ありがとう大作戦!

「ありがとう」を言い続けると、
「ありがとう」ということが起こる?! 
ってほんとう?! 

ひと月目

2007-11-30 23:12:44 | Weblog
退院して、ちょうど1ヶ月。
診断書も「11月末までの加療を要す」だから
来週月曜から、仕事復帰……。

入院中、
先生、看護師さん、お掃除の方、事務の方と
たくさんの人にお世話になったけれど
ほんとうに感じのいい人ばかりだった。
最大に接する時間の長い方は
当然、看護師さんだけれど
ちょっと驚くくらいみんな常に穏やかだった。
とにかくコワい看護師さんがいない……。

ポケットベルでしょっちゅう呼ばれているのだけれど
その時対応している患者さんには、
急いだりしないで丁寧に接する。
常に優しいゆったりした調子で話しかけるし明るいし、頭が下がる。
廊下で会うと必ず
「お変わりありませんか?」と尋ねてくださる人もいる。
今まで入院したときには、看護師さんがいつも忙しそうなので
具合が悪くてもかなり我慢したり……だったのに。
もちろん親切だからといって、簡単に来ていただくわけではないけれど
調子が悪いときはすぐにナースコールをしてもいいと思えるだけで
精神的にすごく楽になれた。
点滴中も頻繁に様子を見に来てくれるので
「終わりました~」
と呼んだのは一度だけだった。
他で入院したときは、毎回ナースコールが普通だったのに……。
母も、見舞いに来てくれた友達も
ここの看護師さんは良い、と言っていたけれど
そういうことは、人は敏感に感じるのだ。

いったいどうすれば、
このようなメンバーを集められるのか、
良い対応ができるようにみんなのモチベーションを上げていけるのか
考えさせられた。
見ていると、手の空いている人はどんどん
他の人のちょっとしたことを手伝いあったりしているようだった。
「○○さん、△△ありがとうございます」
「ああ、いいのいいの~」
みたいな会話が、廊下で良く聞こえてきた。

白衣の天使達は不思議と顔立ちもかわいい人が多かった。
中でも特にかわいいと思っていた和田さんは、
手術後二日目に身体を拭いてくれたのだが
その時もほんとうに頭が下がった。
癒し系のほわんとした声で
「今日はお身体拭きしましょうね~」
と朝に言ってくれていたのだが、うとうと眠ってしまった。
午後になり、忙しいから無理かなと思っていたら
「午前中はお休みでしたから、今からしましょうか~」
そう言ってからワンセット、ワゴンで持ってきてくれた。
今までの入院では、身体を拭いてくれるときは
蒸しタオルで拭いてもらうだけだったので、そんな感じかと思っていたら
ボディソープまで付けて、何度も蒸しタオルを変えて拭いてくれる。
更に足湯まで……。
すごく感激してそれを言ったら
「そうですか~、私たちには普通なので……」
タオルが汚れて黒っぽくなると
「手術の時の汗が取れてますね。黒くなるほど嬉しくなるんですよ~。
 やった~って思います」
そう言いながらとても丁寧に拭いてくれる。
ほんとうにありがたかった。

これが、誰に対してもそうなのだ。
私の隣のベッドはおばあちゃんだったので
更にみんな親切だった。
優しい対応を聞いているだけで、
自分にされているのでなくても、
こちらの気持ちも優しくなる。

いろんなことを考えさせられた。
看護、ということ以外でも……。

ほんとうにありがとう。

ムンク

2007-11-29 23:14:18 | Weblog
朝どうしても起き上がれなくて、
11時過ぎにやっと布団から出た。
今回の入院で気付いたことのひとつ、
実は血圧が下がっている日があること。
さらに一分間の心拍数が58とか……。
私が朝起きられないのは、
軽い出社拒否症だと思っていたのだけれど
それだけでは無いことが判明。
ほっとしたような、しないような……。

