音のパレット

2009年11月4年半にわたるウィーンでの留学生活を終え、日本に完全帰国。
体を壊した長いブランクを経て、始動、です。

Wiener Philharmoniker&Eschenbach ウィーンフィル&エッシェンバッハ

2006-04-30 | Konzert コンサート
今日はウィーンフィルの夜の定期演奏会に行ってきました。
プログラムは
Mozart :Regina coeli fuer Sopran,Chor,Orchester und Orgel,KV108
Schumann :Konzert fuer Violoncello und Oechester,a-moll,op.129
:Symphonie Nr.2,C-Dur,op.61
Solist:Ildiko Raimondi,Sopran/Tomas Vaega,Violoncello

まず最初のモーツァルト、最初の入りは和声的に音楽が滞りなく流れてウィーンフィルの弦楽器の音色とマッチし、美しい響き。
合唱も強すぎず、一言一言大切に歌っていて、ホールの響きと上手く融合。
ただ、ソリストが入った時にソリストに合わせすぎたのが、音楽がちょっと押し戻され気味に・・・。いっそのこと思い切って流れを変えてしまったらまた違ったのだろうけれど、前の流れを保とうとしていたのか、ソリストが入った時だけ違和感を感じました。

2曲目のチェロコンチェルト、ソリストにウィーンフィルメンバーのTomas Vaegaを迎えての演奏。
前曲も感じた事ですが、どうやら私はオケとソリストの音楽のイントネーションが違いすぎてしまうとなかなか音楽に集中できないようです。
この曲もそうでした。合わせすぎて個性が光らなくなってしまっても、お互いの音楽を無視してしまっても成立しない協奏曲の難しさかもしれません。
同じオケのメンバーがソリストだと言うことで、微妙な掛け合いを期待していたのですが、ソリストとオケで同じ言葉の発音が違うことがしばしばありました。
それがうまく融合していれば良かったのですが、あきらかにワンテンポずれてしまったような印象を与えてしまっていたので・・・。
一音一音堅実に、1フレーズを大事に弾くチェロは好感が持てましたが、音楽を大きな流れで創るエッシェンバッハとの相性はあまりよくなかったのかもしれません。
※誤解の無いように・・・ソリストとオケ、音はちゃんと合っていました!ここでは音楽的ズレのことを言っているので。

3曲目の交響曲2番は、最初の弾きだしがちょっとあいまいだった以外は常に音楽が流れてとても心地良いシューマン
ウィーンフィルの面々もとても弾きやすそうに弾いており、エッシェンバッハも細かい事より和声的な大きな流れを大事にして、細かいことはオケに任せていた印象。
この日一番大きい拍手の沸いた曲でした。

Die Sitzplaetze in der Wienerstaatsoper オペラ座の座席

2006-04-29 | Notiz derMusik 音楽雑記
日本では目の飛び出るくらい高いオペラのチケット。
外国のオペラ座の日本公演ともなると、そう簡単には手が出せない・・・。
でもここウィーンでもオペラのチケットは普通のコンサートに比べて高いというイメージがありました。

しかし、ひょんなことから知ってしまったお得(?)チケット
オペラ座に1階~3階に設けてある各階、左右13個ずつのボックス席(Loge)
のうち、ボックス10までの一列目以外は、一律9~10ユーロでオペラが楽しめるのです
バレエだと一律7ユーロ程!何でこんなに安いかと言うと、ちょっと景観に問題が・・・
しかし、ボックス7番あたりから10番あたりの座席番号4番という席は、舞台、殆ど見えるのです
10番なんて取れたら最高ほぼ真正面で舞台を鑑賞できます!
ただ、2階(1.Rang)、3階(2.Rang)と上がるごとに一列目の人の頭が視界に入り邪魔になるので、1階(Parterre)がオススメ。

実はこの料金設定、今期から導入されたもので、去年のシーズン中はもっと高値で販売されていました。
近年の深刻な観客離れを深刻に思ったのかは判りませんが今期から改定されて座席を手に入れやすくなりました。
ただ、その分Parkett(平土間)の高値席が増えたという事実もありますが・・・。

