のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

[昼ドラ]オーバー30

2009年03月10日 23時57分47秒 | テレビ鑑賞
■オーバー30/TBS13時30分~
■出演
 島崎和歌子、遊井亮子、高知東生、高橋光臣、升毅
■ストーリ
 ふたりの子どもを持つ田舎の専業主婦・愛子(島崎和歌子)は、
 平凡ながらも幸せな生活を送っていた。しかしある日、
 夫・直之(高知東生)の浮気を密告するFAXが自宅に届く。
 そこには浮気相手「若山美香」(遊井亮子)の名と東京の住所が
 書かれていた。半信半疑ながらも確かめるために愛子は東京へ。
 するとそこには密告通り直之と美香の姿があった!
 思い切って乗り込む愛子。直之を独身だと信じていた未婚の
 キャリアウーマン・美香は驚愕。さらに直之の恋人だという
 見知らぬ女がもうひとり現れ、4人は修羅場に。
 あまりのことに離婚を決意した愛子だったが、身を寄せる場所が
 無い。そこで意を決してふたりの子供を連れて向かった先は、
 なんと夫の浮気相手、美香の暮らすマンションだった。

■感想 ☆☆☆
 母上が「見たいかも・・・」と言い出したため、毎日、録画を
 してあげていました。このドラマのおかげで母上はDVDを
 再生することのみ、できるようになりました。
 よかった、よかった。
 というわけで、母上のための録画なので、基本的には
 見られる時に見ていたドラマ。全体の半分程度しか見ていません。

 フジのドロドロ路線の昼間と好対照を貫いていたTBSの
 ほのぼの家族もの路線の王道。
 明るく楽しく、強く、たくましく生きる女性がはつらつと
 描かれていました。ただ、少し描かれている女性が
 ステレオタイプかなー、という気はしましたが。
 イマドキ、ここまでオバサン化している専業主婦って
 かえって少ないんじゃないかなー。
 ここまでだんな様に頼りっぱなしで生きている主婦っていうのも、
 いないんじゃないかなー。
 未婚のキャリアウーマン、美香さんにしても、
 独身で仕事を続けているだけで、気が強くて、生活スタイルが
 めちゃくちゃで、いろんなことに見栄っ張りで、というのは、
 いくらなんでもセオリーどおりじゃないの、と思いつつ。

 そして、その美香さんを「白線流し」に出演していた遊井さんが
 演じていることに、時の流れをひしひしと実感しつつ。
 あのとき、18歳の夜間高校生を演じていたあの子が、
 今や36歳、独身キャリアウーマン・・・・。
 時は確実に流れているのね。と衝撃を受けました。

 そんなこんなで、なんやかんやあれこれと文句を言っていた割には、
 思う存分、楽しんで見ていました。
 まったく境遇の違うふたりがぶつかりあって、少しずつお互いを
 理解していく様は気持ちが良いし、そのあたりは女性ならではの、
 実にオトコラシイ友情がいかにも「ありそう」だなぁ、と思いました。
 女性って「知り合い」とか「会社の同僚」とか、
 そういった表面的な付き合いのみにとどまるのであれば、
 ウェットで厄介な付き合い方になってしまうことが多いけれど、
 本当に友情関係を築こうとするときは、とことんサバサバしていて、
 「自分」と「相手」がしっかり確立している付き合い方が
 多い気がするのです。

 終盤、美香さんが「女性」や「奥さん」にたいしての
 偏見を捨てきれない直之から愛子をかばう場面に、
 女性たちのかっこよい友情が集結。
 「ばっかじゃないの!あんた何様!?
  そんな古臭い考え方しかできない奴は
  今すぐアタシの家から出て行け!」
 と、直之を罵倒し、追い出してしまう美香さんの
 かっこよさにくらくらしました。
 わたしもあんなふうに男性と対峙できる女性でありたいなぁ。

