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旅(16日目2/2)

2015-08-26 16:17:44 | Travel memories

美しい田園景色に囲まれながら、僕は先を急いだ。

田園風景を走り抜けると、本日何度目かの「登り専用車両」の標識を目にする。
自転車に降りたり、乗ったりを繰り返しながら坂道を登る。

いままでの坂とは違い、いくら登っても下りにならない。
ふと、箱根の坂のことを思い出した。

段々と標高が上がっていくのが、登っている時間と疲れから感じられる。

そのまま必死で登り続けていたが、足に乳酸が溜まったので休憩をすることに。
道路脇のガードレールを背もたれに、タバコを燻らせる。



周りを見渡すと、霧で立ちこめていた山々が全貌を現し始めていた。



霧でぼやけた淡い太陽の光と、山々が作り出す緑のコントラストは何とも美しくて、
タバコを二本吸い終わるまで見とれていた。

再出発し、約30分程登って、暗いトンネルを潜るとやっと下り坂になった。
横の標識を確認すると、街まで約6kmの下り坂とのこと。


6kmの下り坂なんて経験したことのない長さだ。


下りはカーブが多かったので、スピードを出したかったけれど、
我慢してブレーキをかけながら安全第一に下ることにする。

登りでは暑くて半袖のTシャツになっていたが、こうも下りが長いと
若干肌寒いのでジャケットを着る為に、公衆便所の駐車場に停まることにした。

ジャケットに袖を通しながら、公衆便所前の看板を見てみると
ここの山は「紫尾峠」という名前らしい。

調べてみると、鹿児島で桜島と共に雪が積もる山らしい。
それでこんなに長いのね。と納得。

その後は、順調に下りながら途中で野生の鹿などを目撃することができた。


出水市に着いたのは午後6時前。
本日はかなり坂道で時間を食ってしまった。

この街にはホテルがないので、
本日は調べておいた漫画喫茶に泊る予定。

その前に、近場のスーパー銭湯で汗と疲れを癒した。
もちろん風呂上がりの牛乳は忘れない。

夕食は銭湯の途中で発見したチェーン店のカレーライス。
疲れたときでもカレーだけは食べられるのが不思議だ。

食べ終わったのが午後9時頃で、漫画喫茶まで距離でいうと1kmもない。

夜道を走り、漫画喫茶に着くと、入口ドアにまさかの10時閉店の文字が・・・
一応店に入って店員に聞いてみたが、文字どおりの返答が返ってきた。
(いままで漫画喫茶は24時間営業だと勝手に決め付けていた。)


どうしよう・・・・


再び暗い夜道を走りだす。


15分程度彷徨っていると、
大型スーパーの横にカラオケ店を発見した。

看板には「午前5時まで営業」の文字が書かれている。
これまた微妙な時間だな。と一瞬思ったけど、
他にどこにも行くところがないので、本日はカラオケ店に泊ることにした。

入店すると案の定、周りから聞こえる唄声で眠れない。
泊る場所じゃないから当たり前だが・・・

それに一人でカラオケ店に入るのは恥ずかしかった。


それでも何とか眠りにつけたのは、
山々が僕から体力を奪ってくれたおかげだろう。








つづく