処遊楽

人生は泣き笑い。山あり谷あり海もある。愛して憎んで会って別れて我が人生。
力一杯生きよう。
衆生所遊楽。

ルーヴル美術館展

2015-05-07 08:26:58 | 美術・絵

フェルメールの残存する三十余点の作品の中で、男性を描いたのは『天文学者』だけという。それを観に新国立美術館に出掛ける。

午後の遅い時間とあってチケット購入に並んだ時間は20分で済んだ。 

  

《 天文学者 》

右手で触っているのは天球儀。着ているのは日本の着物をまねた上着で、裕福な階層に大人気のファッションであったらしい。描かれた主人公は、顕微鏡の発明者という説もあるとか。

 

面白いのは、ニコラ・レニエの《女占い師》。

二人の褐色の肌の「ロマ人」の女が組んでおり、そのうちの若い方が「女占い師」として、色の白い世間知らずの娘の手相を読むふりをしている。

   

その間に、もう一人の年増女が手を伸ばして娘の鎖を盗もうとしており(下図の右側の矢印)、他方では、羽のある帽子を被った色白の男が、占い師の背中の雄鶏を盗もうとしている(下図の右側の矢印)。これは「盗人が盗まれる」という寓話を基にしていると解釈されているが、さしずめ「追剥の上前をはねる」といったところだろうか。

 

                          

 

レンブラント《 聖家族 》または《 指物師の家族 》

小作品ではあるが、やわらかな光の表現は、大いに一見の価値あり。

        

この展覧会の副題は【日常を描くー風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄】。83点の作品の中には、コロー、ブリューゲル1世、ミレーなどもある。

この日、六本木シネマズで観た『王妃の館』のルーヴル美術館の如くに、ゆったりマイ・ペースで観賞とはいかないが、本物を目にした充実感は力になる。