遅く起きたことと平日休みを生かそうと
以前からずっと行ってみたかった
代々木上原の中華料理のお店、
「ジーテン」にランチを食べに行く。
ここは化学調味料を一切使わないらしく
たまに夜、通りかかるといつも人がいっぱいで
ずっと気になっていた。

日替わりランチひとつのみ、
野菜中心の優しい味。
仕事ぶりの見える場所に座ることが出来て
嬉しくて眼で追う。
野菜や肉の下準備をしているとき
食材がとても美しく見える。
そんな料理を食べると
身体が喜んでいる感じがする。

ランチの間にもどんどん予約の電話が入る。
しかし、さほど広い店内ではないのに
予約対応の話し声はほとんど聞こえない。
すごく気配りの行き届いたお店だなと感じる。
今度夜も行ってみたい。
おいしい料理をありがとう。


その後、上野の西洋美術館に
「ムンク展」を見に行く。
ムンクは有名な「叫び」や「マドンナ」程度しか知らないのだけれど
もともとネガティブ傾向だった私には、
見たいけれど、怖いような複雑な感じがあって
見に行くのをためらっていたのだが
せっかく平日に行けるならと思い切って行ってみた。

今まで私が勝手に持っていた
ムンクの絵のイメージは
心の闇、不安、恐怖、エロス、死だった。
さらに自己否定のようなものも強いのかと感じていた。
確かに内面に信じがたいくらい深い闇があったのかもしれないけれど
それでも、ものすごく自分のことを信頼していたのだろうな、と
今回見て思った。

見ているだけで熱のようなものを感じる作品もあった。
作品数もちょうど良くて、見に行ってほんとうに良かったと思う。

ありがとう。

ビョーク

2007-11-28 20:54:44 | Weblog
来年二月に来日するビョークの
日本武道館公演、チケット優先予約の抽選に当選した。
日程は第一希望の金曜では無かったけれど、
行けることがラッキー。
ありがとう。

十数年前に、
アコーディオン奏者 cobaさんのクラブイベントへ行ったとき、
ちょうど来日中だったビョークがお忍び? で遊びに来た。
ほんとうに目の前1メートルくらいのところに、
赤いノースリーブのワンピースを着て
普通に立っていたビョークは
細くて小さくて、とてもかわいらしい人だった。
すごくオーラがあるけれど
人を威圧する感じではなくて、
すごく暖かい熱を放っている印象を受けた。
その時以来の生、ビョーク。
ものすごく楽しみ!


映画「転々」を観に行った。
一回目の入場でも、九割方座席は埋まっていた。
都内を散歩する映画なのだが、
ゆるくて笑いがあって、よく考えると深刻な要素があるのに
なんかほのぼのしてしまう。
私は1998年6月に実写版・猫村ねこ(仮名)と共に
「東京散歩」というベタな名前の散歩ユニットを組み、
いろいろな場所へ散歩をしたのだが
ここしばらく活動していなかったな……と。
また、どこか行ったことのない場所に散歩をしてみたくなった。
そんな気持ちを思い出させてくれてありがとう。


お昼ごはんに沖縄料理屋へ入る。
日替わりチャンプル定食というのがあり、何かは書いていない。
尋ねるとパパイヤだという。
チャンプルの中でもパパイヤが一番好きなのだが、
出していないお店が多いのですごく嬉しくなる。
こういう小さなラッキーにありがとう。


帰りに本屋へ行くと欲しい本がいっぱい。
大人買いをしてしまった。
洋服などは安い物でもものすごく悩みに悩んで買うのに
なんで本はどんどん買ってしまうのだろう……。

……しあわせな気持ちになるから、まあ、いいか……。

まだ体力が戻っていないようで、ものすごくぐったりしたけれど
今日もいい一日でした。
ありがとう。

パーマネント

2007-11-27 20:40:15 | Weblog
一年ぶりにストレートパーマをかけに行った。
私はあんまり髪に気を遣うタイプではないので、
私が美容室に行かないと~、と感じるくらいになると
髪の癖が出て、他の人から見たら相当むさ苦しい感じになっていると思う。

