原題 STATE OF PLAY
もとは2003年にBBCで放送された人気番組。ハリウッドによるリメイク版。
売り上げ至上主義の会社(さらにその背景の巨大権力)の方針に屈した報道記者の真実を巡る戦いと挫折。題名から、 そんなよくある展開を予想はしていたが、展開はもっと複雑で、様々な伏線が用意され、飽きさせない。
テンポがいいのと、全編の背景に流れる低い小刻みな音楽が、緊張感を上手く演出して、上等のサスペンスに仕上がっている。
メタボの、なにやら小汚いラッセル・クロウ演じる記者は、バイタリティに溢れてなかな好感が持てるし、彼とチームを組むレイチェル・マクアダムスは、まだ青臭いくせに名を上げたがる生意気な女性記者に適役である。女性の編集局長は、男に比べるといささか迫力に欠けるが、アメリカらしくて宜しい。
ロビン・ライト・ペンが出ているのは嬉しかったね。『デブラ・ウィンガーを探して』(2002年)以来か。齢は取ったが、端正な美しさは相変わらず。 『メッセージ・イン・ナ・ボトル』(1999年)の彼女は素敵だった。
彼らが働く「ワシントン・グローブ」は、「ワシントン・ポスト」社内の実写だと言う。これを観ることができたのは、思いのほかの収穫ではあった。