先日ネトレプコの出演するオペラのチケットを買いに行った時のお話でもちょっと触れましたが、オペラ座のチケットは並べば必ず手に入るシステム。(もちろん年間予約券などで、その日用意される枚数はまちまち)
このとてもよく見える安いチケットを買うには、演目にもよりますが朝の6時くらいに売り場へ並びに行く必要があります。
※ちなみにネトレプコのチケットを取りに来ていた人たち、結局何時から並んでいたか突き止めたところ、発売時間の24時間以上前!つまり前日の早朝から寝袋持参で泊り込んできていたという。
私が2時間ちょっと並んだって買えるわけもなく・・・。

立ち見するよりゆっくり座って観ていたいという人にはオススメです。
ただ、朝早起きは必須です!ちなみに私はとても朝型

Die Stehplaetze in der Wienerstaatsoper オペラ座の立見席

2006-04-28 | Notiz derMusik 音楽雑記
いつもちゃんと座席を取って見ているオペラですが、先日、見たかった演目はもう売り切れ!
立ち見に並ぶより他に手立てがない!ということで久しぶりに立ち見してきました。
そこで感じたのですが、立ち見のシステムってやっぱり素晴らしい!
特にオペラ座の1階のParterre立ち見席の1列目は、とても景観がよく、オケの音もバランスよく聴こえて最高!
先日も書きましたが、1列目の目の前には座席があるのですが、なんとこの座席、95ユーロする(オペラの中で1番安い料金設定で!)んです。
それでも日本から考えたら安いのかもしれませんが、そのすぐ真上に立つだけで、3.5ユーロに!学生やリピーターなどにはとても優しい☆

人気の高い演目になると、かなり並ばなくてはいけません(それこそこの日聞いた話によれば、友達のお姉さんがパヴァロッティを観た時は、3日かけて整理券を手に入れたそう!3日間、数時間ごとに並んでいる人たちに番号札が配られ、それがそろっていないと整理券を手にできない仕組み!)が、この待ち時間だって本を読んだりしているうちにあっという間に過ぎてしまいます
ベテランさんはイス持参でゆったりくつろいで新聞をよんだりポットにコーヒー持参で優雅にお茶をしたり・・・とさまざま。

ちなみに今回『フィガロの結婚』には5時間並んだわけですが、その間、CDと対訳をじっくり読み聴きしてしっかり予習
さらに、隣には気さくなおばさんが並んでおり、これはドイツ語を話すチャンス!とばかりに話かけ、有意義な時間を持つことが出来ました
しかもすぐ後ろには大学の友達も並んでおり、またまたドイツ語でおしゃべり
待ち時間で満足、演目でも満足、の1日で、ドイツ語を話せるようになりたい&オペラにハマリ中の私はやみつきになりそう

もちろんいつもこんなに並ぶ必要はなく、特にワーグナーなどの長時間ものは開演15分前位に行ってもチケットは買えるので、人気の指揮者や出演者がいるときや、良い席で堪能したいときのみ頑張ればいいというわけです。

ちなみに舞台の見えが悪いけれど、もっと安い2ユーロの立見席もあり、2階席のBalkon、音は抜群に良いかと。
3階席のGalelieまであがってしまうと、音が抜けたように聴こえてしまい、私の好みじゃありません。

ちなみに私がいつも取っている座席の方も舞台がかなりよく見えるのに9~10ユーロの格安チケット
このチケットに関してはまた後日・・・。

Wiener Symphoniker&Orzco-Estrada ウィーン交響楽団&エストラーダ

2006-04-27 | Konzert コンサート
今日はウィーン交響楽団とOrzco-Estradaのコンサート。
3月に聴いたシューマンの『ライン』があまりにも私の好みじゃなかったため、もう1度・・・という望みを持って購入したチケットでした。
本当ならサヴァリッシュが振るはずだったのがいつの間にか彼に・・・。ウィーンではこういうことはしょっちゅうなので驚きもしませんが・・・。
プログラム
Schumann:Overtuere,Scherzo und Finale op.52
Symphonie Nr.3 ''Reinische''Es-dur op.97
Mendelssohn:Konzert fuer Violine und Orchester e-moll op.64