担当美容師のリカさんは、
ずっとお客さんにストレートパーマはオススメしなかったのだが、
今、使っているパーマ液が出てから
勧めるようになったそうだ。
ほんとうに私の癖のある髪の毛でも
真っ直ぐになるし、さらさらでつやが出る。
更にあまり傷まない。
「これもね~、化学を研究してくれる人がいるから良いのが出るんだよね~」
と言われ、なるほどと納得。

直接は存じ上げない方達の、
いろんな恩恵が連なって、日々、生活している。
ほんと、すべてはつながっている……。

ありがとう。


美容室を出て、渋谷LOFT2階の「一茶一坐」という
中国茶のお店で遅い昼ご飯を食べる。
私は1999年に、中国の宜興という、
中国茶の急須を作っている街まで旅行に行ったくらい中国茶が好きなのだが、
ここしばらく全く飲んでいなかった。
食事もお茶も、ずば抜けておいしいわけではなかったが
通された場所が窓に面していて、ゆったりした席の作りと
テーブル上の小さな灯りが心地良く、
凍頂烏龍茶をいただきながら、
ものすごくリラックスした良い時間を過ごすことが出来た。
平日の昼下がり、ゆっくり外でお茶をすることなんてないから、
とても新鮮だった。

そんな時間を持てたことにもありがとう。

11月の蜂

2007-11-26 22:35:39 | Weblog
出かけようと靴下をはいたら、左足の甲に激痛が走った。
力をこめて針を刺したような痛みだったので、
たまに縫いものをする私は、知らないうちに針が飛んだのかと思って
足を見た。
変にぷっくりと盛り上がっていた。
待ち針にしても大きすぎる盛り上がり方だった。
あまりにも痛くてゆっくりと靴下を脱いだ。

大きな黒い蜂がいた。

慌てて靴下の口部分を押さえ、
雑誌でがんがん叩いた。
洗濯物として干したときに
寒いからなのか、中に隠れていたのだろう。

足の甲には小さな赤い点がふたつ。
そこが刺された場所なのだろう、見る間にふくれあがってくる。

私の母は、スズメバチに刺されたことがあり、
もう一度刺されると命が危ないと言われている。
さすがにスズメバチとは思わなかったけれど、
靴下から出してみると体長二センチはある。
しかもまだ生きている。
強い生命力。

医者に行くことにした。
時間はお昼12時15分過ぎ。
行ったことのある皮膚科のカードを取りだすと
お昼休みが12時半から14時になっている。
電車で行かなければならないところなので、確実に間に合わない。
一応電話をしてみる。
「何時頃これそうですか」
「12時40~45分くらいになると思います」
「お待ちしています」
ほっとした。
蜂もビニール袋に入れて、急いで出かける。

12時40分到着。
先生も快く診察してくれて、
塗り薬と一応解毒剤を飲んでおきましょう、ということになった。
蜂を見せるとまだ動いていて
「私は見たことがない蜂です。知り合いで虫に詳しい先生に見せてみます」
と先生は言っていた。
速やかに対応したせいか、今はもう腫れも引いている。
ほんとうに先生、時間延長してくれてありがとう。

大家さんに話すと、布団などを干しても蜂が入ってくることがあるらしく、
洗濯物も取り込むときに、外でよくほろったほうがいいわね、とのことだった。

十一月末なのに蜂に刺されるとは……。
これも温暖化の影響なのだろうか……。
ほんとうに、少しでも自分の出来ることから日々、意識していかなければ。


蜂の件はほっとしたので、本日の当初の目的
「鳥獣戯画がやってきた!」を見に
初めて東京ミッドタウンへ行く。
私の中では鳥獣戯画はかなり好きな絵のひとつ。
この鳥獣戯画がもともとあった
京都の栂尾高山寺というお寺も、
景色を見ているだけで時が経つのを忘れるほど素敵で、大好きな場所だ。
全四巻の巻物の中では、
やはり一番有名な、兎と蛙と狐などが相撲を取ったり、
弓矢比べをしている「甲の巻」が
楽しいし、笑いがあるし、生き生きして好きだ。

