以下は、2013年9月17日 の記事である。
無脳層、他脳層、自脳層 「3脳層説」 は差別主義か?
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他脳層は面白い (ザウルス) 2017-01-17 18:13:02
ご指摘の通り、ファッションには脳層の違いがよく出ますね。
他脳層がブランド志向という点は正解ですね。権威主義者はブランド、肩書きにひれ伏しますからね。自分に合うかどうか、そもそもそれ自体センスがいいかどうかよりも、ブランド名が外見からわかるかどうかが重要なのだと思います。自脳層で高級ブランド好きのひとはいないでしょう。無脳層もブランドは好きですが、ニセ物でも満足します。しかし他脳層はあくまでも本物志向です。
また、他脳層の読書にも特徴があって、「その本、読んだよ」 とひとに言うために読んだりします。
また、自動車の選び方にも脳層の違いがよく出ていると思います。他脳層はおおむね外車好きですね。
とにかく、他脳層は観察していて面白いひとたちです、はい。
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具体例をもっと挙げよう。
<例1> ニース“暴走”トラック事件をどう思いますか?
1. 無脳層は、新聞とテレビを鵜呑みにしているので、「ひどいことするよねえ、罪もない人たちを。今回特に子供の犠牲者が多かったそうじゃないか。まったく何考えているんだか。日本でも起きたらと思うと怖いよね」 となる。
2. 他脳層は、自分が肩入れする評論家やコメンテーターの受け売りのまま答える。「これは“対岸の火事”ではないと思うね。日本でもいずれ起こることだと思う。フランスの知り合いも友人が殺されたと言っている。他人ごとではないですよ、この事件は。でも、テロにはやはり毅然とした態度で臨まないとね。」 などなど。
3. 自脳層は、もともと新聞とテレビを信じていないので、独自の確かな情報源に基づいてこう言うかもしれない。「トラックのドライバーは事件当日チュニジアにいて事件を知り、関与を全面否定していますね。押収された当のトラックには血痕がほとんど見当たらないようですから、この事件はそもそもからして怪しいと思っていいのではないでしょうか?」
<例2> この健康飲料どう思いますか?
1. テレビでもしょっちゅう出ているし、自分の周りの人たちがみな飲んでいるので、自分も、買って飲む。 NO brainers 無脳層(脳無しな人々)
2. 有名大学の教授が雑誌で薦めていたので、知りあいに勧められたので、買って飲む。 OTHERS' brainers 他脳層(他人の脳、つまり権威者の脳ミソに依存している人々)
3. その健康食品の成分、品質、効能をじっくり検討した結果、自分に必要であれば、買って飲むが、期待に応えなければやめる。 MY brainers 自脳層(自己判断可能な人々)
健康食品に限らず、あらゆるものについて、この3つの形態が存在すると思われる。当然、1,2,3の順に数は少なくなっていく。、逆ピラミッド型の人口構成というにはあまりにも極端かもしれない。しかし、これが現実である。これらの3つの層に属する人間はそれぞれ判断の拠り所が以下のように異なる。
1. 無脳層 90.0% (9割、圧倒的多数)
判断: “一般性(知名度)” と “損得” にもとづく
情報源: テレビ、新聞、ネット、クチコミ、書籍 の順
2. 他脳層 9.9% (約1割、少数派)
判断: “権威” と “損得” にもとづく
情報源: テレビ、新聞、ネット、クチコミ、書籍 の順
3. 自脳層 0.1% (超少数派)
判断: “論理” と “真偽” にもとづく
情報源: ネット、書籍、クチコミ の順で、テレビ、新聞は1%以下
