
喋んないでください、死んでんだから
お笑いの道にあこがれて構成作家になったものの、殺伐とした社会と報われることのない日々に疲弊してしまった関谷一平は、駅のホームから飛び降りる決意をする。
しかし、隣の駅で人身事故が起こったことにより、一平の状況が一変する。死に損なった一平の前に男の幽霊が現れ、「娘に付きまとっている男を殺してくれないか?」と、一平に殺人依頼を持ちかける。
しかも、男を殺すまで幽霊は一平にとり憑くという。(「作品資料」より)
駅でついふらふらとホームから飛び降りようとした構成作家の関谷一平。
しかし、隣の駅で人身事故が起こり、死ぬことはなかった。
しかし、その事故で亡くなった男、森口友宏の霊が一平の前に現れる。
そして友宏の霊は、一平に娘に付きまとう元夫を殺せと言ってくる。
言う通りにしないと一生付きまとうと言う。
仕方なく、友宏と共に、娘、綾の元夫、若松を監視することにする一平。
そんな一平の姿と友宏との顛末が描かれる。
設定的にはコメディという感じがする。
一平が構成作家でコントの台本などを書いたりしているので、もっと笑いを誘うコメディかと思っていた。
笑わせられるシーンはあったが、全体的にはシリアスなドラマであったな。
夢見たお笑いの道に入ったものの、報われない日々を送り、疲弊していた一平。
死んでしまった男の霊に憑かれ、人を殺せと強要される日々を送ることによって、自分の大切なことを見つけ出す。
友宏の霊が一平のコントの台本作りを手伝うという展開は予測できたかな。
綾と知り合い、護っていくことで、もしかすると2人はいい仲になるのではとも思う展開。
果たして、一平は友宏の霊の命令通りにするのか。
笑いは少なめではあったが、設定、展開は興味深いファンタジー・ドラマであった。
ラストはこの手の話としては意外な結末だったかな。
/5
監督:田中征爾
出演:水川かたまり、唐田えりか、喜矢武豊、堀未央奈、森岡龍、別府貴之、津田康平、山井祥子、正名僕蔵
於:新宿バルト9
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