美術館の展示ではどうしても、一部分しか本物を見ることが出来ない。
それでも見られるだけマシなのだが、平日なのに驚くほどの来場者で
列を作って、見たい作品にたどり着くのにけっこうな時間を要する。
日・祝などはどんなことになっているのだろう。
入場する前に、ロッカーに荷物を預けようとしたら満杯で
うろうろしていたら、ちょうど出す人が「使いますか?」 って言ってくれて、
更に百円玉に両替もしてくれて、
「預けて正解よ!」
そう教えてくれたけれど、荷物を持っていたならば
今のリハビリ状態の私には、中の混雑と共にかなりきつかったと思う。
ほんとうにありがとう。

いつか、本物の甲巻をすべて通して見てみたい!

キャンドルの芯

2007-11-25 23:21:40 | Weblog
昨夜、この冬初めてキャンドルを灯した。
炎の揺れやオレンジのあかりは
見ているだけで何ともリラックスさせてくれる。
無心になるというか、
後で思うとその時間に考えていたことが何かあるはずなのに
すっぽり抜けているような、
それでいて深い安堵感を得るように感じる。
さらに室温も少し、上がる。

灯を見ていると
外側のロウがどんなに立派でも
芯が良くないと、ちいさな炎にしかならないし、
芯が立派だと、側が貧弱でも力強く燃え上がる。
弱々しい芯でも、他の芯の残りなど何かを補助することで
別物のようになることもあるし、
それが付け焼き刃的だと、一瞬だけの輝きになるし
なんだか人と一緒だなあ……と。

ほんとうに自分の芯を作れるのは自分だけ。
自分で、太くてちょっとの風くらいで消えてしまわない芯を作らないと……。

以前、新宿ゴールデン街で飲んだときに
たまたま隣にいた山海塾のメンバーの方が
「すべては自分しだいなんですよ」
って言っていたけれどほんとうにそうだ。

蝋燭のあかりは、また改めて思い出させてくれた。
ありがとう。


今日は退院後、初めて自転車に乗って
実写版・猫村ねこ邸へ遊びに行った。
猫村さんの友達も来ていた。
そういう普通のことができることに
ありがとう。

自然光

2007-11-24 22:18:46 | Weblog
良い天気が続いていて、嬉しい。
私は光合成をしたいタイプなので
部屋を探すときも、
ほぼ寝に帰るだけのような日々でも
陽当たりは譲れないポイントのひとつ。
自宅療養ではなおさら、天気がいいと体調も良く、
自然に元気がでる。

一ヶ月ものお休みなど、学生時代の夏休み以来で
しかも十一月に休むことなど無かったから
ひねもす天気や気温、風の変化がとても新鮮だ。
木枯らしがびゅうびゅう吹いても
季節が感じられて嬉しくなる。


職場は地下にあるので、まったく外の天気がわからない。
地上に上がって初めて、雨が降っていることがわかり
傘を取りに戻ることもしばしばある。
しかも換気が悪く、外の空気を吸うことも難しい場所だ。
そのせいか、霊感の強い人は
あんまり近づきたくないと言う人もいるし、
誰も呼んでいないエレベーターが止まって
ドアが開いたりはしょっちゅうだ。
フロア内では、くだらないことでの揉め事も多い。
自分が直接に巻き込まれていなくても
トラブルが起きているのは良い気持ちがしない。

いろいろ揉め事のある職場だけれど
だからこそいろいろなことを知れた部分も多い。
客観的に見ると
「類は友を呼ぶ」
「因果応報」
そんなことわざ辞典のようなことが、デフォルメしたように起きることがある。
腹が立つことも多いけれど、冷静になったら
判りやすいかたちで見せてくれてありがとう、と思うようにしている。

