つぶやき、或は三文小説のやうな。

自由律俳句になりそうな、ならなそうな何かを綴ってみる。物置のような実験室。

アクターズアンドアクトレス

2017-06-28 21:12:48 | 文もどき
もやもやして
もにょついて
気が滅入る。
厄を払ったとか
ゲンを担いだとか
そんな気分だったはずが
暗転。
舞台ならば
ここからが見せ場。
クライマックスに向けて
白熱してゆく。
きっと明日は
そうなるに違いない。
そうして
ゆるやかな
大団円と
なることを信じよう。
これが第何幕にあたるのかは
知らないが。

よい旅を

2017-06-24 00:00:44 | 文もどき
Goodは餞のためにあることばなのだと気づいて、ふと思い出す。(ちなみに、餞という漢字を見ると盂蘭盆に燃やすお金を模した紙のことを思い出す。)
邦題をグッド・ウィル・ハンティング〜旅立ち、という映画のことだ。
Good Hunting は"よい旅を"という意味を持つ慣用句で(ケン・リュウの痛快な短編のタイトルでもある)、Good Will Hunting はすなわち"いつかよい旅を"という、本編を通じて響きわたる登場人物の祈りであり心の叫びなのだ。
おれがいつも願っているのは、このドアを開けたとき、おまえがいなくなっていること。
大きな歓びと、未来への祝福と、かすかな喪失感を持って紡がれる独白が、ふとよみがえる。
知らないというのは惜しいことだ。
だが悲観することもない。
開けてもいないドアの向こうにある景色を、今どうして知ることができるだろう?
驚きと喜びと興奮をたずさえて、いつかかえってくるいろいろの事どもへの餞に。