結果は・・・。比較的私好みの『ライン』
全体を通して音楽がどこへ向かっているかははっきりと聴いて取れました。
1楽章で通奏低音が続くなかメロディーがゆれうごく部分から解決にむかう際の勢いは言うことなしでした。
ただ、いつも安定しているはずの管がちょっと・・・。きめ時にはずすことが多くてもったいなかったかなと。
今日は舞台席のホルンの真後ろ、コントラバスの真隣という位置だったので全体的なバランスを聴くことは叶わずちょと残念でした。
途中の楽章でアンサンブルの乱れが目立ったものの、音楽的崩壊にまでは至らず、最終楽章では最後に向かって勢いよく音楽の流れを作ってくれたので聴いていて心地よかった

ヴァイオリンコンチェルトはソリストにLeonidas Kavakosを迎えての演奏。
この曲のあの泣かせる出だしをどう歌うか興味深々でしたが以外にあっさり
レーピンや五嶋みどりといった『ヴァイオリンで語る』タイプの演奏を好む私の好みではありませんでした。
なにより気になったのはオケと彼の音楽創りの差。ちょっと違和感を感じました。
もちろんとても素晴らしい多様な音色(特に高音)を持っているので、また違う曲で聴いてみたいと思いました。

最後に指揮者。彼は2003年にウィーン国立音大を卒業したばかりの28歳!
多々気になったところはあるものの、彼の指揮を見ていて、彼が創ろうとしている音楽はどうやら私好みの予感なので、これから注目してみたいと思います

余談・・・いつも舞台席に行く際、舞台に出る直前の団員さんの中を通り抜けていくんですが、どのオケの人もとってもなごやかに団員さん同士おしゃべり・・・。話かければ気軽に応じてくれます。
日本は舞台裏の世界は踏み込みにくい雰囲気がよく漂っていますが、それじゃいつまでたっても『クラッシック=お堅い』イメージが抜けない気がします。
こういう雰囲気が日本にもあったら皆のクラッシック離れをくいとめられるんじゃないかと思うんですけどね・・・。

Le nozze di Figaro フィガロの結婚③

2006-04-26 | Oper オペラ
今日は今期最後の『フィガロの結婚』でした。
先日の鬱憤をはらすべく2時から並びに行き、見事1列目の立ち見席を確保
いつもながら『こんなにいい場所が3.5ユーロ(500円位)でいいの?』と思うほどいい場所
ちなみに私が立っていたまん前の席はカテゴリーBで95ユーロ(13.600円)!!

さて肝心の舞台ですが、今日も魅せて聴かせて感動させてくれました
やはり女性陣、素晴らしい!中でもやはりスザンナ役のダムラウとケルビーノ役のガランチャは突出
特にガランチャは最後、聴衆からスタンディングオベーションで迎えられていました
今日は男性陣も3回の中では皆声がかなり出ていてオケに埋もれることなくちゃんと届いてきました。
特にアルマヴィーヴァ役のエレード、3回のなかでは一番の出来だったと思います。
今回、ひとつ気になった点を挙げるとすれば、歌手とオケとのズレ
今回が一番ありました。(もちろんムーティは歌手がオケから落ちるとすぐさま立ち上がって指示を飛ばしていましたが・・・。)原因は歌い手側が自由に歌いすぎたせいかなと。
その点においてはエレードとガランチャ、ダムラウはどの箇所でもちゃんとオケに乗って歌っていました。
私がエレードを良いと思うのはこの点彼は何を歌ってもオケに乗る!
オケと歌のアンサンブルをとても自然に聴かせてくれるのでいつも安心して楽しめますこれでもっと声が熟成されていったらますます楽しみ
今回は随所に現れる重唱のバランスが美しかった!どの声もちゃんと聴こえていながらちゃんと全員でハーモニーを作っていました。

演技は文句なし各役、前の2回には見られなかった動きがあり、歌手陣のアドリブかな?と思わせる小技もあり、おおいに笑わせてくれました!
前回書き忘れましたが、伯爵夫人の演技も光っていました。
2幕で、衣装部屋を開けようとする伯爵との掛け合いでの慌てふためきぶりは見ていてとても笑いを誘い、3幕では浮気性の伯爵へのせつない思いと葛藤を歌うアリアで、ちょっとしたしぐさでその心を見事に表現していました。

