あるニヒリストの思考

日々の思いを綴る

どうして、こんなことが気になるのだろう。(自我その338)

2020-04-01 12:06:51 | 思想
人間は、「どうして、こんなことが気になるのだろう。」と思うことがある。例えば、会社や学校で挨拶をしたのに無視されたり、いつもは敬語で話してくる人が今日はため口であったり、以前は誘いに応じてくれていた人がこの頃は誘いに応じてくれなかったり、いつもは自分に特に仲良くしてくれている人が他の人と仲良くしていたり、周囲の人が陰で自分の悪口を言っていると聞いたり、周囲の人が自分だけをのけ者にして仲良くしているように見えたり、周囲の人が自分だけを笑いものにしようとしているように見えたりなど、挙げてみればきりが無い。そんなに気になるのならば、相手にその理由を尋ねたり、相手をとっちめたりすれば良いのだが、それが誤解であったり、「何だ。そんなつまらないことを気にしていたのか。」と言われたりする虞があるので、できないのである。自分自身も、どうでもよいことだと思うのだが、それを気にしている自分の心をどうすることもできないのである。気になるのである。なぜ、気になるのか。それは、人間は、表層心理ではどうでもよいことだと思っているが、深層心理が気にしているから、気になるのである。それでは、なぜ、深層心理が気にするのか。それは、自我が他者から無視や侮辱などの悪評価・低評価を受け、深層心理が傷付けられたが、その心の傷の修復が為されていないからである。他者から無視や侮辱などの悪評価・低評価を受け、心が傷付いたが、反論や仕返しをしていないので、気が晴れず、悔しさだけが残っているのである。傷心の修復が為されていないから、深層心理は気にするのである。そこで、本人には気になるという現象が起こるのである。人間には、深層心理と表層心理がある。深層心理とは、人間の無意識の思考である。表層心理とは、人間の意識しての思考である。人間は、まず、深層心理が、欲動によって、快感原則に基づいて、感情と行動の指令という自我の欲望を生み出すのである。その後、人間は、深層心理が生み出した行動の指令のままに行動する場合と、表層心理で、深層心理が生み出した行動の指令についての諾否について思考した後、行動する場合があるのである。表層心理で思考し、行動の指令について受諾した場合、そのまま行動することになる。表層心理で思考し、行動の指令について拒否することを決定し、意志で行動の指令を抑圧した場合、表層心理で、深層心理が納得するような代替の行動を考え出さなければならない。しかし、表層心理で思考し、行動の指令について拒否することを決定し、意志で行動の指令を抑圧しようとしても、深層心理が生み出した感情が強過ぎると、深層心理に押し切られ、深層心理が生み出した行動の指令のままに行動してしまうのである。人間が「どうして、こんなことが気になるのだろう。」と思う状態が続くのは、次のプロセスをたどっているからである。人間は、他者から無視や侮辱などの悪評価・低評価を受け、深層心理が傷心・怒りという感情と反論・仕返しという行動の指令を生み出したが、表層心理で思考し、行動の指令について拒否することを決定し、意志で行動の指令を抑圧したのである。しかし、表層心理で、深層心理が納得するような代替の行動を考え出すことをせず、何もしていないので、深層心理は気が晴れず、深層心理には悔しさだけが残ってしまうのである。しかも、人間は、表層心理で、「どうして、こんなことが気になるのだろう。」と思っているので、いつまでも、深層心理が納得するような代替の行動を考え出すことをしないので、当然のごとく、深層心理は気が晴れず、深層心理には悔しさだけが残り、人間は、いつまでも、気になることがある状態にいるのである。


コメント   この記事についてブログを書く
« 深層心理が生み出す嫉妬心に... | トップ | どうして、簡単に、忘れるこ... »

コメントを投稿

思想」カテゴリの最新記事