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[ドラマ]闇金ウシジマ君 Season2

2014年07月12日 01時59分55秒 | 日常生活
■闇金ウシジマくん Season2
■2014年春クール
■出演
 山田孝之、崎本大海、やべきょうすけ、久保寺瑞紀、綾野剛、武田航平、紗倉まな、入江甚儀、
 佐々木麻衣、永野宗典、金谷マサヨシ、三澤亮介、

■感想 ☆☆☆
今回、最初から最後まで見ることができたのは、まさかの「闇金ウシジマくん」でした。本当に「まさかの」です。「うっかり」見始めちゃったら、登場人物たちの今後が気になって気になって気になって、途中でやめられなくなってしまったのです。
眉間に皺を寄せながら「え?彼らはちゃんと救われるんですよね?正義は勝つんですよね?悪は成敗されるんですよね?」とハラハラしながら見ていたのですが、なんとも言えない結末に「はぁ・・・・。」という気持ちになったのでした。
全っ然!救われなかった・・・・。

 でも、考えてみれば、このドラマには「正義」なんて存在していませんでした。「悪」は存在したような気もするけれど、圧倒的多数を占めていたのは「弱さ」だった気がします。「自己責任」(という言葉は苦手ですが。もっと言うならば「キライ」ですが。)と糾弾されると、反論のしようもない人たち。
ここに(闇金に)助けを求めても根本的解決にはならないとわかっているのに頼らざるをえない弱さ。何度も同じところでつまづいて失敗して、それでも「懲りる」ということができない弱さ。誘惑に負けて、自分の欲望を優先させてしまう弱さ。根拠がまったくないにも関わらず「俺は大丈夫」と強がってしまう弱さ。「今がちょっと悪いだけ。ちゃんとがんばれば抜け出せる。」と安易に考えてしまう弱さ。

 そんな弱さを抱えた彼らが闇金に手をだし、右往左往する姿を見ていると、私と彼らの間にたいした違いはないように思えてきて、画面の向こう側で困っている彼らを見続けるのが怖くてたまりませんでした。
 きっと私もちょっとした誘惑に簡単に負けてしまう。簡単に道を踏み外してしまう。私が彼らと違うのは、たまたまそういった危ないものに縁がなかっただけ。おしゃれなもの、華やかなものと縁がなかったから、そのまわりに渦巻く闇にも縁がなかっただけなんだろうな、ということをしみじみ思いながら、あぁ、私、地味に生きることができて(地味にしか生きられなくて)よかったな、とため息をつきながら見終えました。

それにしても山田君。芸達者だなぁ、としみじみ思いました。無表情で何を考えているのかよく分からないウシジマ君が見事にはまってました。
そして、ウシジマ君の小学校の同級生役を演じた綾野さん。最近、「イケメン枠」に進出しつつあるけれど、そういえば彼はずっとダークゾーンサイドの人だったよね・・と懐かしい気持ちになりました。黒スーツとか薄ら笑いとか無表情とか、すごく似合う人だったっけ。
そんな彼らが駄菓子屋の前で昔懐かしい駄菓子をむさぼりながら殺伐とした会話をひょうひょうと交わす場面は、このドラマの中で(私にとって)唯一、和める場面でした。
 ふたりが並ぶ画面を見ながら、精神的に安定している人たちの存在って大事だなぁ、としみじみと思いました。たとえ彼らが立つ場所がまったく安定していなくても。殺伐とした場所で「安定」とはほど遠い場所に経っているはずの彼らは、何があっても動揺を外に見せず、変わらぬテンションで飄々とし続けてくれたので、彼らが出てくるたびにほっと一息つけた気がします。

 面白かったのかと問われると、面白くはなかったのだけれど、こんな世界が絵空事ではなく、実際にある(に違いない)と知れたので見てよかったな、と思っています。見るたびに「トウキョウ怖い、トウキョウこわい。」と呟いていたのですが、一緒に見ていた地元友達からは「いや、北九州にもあるから。こういう世界。」とたしなめられたのも、私にとっては大きな衝撃でした。・・・ホントに?

おそらく「うっかり」じゃなかったら、絶対に見なかったジャンルのドラマです。そして、このドラマを見なければ、絶対に知ることのなかった世界なので、改めてドラマって、フィクションってすごいな、と思いました。そして、フィクションと分かって楽しんでいたにも関わらず、ちょっとしたトラウマになりそうな怖さでした。改めて借金はダメ!と肝に銘じました。あと、身の程知らずのオシャレもダメ!絶対!