1,2,3 は支配力の順である。人口比からすると、極端な逆ピラミッドである。当然、無脳層が圧倒的な勢力を誇っている。それもそのはずだ。無脳層とは 言い換えれば、“大勢派” である。当然だろう。自分の頭で考えない人間は大勢に従うだけである。いつも大勢に従っているから、自分の脳ミソを使わなくなってしまうという面もあるかもしれない。
一方、他脳層はそうした脳なしの無脳層と自分は違うんだということをみずからのアイデンティティとしており、無脳層との“差別化” のために労力、お金を惜しまない。
2018.02.11. 追記
無能層と他脳層との境界ははっきりせず、グラデーションの幅がある。その理由は、他脳層も結局は無能層であって、他人の脳を借りているだけの存在だからである。他脳層は見栄張って権威者のカツラをかぶっているだけであって、それを取れば無脳層と同じなのだ。つまり、他脳層は、自脳層のフリをしている無脳層なのである。(^_^)
無脳層と他脳層を合わせた「圧倒的多数派」99.9% を「低脳層」と呼んでいいだろう。
最底辺を這いまわっている「絶望的少数派」0.1% が「自脳層」ということだ。(^-^;
低脳層と自脳層との境界は歴然としている。ここにはグラデーションはほとんどない。
自脳層は何なのかというと、この超少数派は、無脳層や他脳層からすると、どうでもいいことに頭を使っている、良くて “ヒマ人”、 悪くて “変人” の部類である。
この記事を読んでいるひとも1か2 か 3 に属することになる。自脳層の特徴は “疑うこと” である。特に “常識を疑うこと” である。しかし、世の中のふつうの考え方はどうもウソっぽい、現実はそんなものではないだろう、と 常識を疑っている人は1,000人に1人もいないのだ。
大多数のひとはテレビ、新聞、雑誌、車内広告、ネットニュースに出てくるものをほとんど拒絶も批判もしない。否定しないということは、いちおうウソではないものとして受け容れているということである。電車の中でスマホに夢中になっている人間の 90% は “無脳層” と言えるのではないか。
いくら情報が増えても、自分の頭、自分の脳ミソで考えない人間は、新聞を読もうが、スマホを使おうが、けっきょく “無脳層” か “他脳層”のままである。最先端の情報端末(スマホ、タブレット)を駆使して、望むだけの情報を毎日手に入れていても、無脳層、他脳層は根源から疑うということをまずしない。
一般的に普及していようが、知名度があろうが、権威がありそうな情報であろうが、そのまま受け容れず、受容する前に 自分で確かめるか判断留保できる人間は、実際には1,000人に1人もいないだろう。この0.1%という見積りすら、人間という種族の “買いかぶり” 過ぎかもしれない。
<例> ゴッホの 「ひまわり」 はいかがですか?
1. 無脳層は、知名度だけで、「いいんじゃないですか」 と言う。
2. 他脳層は、無脳層を見くだしているので、多少の理屈が加わる。美術評論家の△△がいいと言っていたからという理由で 「印象派絵画の傑作ですね、いいですね」 などと言う。
3. 自脳層は、一般の評価、美術界の評価に関係なく、しかもゴッホの他の作品とも関係なく、「ひまわり」という作品は自分の好みかどうか判断して、「好きですね、いいと思います」、もしくは 「あまりわたしの好みではないですね」 と言うだろう。
<例> TPPについてどう思いますか?
1. 無脳層は、新聞やテレビや世間話から、「いろいろ問題はあるようですけれど、仕方ないんじゃないですか」 となる。
2. 他脳層は、自分が肩入れする評論家や政党や団体や新聞の主張の受け売りのまま答える。「やむを得ないんじゃないですか」 とか 「やっぱり、反対ですよね」 など。
3. 自脳層は、さまざまな意見、立場を参考にしながらも、自分なりのリサーチと自分の価値観に基づいて判断を下す。まず 「賛成です」 または 「反対です」 として、次にその根拠を展開するだろう。
<例> 乳製品は体にいいと思いますか?