役者揃いのこの公演、聴けて、そして見れて良かった

写真は3.5ユーロの視界♪

Gustav Mahler Jugendorchester&Abbadマーラーユーゲント&アバド

2006-04-25 | Konzert コンサート
ただ音だけの世界。
何も考えられない。
何も視界に入らない。
ただ鳴り響く『音楽』のみが聴こえてくる・・・。
そんな体験をしてきました。
今日はグスタフ・マーラーユーゲントオーケストラ&アバドのコンサート。
プログラム
Schoenberg:Pelleas und Melisande
Mahler:Symphonie Nr.4

最初のシェーンベルクの最初の一音からその世界にいざなわれました。
しっかり舞台が見える席で指揮者を見ていたはずなのに、覚えていない。
アバドがどのように動いていたのかまったく記憶に無いんです。
音楽しか入ってこなかった。
マーラーも然り。
ホール全体から音が体に入ってくる。
体の芯まで響いてくる音楽。

どの楽器が良かったとか、ソロがすごかったとか、アンサンブルがどうの・・・。なんていうことも何も無い。
とにかくすごい演奏でした。今帰宅直後に書いているのでまだまだうまく言えませんが、落ち着き次第また書き直そうと思います。
本当に『音楽』だけしか体に残らない音楽を作れるアバドという人のすごさを改めて感じました。
頭から思考回路を奪う演奏に出会えるって、きっととても貴重な体験ですよね。
まだボーっとしています・・・。

Klavierabend Oleg Meisenberg ピアノの夕べ オレグ・マイセンベルク

2006-04-24 | Konzert コンサート
この日はウィーン国立音大の教授でもあり、ピアニストとしての活動も積極的にこなすオレグ・マイセンベルクのピアノリサイタル。

会場についてプログラムを開き、まず目に飛び込んだのが

『マイセンベルクは短期間でプログラム変更を余儀なくされました。ご了承ください』

というもの(笑)先日の『ローエングリン』でのアナウンスといい、ウィーンでは出演者自身の満足いく状態で出演せざるをえないとき、こういう注意書きをよく目にします。
さて、今日は本当にこの注意書きが必要でした(苦笑)
とても独特のピアニズムで、ピアノの響きや間の取り方を上手く駆使してカヴァーしていましたが、それでもやはり安心しては聴いていられませんでした。

ひとつすごいと思ったところは、準備不足をカヴァーするためなのか至る所で和声進行で考えたらありえないところでリタルダンドや妙な間を用いていたのですが、これが不思議なことにそんなにはわざとらしく不自然に聴こえない!
どんなに間を取ろうとも、音と音ががつながって聴こえてきました。
例えばある音から頂点の音へ向かうとき、どんなに暗譜のほうがあやしくなっても、音の流れだけは絶対保っていたり・・・。あくまでも音だけ、ですが。
音同士の関係、つまり連なった2つの音の中に生ずる関係(どちらが強いか弱いか)はかなりきっちり表現しているなと。
曲を知らないらしき隣の席の方は、その音色と音楽に涙していました・・・。
たしかに人の心に響く音色を創るので、彼のピアノを好きだという人もたくさん居ると思います。

ウィーンの聴衆は皆シビア。オペラだって気に喰わなければブーイングも飛び交いますが、この日の聴衆は皆最後まで彼のピアノに聴き入っていました。
きっとこれは彼が今までに培ってきた聴衆との関係があってこそなのかな?と密かに思ってみたり。
ちゃんと準備された状態の彼のピアノを聴いて見たかったとちょっと残念でした。

Heute ist der ersten Jahrestag . 今日は一周年

2006-04-24 | Notizbuch 雑記帳
去年の4月24日からちょうど1年。
ウィーンに留学してちょうど1周年です
長かったようで早かった・・・。
去年は本当に色々あって、自分の周りの環境がめまぐるしく変化した年。
今振り返っても感慨深いものがあります

6年同居した祖母に旅立たれた事は何よりも私にとってもっとも大きな出来事。
今でも渡欧する日の朝、私の手をにぎって涙していた祖母の姿ははっきり覚えています。
そして持病の糖尿病から人工透析という道を取らざるを得なくなった父。
病院ではいつ心停止してもおかしくないほどの悪い数値といわれ緊急入院。
その知らせを真夜中、まだ渡欧して1週間ほどで聞き、眠れぬ夜を過したことも。

