『夏が来れば想い出す。』 水芭蕉は、初夏の華なのだ。上の絵は、5月26日に撮ったもの。下界では、25℃を気温が超えて、夏日である。作詞家である、 江間 章子氏の感覚でも、夏を実感している。【岩淸水】の撮影取材で、3月30日に板室温泉に立ち寄った事がある。もうその日には、水芭蕉が盛りを過ぎていた。尾瀬と板室温泉のある 関東平野では、温度が 10℃ほども違う。ひとつきで、3℃で月が遷ってゆく。ならば、10℃の差は 3ヶ月と言うことにもなる。2018年5月27日の撮影時に、不覚にも霜の降りた木道で、滑って転倒した。つまり、尾瀬の早朝・日の出前は、まだ冬なのだ。冬に夏の花が咲く。この妙味が、水芭蕉の花といふ歌が流行った、その原因なのか。とにかく、ミズバショウは、非日常の尾瀬に、初夏の陽気で愛でる。そうした華なのだろう。
2018 03 30 深山湖
知識で得る季節感と、目で観て肌で感じるものとは、別ものだ。ましてや、平地では夏にもなる。そうした日常から離れて、霜の降った木道で、滑って転倒する。肘の皮をすりむいて、それこそ肌身の痛みで知る。そうした、冬は別格なのだ。
白い花弁とも見える。無茶な表現をすれば、ソフトクリーム型。是は仏炎苞(ぶつえんほう)という、葉が変化したもの。花は目立たない存在であり、極めて小さいが、密集して無数に存在している。それが中央にある円筒状の花序(かじょ)である。
花は白い仏炎苞に遅れて出てくる。これが 8月をすぎる頃になれば、高さが 1メートルを超す大きさに、伸びることもある。まさか此の芭蕉の葉のような、巨大な植物が、あの可憐なミズバショウだとは、ビックリポンではある。
ミズバショウの仏炎苞は白い。そして同じサトイモ科のクワズイモのそれは、葉と同じく緑色だ。