1. 無脳層は、新聞やテレビや世間話から、「やっぱり体にいいと思いますよ、牛乳は。カルシウムやビタミンDや乳酸菌が豊富だし」 となる。
2. 他脳層は、自分が肩入れするブランドや団体や企業の脅迫宣伝のまま答える。「カスピ海ヨーグルトはいいですよ、もう8年食べていますけれど」 とか 「子どもが牛乳嫌いで困っているんです」 など。
3. 自脳層は、さまざまな意見、立場を参考にしながらも、自分なりの最新のリサーチと自分の価値観に基づいて判断を下す。「乳製品は体に有害という説もあるので摂りません」 「乳酸菌がいいと言われていますが、べつに乳製品でなくても摂れますしね」 など。
1,2,3、の階層は、非常におおざっぱには教育レベルを反映しているが、あまり厳密に対応しているわけではない。実際、高学歴でありながらも、無脳層や他脳層に属する人間は意外に多い。記憶力だけで高得点が取れる日本の教育制度では、自脳層は評価されず、アウトサイダーかせいぜいマージナル(周辺)分子に終わる。
大卒でなくとも自脳層に属する人間はたくさんいる。いっぽう、自らが高学歴であるがためにむしろ権威主義的になって世間的権威に安住している他脳層は非常に多い。逆に、なまじ高学歴でない人間は学歴や権威にとらわれずに物事を判断する傾向があるために、結果的に自脳層に属している場合がある。
とにかくこれはケースバイケースであって、学歴だけでは絞り込めないし、個人差が非常に大きい。自脳層に多い、独立心、懐疑心、批判精神に富んだ性格 や 、逆に無脳層と他脳層に多い、 盲従的で権威主義的な性格 というのは、学歴と直接関係がない。高い学歴でなくても、独立心、懐疑心、批判的精神を備えた立派な人間はいるものだ。いくら高学歴でも、権威にひれ伏して、権威の無い相手には居丈高になる、卑屈な人間は掃いて捨てるほどいるではないか。
ただ、一般的に日本人は権威主義的傾向が強いと言える。“権威主義” とはつまりは、“他脳主義” なのである。大勢順応派の無能層もとうぜん権威主義的であるが、他脳層のほうがその傾向が強い。
1. 無脳層 NO brainers ノーブレイナーズ (スマホ好き、テレビ好き)
2. 他脳層 OTHERS' brainers アザーズブレイナーズ (ネット好き、活字好き)
3. 自脳層 MY brainers マイブレイナーズ (活字好き、ネット好き、テレビ嫌い)
3つの階層があるように論じてきたが、重要な点は、けっきょくは自脳層であるかどうかなのである。1と2の無脳層と他脳層は所詮、自分の頭で考えていない、人間としては非常にお粗末な層なのである。もちろん人間は無脳層として生まれる。しかし、ほとんどの人間はそのまま無脳層として終わる。そして無脳層の中で階級化が進み、一握りの他脳層が分厚い無脳層に君臨することになる。他脳層は “権力志向” が強いのである。
たちの悪いのは、何といってもこの他脳層である。世間的権威などをかさに着ているだけで、もはや自分の頭や自分の感性で判断することができなくなっている哀れな人種である。しかし、自分は知的階層に属していると思い込んでいるだけに始末が悪い。この種の人間は常に1の無脳層を見くだしながら生きている。そして3の自脳層の人間を、権威を無視する愚かで、いい加減で、潜在的に反社会的な厄介な人種と見ている。
3脳層説は差別主義か?
わたしの3脳層説を、「差別主義だあ!」 と批判する人間がいるようだ。そういう人間はだいたい他脳層か無脳層に決まっている。自分が馬鹿にされたと勝手に思っているのである。そもそもどこが差別であろうか?無脳層は常に圧倒的な勢力を誇り、現代社会における最大勢力の 支配層 である。世の中を動かしているのは無脳層である。3脳層説は人口比的には逆ピラミッド構造であるが、頂点は無脳層であり、最下層は自脳層である。自脳層の人間が、ふだん自分は差別されていると思うことはありうるが、このザウルスの3脳層説にその矛先を向けることはないであろう。
自脳層は、“思考の自炊派” である。 本来だれでもできることを自分でやっているだけのことである。では、無脳層、他脳層は何なのか?
