるのだろう。殺人犯がこんなにも穏やかに
過ごせるはずがない。そう思うのだろう。
映画も良い作品だった。だが、小説は更に重厚で
胸に訴えかけるものが大きい作品だ。
「妻を殺しました」。
現職警察官・梶聡一郎が、アルツハイマーを患う妻を殺害し
自首してきた。動機も経過も素直に明かす梶だが、殺害から
自首までの二日間の行動だけは頑として語ろうとしない。
梶が完全に“落ち”ないのはなぜなのか。
その胸に秘めている想いとは。
■感想 ☆☆☆☆
寺尾聡主演でヒットした映画の原作。
映画同様のヒューマニズム溢れる作品世界を想像していたが
まったく違った。そこには、横山作品らしい妥協を許さない
厳しい世界が繰り広げられていた。
事件が起こり、容疑者が逮捕された時点で、まったく事件に
関係ない人々にとっては、その事件は「解決」し、「終了」
つまり過去の事件となる。
しかし、実際にはそこからも事件は続いている。
刑事や検事や判事や裁判官など、多くの人々が新たに事件に
関わり、事件の背景や真相を究明しようとする。
事件が起こるに至った納得いく「解答」を探そうとする。
この作品は犯人が捕まったところから話が始まる。
空白の二日間に何が起こったのかを知ろうとする刑事、検事、
裁判官、事件記者、拘置所の管理官、と各章ごとに視点が
変わっていき、それによって事件の側面も変化する。
現職の刑事の犯行ということもあって、「組織の圧力」が
加わり、様々な思惑が交錯し、それらが事件を微妙に変えていく。
組織から自由になれない中で、「真実」を知りたいと願い
組織の中でもがく彼らの姿と対称的に主人公、梶は
澄んだ瞳で事件について落ち着いて話す。
彼の姿に迷いがないからこそ、彼に関わる人々は、真相を
知りたくなるのだろう。殺人犯がこんなにも穏やかに
過ごせるはずがない。そう思うのだろう。
映画も良い作品だった。だが、小説は更に重厚で
胸に訴えかけるものが大きい作品だ。
のりぞう☆4つということは、文庫本で買っても後悔なさそうですな。
この前、NHKの報道特集で若年性認知症の患者さんたちの悲痛な叫びを聞いて、胸が痛くなりました…。
記憶は誰にも奪えない財産のはずなのに、病気によって失われ、家族が家族として認識できなくなってしまって。
患者さんもご家族もお互いに傷ついて…。
すごく残酷な病気だな、と思いました。
半落ちの存在はずっと気になってはいたんですが、ちょっと見る勇気がなかったので…本から入ってみようかな、と思います。
認知症について考えさせられる部分もあると思いますが、今日頃から、認知症について、まだそこまで考えることがないので、私は、梶の証言、お話の方がが気になります。
私も、小説から入ってみようと思います。
ワタクシもずっと図書館で狙ってたのよ。
ようやく出逢えました。やはり図書館は便利だよねー 笑。
■ゆきのさん
アルツハイマーに関しては、映画のほうが比重が大きいように
感じました。小説はアルツハイマーにも焦点を合わせていますが
やはり「刑事小説」かな、と。
若年性認知症のドキュメンタリ、ワタクシも見ました!
言葉もない感じです。本人も家族も切ない。。。
■オンリーワンさん
小説、お勧めです。ぜひぜひ。
映画は樹木きりんさんの演技が印象的でした。
泣けました。こちらも見かけたときはぜひ。