 とにかく、30分楽しみました。
 こういう肩のこらない感じのドラマは大好き。
 昼ドラは帯で見るものなので、毎日ドロドロされると、
 若干、疲れてしまうのです。というわけで、ワタシはは断然、
 昼ドラはTBS派!なのです。
 それなのに、この3月でTBSの昼ドラはいよいよ終了。
 春休みや夏休みにはお世話になっていたのに・・・。
 寂しい限りです。 

国境の南、太陽の西/村上春樹

2009年03月10日 23時50分03秒 | 読書歴
18.国境の南、太陽の西/村上春樹
■ストーリ
 一人っ子として、ある欠落感をもっていた始は、小学校時代、
 同じく一人っ子の女の子、島本さんと友達になる。
 25年後、「ジャズを流す上品なバー」を経営し、絵に描いたような
 幸せな生活を手にしていた始は島本さんと再会し、激しい恋におちる。

■感想 ☆☆☆☆
 村上さんの小説を読んでいると、ひしひしと「孤独」を感じる。
 人はひとりで生まれて、ひとりで死んでいく。それはごくごく当たり前の
 ことだけれど、それ以上の孤独を思い知らされる気がする。人は生まれて
 死ぬまでの間に、目に見えるもの、見えないものを数多く手に入れていく。
 そして同時に、人はただ生きているだけで、手に入れる以上に多くのものを
 少しずつ少しずつ失っていくのだとも思う。その上、失っていくものの
 多くは「見えないもの」ばかりで、私たちは普段、失っていることにすら
 気付かない。
 そして、ふと気がついた時に、自分が多くのものをいつの間にか失って
 いることに気が付くのだと思う。そういったことを考えながら、この本を
 読み終えた。

 読後に言い知れない寂しさを覚える作品。人は愛する人と出会えても、
 出会えなくても、家族になれたとしても、なれなかったとしても、
 ふとした瞬間に寂しさを覚えてしまうし、孤独を感じてしまう。
 むしろ、愛する人と出会えてしまった後の方が感じる孤独は大きい
 のかもしれないと思った。

 いつもの私だったら、この作品の主人公の身勝手さに怒りを抱いている
 と思う。結末としては、身勝手なうえに都合がいい、と思われても
 仕方がない展開だとも思う。それなのに、主人公の喪失感の大きさが
 理解できてしまった。今後も彼は喪失感を抱えたまま生き続けるの
 だろう。だからといって、それから逃げることはできないし、
 そうなる前に引き返すこともできなかったのだとも思う。

 「どうしようもないこと」がこの世の中には確かにある。
 そう思わせてくれる物語。そして、だからこそ、主人公だけでなく、
 その主人公を見守る妻や、その主人公の前から消える島本さんの孤独
 までが理解できてしまい、よりいっそう切なく、寂しい気持ちになる。
 愛し合えたとしても、そして愛し合っているからこそ、
 埋められない孤独があるのだろうな、と思った。

 改めて村上さんの文章の美しさも満喫できた。
 その文章の美しさゆえに主人公が感じる「孤独」や「寂しさ」が
 際立つのだと思う。

海洋生物図鑑

2009年03月10日 23時47分37秒 | 読書歴
17.海洋生物図鑑
■感想 ☆☆☆☆
 義弟くんが貸してくれた1冊。
 海底に広がる豊かな世界を教えてくれます。
 非常に奇妙でユニークな姿かたちの生き物が多く、パラパラと
 ページをめくり、写真を見ているだけで楽しめました。
 わたくし、どうもグロテスクなものから目が離せない傾向に
 あるようでして、自分の体と同じぐらいの魚を丸呑みしている
 ウナギとか他の生物に寄生している微生物とか、そういった写真を
 何度も楽しみました。自分では到底見られない世界に本を通して
 出会えることの素敵さを実感。海にもぐりたい、とか海が好きだ、
 という欲求が全くないため、おそらくこの本を読まなければ、
 というよりは、義弟くんと出会わなければ、
 こういった生き物とも生涯、出会うことなんてなかったのだろう
 と思うと、感慨深いです。

 海の中のこと、特に深海のことは判明されていないことが多く、
 未だに研究が難しい分野のようで、そういった神秘的なところも
 とても魅力的でした。