職場もエネルギーを持っていて
それに引っかかるものを持っているから私もそこで働いているわけで
もし、私の何かが大幅に変わることがあれば
自然に今の職場から離れるときが来るのかもしれない。
やっている仕事そのものは好きだし、
福利厚生がしっかりしているし、初めての定時で帰れる職場だから
すごく良い部分もたくさんあるのだけれど。

もし離れたとして、
この職場でのことは、良い経験になったなあ~としみじみ思うときが来る気がする。
良いこと悪いこと含めて、感謝するんだろうなあ。

十二月になると職場復帰する。
このごろつくづく
自然の光の入る場所、風や雨を感じられる場所で仕事をしたいな~と思う。

祝! ビール!

2007-11-23 23:00:42 | Weblog
私はお酒が大好きです。
お酒好きと言っても、飲んでいる雰囲気が好きな人、
たいして好きではないけれどおつきあいで飲んでいる人など、
いろいろなタイプの方がいると思うのですが
私はお酒そのものをおいしい! と思って飲んでいるタイプです。
親は当然、やめろとかいろいろ言いますが、
手術直前しみじみ、
一生もうお酒を飲めないとしたら、
ものすごく寂しいだろう、すごい喪失感だろう
そう親に言いました。
そこまで好きなのか、と母は呆れていました。
それくらい酒好きです。

火曜日、病院に行ったとき
いろいろ今後の生活について質問しましたが、
そのなかでちょっと弱気にした問い。
「先生、あの~、アルコールを、飲んでもよいでしょうか……」
「ああ~、いいですよ! ぜんっぜん、飲んでいいですよ~。普通にして良いです!」
嬉しかった!!
そう、言ってもらえること、そのものがすごく嬉しかった。

本日、家の近所のベルギービール屋さんで
友人、実写版・猫村ねこ(仮名)と共に
本格的に解禁いたしましした。

うまい!

猫村さんには、いつもの
「足(たる)を知るですよ」
というありがたいお言葉をいただきつつ飲みました。

おいしいベルギービールとワインをありがたくいただき、
ほんと、好きなものを飲んだり食べたり出来ることのありがたさを
しみじみ味わいました。

それと共に、そういうことに付き合ってくれる友達がいることに
深く感謝したのでした。

ほんとうにありがとう。

普通のこと

2007-11-22 19:39:52 | Weblog
手術からちょうど今日で一ヶ月。
時間もちょうど、手術中……。

病室は四人部屋で、いろんな病気の人がいた。
みなさんとても感じのいい人ばかりで、
私のお隣は八十二才のおばあちゃん、
筋向かいはとても優しい話し方をする若い主婦の方。
お向かいは三十才くらいのYさん。

看護師さんと患者さんのやりとりを、聞くとはなしに聞いていると
だんだんどこを患っているのかが判る。
Yさんは、皮膚科ということで入院していたのだけれど
かなり調子が悪いようで、ほとんどカーテンを閉じたままだった。
それでも看護師さんが来るととても明るく話をする。
入退院を繰り返しているらしく、他の病棟の患者さんが時々遊びに来たりもするのだが
その時も、具合の悪さを感じさせないような話し方をする人だ。

Yさんは子供の頃から丈夫ではなかったようなのだが、
二十歳過ぎて、糖尿病になったという。
透析をしていて、最初の頃は二時間で出来たそうなのだが
今は二日に一度、四時間かかり
毎回、フルマラソンを走り終えたような疲労感になるという。
眼の調子も悪く、足の爪は剥がれていると聞いたときにもショックだったのだが、
「母がすごいポジティブな人で、目が見えないと言うと、
 歩けるからいいじゃない。って 言う人なんですよ~、だから救われます」
そう明るく言う。
頻繁に血糖値を測って、それによってお菓子を補食したりする。
私のように食べたいから食べるお菓子ではなくて、必要で食べる。

