のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

女の一生~二部・サチ子の場合~/遠藤周作

2006年02月02日 02時30分38秒 | 読書歴
■ストーリ
 第二次大戦下、教会の幼友達修平と、本当の恋をし、
 本当の人生を生きたサチ子の一生。

■感想 ☆☆☆*
 長崎に旅行した際、遠藤周作記念館とド・ロ深部記念館を訪れ
 遠藤周作さんの作品に興味を持った。おおまかなあらすじは
 知っていたり、映画化された作品を見たりはしているが
 実際に作品を読むのは初めてである。
 しばらく読み続けそうな予感。

 物語は第二次世界大戦を背景に、幼い頃主人公サチ子が出会い
 「人、その友のために死す。それより大いなる愛はなし」
 という言葉の書かれたしおりをいただいたコルベ神父のその後と
 サチ子と幼馴染修平との悲恋が交互に繰り広げられる。
 ふたつのストーリーを結びつけるのが前述の言葉
 「人、その友のために死す。それより大いなる愛はなし」である。

 戦時中、クリスチャンが感じたはずのキリスト教の教えと
 国が強要する思想との矛盾。自分にはどうにもならない流れの中
 敵国を憎むこと、人を殺すことを正義と教える教育に対する葛藤と
 その国の思想に表面上だけでも従わなければ生きていられなかった
 信者たちの悩み、苦しみ。教会も牧師も神父も迷い、傷つき
 苦しんでいたことが伝わってくる。

 一方、長崎で布教活動をしていたコルベ神父はポーランドに帰り
 アウシュビッツに連行される。この時代に誰もが感じたであろう
 「神なんているのか」「神はこの戦争を許しているのか」
 という否定的な疑問を一心に受け止め、友のために祈り
 友のために悲しみ、友のために犠牲になったコルベ神父。

 修平が回答を見つけられずに抱え込み、苦しんでいた悩みに
 図らずも異なる場所で同じ回答にたどり着くコルベ神父とサチ子。
 彼らはただひたすらに祈る。
 サチコは修平のために。神父は苦しんでいる友のために。
 おそらくこの時代、多くの日本人が「自分のため」ではなく
 「周囲のため」「お国のため」「故郷のため」に生きた。
 そう考えなければ、できないようなことを強いられていた。

 ラスト、原爆投下時の長崎から戦後30年後の東京に
 時代は飛ぶ。描写されなかった原爆投下直後の長崎と
 家族にも原爆について語らないサチ子の姿で
 その悲しみの大きさが描写される。
 
 読後、しばらくは自分の中に様々な感情が渦巻いた。 

【再放送】ミセス・シンデレラ

2006年02月02日 01時52分47秒 | テレビ鑑賞
■1997年夏クールだったようです。
■出演者:薬師丸ひろ子、内野聖陽、杉本哲太、江波杏子
■ストーリ
 結婚6年、子どものいない専業主婦みずほ(薬師丸ひろ子)は、
 仕事に明け暮れる夫・泰之(杉本哲太)や同居の姑(江波杏子)に
 不満を募らせつつも、イタリア語教室に通うことを楽しみとしながら
 主婦の務めを全うしている。
 ある日、かわいがっていた文鳥チロが逃げ出したことがきっかけで
 世界的な音楽者、堀井光(内野聖陽)と知り合い、恋に落ちる。

■感想
 実は薬師丸ひろ子さんのファンです。
 女優魂を発揮し、コミカルな役からシリアスな役まで
 幅広く演じ分けられている今の彼女も好きですが
 角川映画のアイドルだった彼女も好きでした。
 中学生のとき、同級生のお母さんから
 彼女のアイドル時代のアルバムを借りて
 カセットにダビング(!)させてもらって聞き込んでました(笑)

 そんな彼女の意外にもドラマ初主演作。
 放送開始当初はノーマークだったにも関わらず
 主婦層の支持を受けて視聴率が高くなり、
 ワイドショーで取り上げられていた記憶が。
 (こんな無駄な知識でのりぞうの記憶のキャパシティは
  埋められているわけです。・・・切ない。)

 いやぁ、あれですね。今も昔も主婦層が好むドラマには
 大きな違いはありませんね。
 なんだか「冬のソナタ」や「牡丹と薔薇」を思い出しちゃいました。
 のりぞうなりに共通点を考えてみてたどり着いたのは
 「非日常」と「どんなことがあっても愛してくれる王子様」。

 日常生活ではありえないような出会いや出来事。
 (なにせ、このドラマの中の王子様は作曲家で
  ごく普通の主婦が晩餐会に出席しちゃうのです。ありえんっ)
 何があってもヒロインを愛し続ける男性。
 (夫がいても抱えきれないような薔薇の花束を贈りつけたり
  ローマに新居を用意してプロポーズしてくれたりします。)

 ・・・・ちょっと恋愛力高めでのめりこめませんでしたが
 恋愛コメディとしては面白かったです。
 今もまったく変わることない江波さんの非情なお姑っぷりにも
 思う存分楽しませていただきました。脱帽です。

 また、9年前と今とでは結婚や長男や子供に対する考え方が
 随分変わったのねぇ、、、と社会変化を感じることができます。
 とにかく女性が異様に強くなったのが分かるはず。
 それとも、のりぞうの周囲にそんな話がないだけで
 今もやはり「長男の嫁」とか「跡継ぎ」とかいう考え方に
 振り回されている女性は存在しているのかな?
 なんにせよ、のりぞうの周囲にはない話で
 あまりにくさい科白や展開は早送りしながら楽しみました。

 ・・・なら見るなよ!って感じですが
 どうしても最後に若い殿方を選ぶのか
 ずっと連れ添っただんな様を選ぶのか興味があって
 見続けてしまいました。
 ありきたりではありますが、納得の選択で一安心。

 どうしても気になったのが薬師丸さんの衣装。
 役柄のせい?時代のせい?
 いかにも「おばさん」な髪型と洋服に釘付け。
 くるぶしソックスとか普通にはいてました。うひゃぁっ!