2018.02.11. 追記
無脳層と他脳層を合わせた「低脳層」は、けっきょくどちらも自分の頭で考えない、 “思考の外食派” である。3つ星レストランであろうが、牛丼であろうが、コンビニ弁当であろうが、いつも他人任せのアタマである。
自脳層は、頑固に “自炊思考” をしている “変人” である。
追記 2016.01.17: コメント欄に非常に洞察に富んだ指摘があった。無脳層の人間が自脳層になる可能性である。実はこれはけっこうある。これは無脳層の人間が何らかのきっかけで真実に目覚めるというパターンである。そのきっかけは多くの場合、自らか自分の身の回りの人間が大きな災難や不幸に見舞われたようなときである。世の中、人生の不合理に直面すると、人間は真実に対する感覚が極度に研ぎ澄まされてくるのである。世の中のウラ、ウソが至る所に見えてくるのだ。
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2の人が3になることは滅多にないと思いますが、1の人が3になる可能性は大ですね。
3の人が1の 99%になるといいですね。^^
私も無脳層にいましたが、原発事故後に世の中の嘘、利権に気付いてしまいました。全部変えることはできないけれど、先ずは予防接種や牛乳、白い食品に気を付けて生活しています。
さて、今回のテーマの2の人と3の人を分ける事は実際は難しいのではと感じています。
3の人でも自分のよく知らない分野の事を判断するには、ある程度権威のある学者や研究機関、報道などを選んで参考にせざるを得ません。高く評価する一人の専門家の説のみを根拠にするか、複数の報告なり説なりを吟味するかで2と3を分けるのでしょうか?
吟味と言っても、突き詰めればこの専門家を信用するかしないか…の判断ですよね。
他脳層はひとの説をさも自分で考えたかのように論じるのだ。コンビニ弁当や、スーパーの総菜を自分の料理のようにして出すのだ。平気でパクるのが他脳層である。
自脳層が第三者の説や考察を援用する場合はきちんと断るのである。隠す必要はなく、むしろそれを見つけて多くの人に紹介できることを誇りに思っているのである。
これは私にも当てはまっていると思います。
と言うかむしろ人間は物心が付いて記憶を持ち始めるまでに、親や社会にスポイルされたり、強圧的な躾によって無脳層にされるのではないかと考えてます。
要するに殆どの人間は無脳層からスタートさせられると。
ザウルスさんの指摘する「乳製品の危険性」については懐疑的です。
まず、食品摂取については、その民族の長年の食生活と関連しているので、ある民族にとっては有害であっても、ある民族にとっては有益になることもあると思われるからです。
例えば、インド人は長年大量の香辛料を摂取してきているのですが、これが多くのインド人に対して、実際に新陳代謝を促す作用として有益に働いています。
しかし、インド人と同じ量の香辛料を日本人が摂取した場合、体を壊します。
また塩分摂取についても、その民族の長年の生活習慣によって遺伝子に刻み込まれた許容範囲が異なることも言われてきています。
乳製品に対しても、同じ事が言えると思います。
ある民族にとっては、長年の生活習慣により摂取によって、良い働きをする場合もありますし、逆に乳製品の摂取に体が慣れていない民族には悪影響を与えるかもしれません。
また米国で乳製品による健康被害ではないかと言われている問題については、米国の乳牛に「成長ホルモン剤」や「抗生物質」を大量に与えて、まるで工業製品のように牛を育てているのが原因かもしれませんし、また米国は多くの核実験を行なって来ている国なので、牛乳にストロンチウムが含まれているかもしれません。
確かに、日本人の身体は遺伝子的にも乳製品に慣れていないので、あまり良くないのかもしれません。また、原発事故で大量の放射性物質が拡散され、ストロンチウムもばらまかれたので、いまの乳製品は危険性は高いかもしれませんが。
乳業はすでに滅びゆく産業なのである。欧米ではすでに牛乳の売り上げがガタ落ちでになって久しいが、日本でも落ちる一方で、かろうじて学校給食で命をつないでいる有様である。
牛乳は栄養学的にも全然必要なものではなかったのである。無くても全然困らないものだったのである。戦後急速に発展した日本の乳業は現在必死になって生き残りの方策を模索している。すでに長いこと “牛乳=カルシウム” という幻想で骨粗鬆病におびえる高齢者を騙してきたが、次は “乳酸菌=健康” という我田引水の神話で次の世代を騙そうとしている。
牛乳神話の崩壊とともに、乳業は衰退していく運命である。乳がん検診のアンケートに「あなたは牛乳を飲みますか?」という質問があるのはなぜなのか冷静に考える人は少ない。無脳層はそれに気づくのが特に遅く、いつまでも乳製品を取り続けるだろう。無脳層は “50年待ちピープル” である。世の中の流れが変わったことが誰の目にもはっきりするのには、50年かかるのである。自脳層は、海外の動向にも目配りしたうえで、早々に牛乳とは縁を切っているのだ。