入院していると毎日必ず、前日のお小水とお通じの回数を聞かれる。
Yさんは「無尿症なんで……」と看護師さんに話していたので
お通じだけ尋ねればいいのに……と感じていたのだが、
担当看護師も変わるので仕方がないのか、ほぼ毎回聞かれていた。
そのうち
「尿意はあるんですけど、出ないんですよ」
そう話しているのが聞こえてきた。
ほんとうにすごい衝撃だった。

尿意があるのに、出せない苦痛……。
透析や他の治療は、なかなか想像しにくいけれど
これは自分に置き換えて考えやすい。
どんなに、苦しいか……。
そして、普通に排尿できることが
なんてありがたいことなのか、
初めて知った。


美輪明宏さんが、
「感謝するものが何も無いって言う人は、目が見える、歩ける、喋れる、
 そういうことに感謝すればいいのよ」
以前そう話しているのを聞いたことがあったけれど
ほんとうにそうだ、と実感した。
普通のことは、ほんとうは普通ではない。
すごくありがたいことなのだ。

この入院生活は私のからだだけではなくて、
内面も変えてくれたと思う。

私が退院する日、Yさんは朝からそうとう具合が悪そうだった。
カーテン越しに声をかけて挨拶をすると、
Yさんから笑顔で、両手で握手をしてくれた。
すごくありがたくて、泣きそうになった。
「お大事にしてください……。ありがとうございました」
としか言えなかった。

Yさんは意図しないで、私にものすごくいろんな事を教えてくれた。
ココロから感謝している。
少しでもからだに、負担のかからない状態になってほしい。
私は何もできないけれど、心からそう願う。

50本目

2007-11-21 23:37:27 | Weblog
日比谷へ映画、「タロットカード殺人事件」を観に行った。
平日の上映一回目というのを観たのはたぶん初めてなのだが、
八割近く座席が埋まっていてちょっとびっくり。
レディース・ディというのもあると思うけれど
友達同士で来ているおばさまたちがほんとうに多い。

ウッディ・アレン監督作品なのだが
相変わらずシニカルで笑えた。
この人の映画で初めて観たのは
「カイロの紫のバラ」という作品で
不幸な結婚をしている女性の唯一の息抜きが映画で、
何度も同じ映画を観に行っていると
画面の中から、その主演俳優が出てきて恋に落ちるというファンタジーだった。
今回のも霊が出てきたりで、シニカルとファンタジーが相まって笑ってしまう。
この人の作品は、ほんとうに好き嫌いが分かれると思うけれど
音楽のセンスもいいし、私は好きな監督だ。

イギリスが舞台で幽霊、といったら他の国が舞台よりは自然かもしれないが、
幽霊が最初に出てきたとき「波長が合ったから」と言う。
この頃いろんなところで聞くのと、どこの国でも同じなんだ~、と再確認。

人や動物もそうだけれど、家や物、環境も
すべてエネルギーを持っている、と実感することが多くなって来ている。
たわいないことだと、部屋に掃除機をかけるだけで
かける前とはエネルギーがまるで違うのを感じる。
さほど物を動かしたりしていなくてもだ。
そんなふうに、ちょっとのことでいろんな波動が変わる。

だから自分自身、常にプラスのエネルギーを放射する人になりたい。
少しずつでも、良い波長へと変わっていきたい。
今はストレスのない日々を過ごしているから大丈夫だけれど、
職場復帰してもそう居られるようになりたい。


帰ってから手帳を見たら、
今年映画館で観た五十本目の映画だった。
病気のこととかであんまり映画館へ脚を運べていない気がしていたけれど
それなりに観に行ってたんだなあ……。
そんな時間を作れる環境にあることや、健康であることに感謝。


今日は私にとってCD発売ラッシュだったことに気付いて
ストレイテナーと怒髪天のCDを購入。
音楽はほんとうに見えないいろんなものをプレゼントしてくれる。
ありがとう。