ほとんどドイツ語が話せないまま渡欧してきて初めての一人暮らしのなか、ずっと私を頼りにしてくれ、可愛がり、応援してくれた祖母や体を壊したにも関わらず定年まで働き、快く留学をさせてくれた父、それを支えてくれている母や妹の存在は私の原動力となりました。

そして人との出会い
ウィーンに来て、心から理解しあえる仲間、尊敬できる指導者に巡り会う事が出来たこともひとつの大きな出来事。

ウィーンでの生活は私に、人は一人では生きていけないことと、自分が思っているよりもずっとたくさんの人に支えられていることに気付かせてくれました。
そして人と関わりながら生きていくことの楽しさ、素晴らしさも

今日を迎えるにあたり、初心をわすれず、そしてさらに充実したステキな生活を送れるようまた心新たに生きていこうと

ちょっと真面目な話になってしまいましたが、自分のために書いておきたいとおもったので・・・

Le nozze di Figaro フィガロの結婚②

2006-04-23 | Oper オペラ
ウィーンフィルのコンサートの後は『フィガロの結婚』でした。
すごくよく見える席ということで楽しみにしていたのですが、この日は運が悪かった・・・
私の座った前の席の夫婦とカップルが終始おしゃべり・・・・。
となりのボックス席からもずーっと話し声・・・。どうやら観光客のよう・・・。
聴かせどころのアリアでもずーっとボソボソ・・・。
もう途中からすっかりあきらめ、26日にある最後の上演に立ち見で行くことに腹を決めました。
救いは出演者の素晴らしい演技(ハッキリ言って音楽を楽しめないほど話し声がすごかった・・・。ここに地元のオペラフリークでもいてくれたらすごい勢いで注意してくれるんですが、私の『うるさい!』アピールは弱かった・・・)
決め所で絶妙な掛け合いを魅せてくれ、一緒にいた友達と終始笑い転げでいました。あんなに役者がそろう舞台も珍しいそれだけでも一見の価値あり

終演後、自分のお気に入りの歌手がここまで揃っている演目は珍しいので、ポスターを入手し出演者のサインをいただきに行ったのですが、この出演者たちが全員そろってとても気さくでいい人ばかり!皆変に自分を創っておらず、とても自然体。
スザンナ役のダムラウに、
『Ich komme auch am Mittwoch!(水曜(26日)もくるから!)』と言ったら
『Oh!Scheon!Ich auch komme!(ステキ!私も来るわよ!)』(笑
このユーモア!彼女の演技力とイコールでつながりました!
彼女は5月からBurgtheater(ブルク劇場)でモーツァルトの『後宮からの誘拐』でコンスタンツェもやるらしいので聴いてみたいなと思っています。

かなり気分を害した公演だったんですが、最後に出演者のステキなオーラと笑顔に心を温かくしてもらい帰宅しました

Wiener Philharmoniker&Gergiev ウィーンフィル&ゲルギエフ②

2006-04-23 | Konzert コンサート
ウィーンフィルの定期演奏会2日目は前日とまったく同じプログラム。
今度はBalkon Mitte(2階席の真ん中)で鑑賞。

この日もレーピンは素晴らしく、ウィーンフィルとまさに共演ならぬ競演
ソリストとオケがお互い刺激しあってさらに良いものが生まれているパワーを感じました。

昨日も思ったのですが、今回の定期、ウィーンフィルの楽器の音色が違う!
これはゲルギエフのせいなのか曲のせいなのか、今まで聴いた事のないほど全ての楽器が艶やか!ちゃんと語ってくれる
ウィーンに来てオペラ座&ウィーンフィル単独コンサートを多々聴いてきましたが、こんなに雄弁な金管を聴いたのは初めて!本当に楽器同士で話をしているかの如く耳に届いてきました。
昨日はオケの真上の席という位置のせいかと思いましたが、今日も同感
全体としては昨日とてつもなく感動したせいか、昨日の方が良かった気がしますが、でもそれてもとてもステキな演奏会でした。

帰り際、ふと見ると会場を出たところでうろうろしている何だか見覚えのある顔が・・・誰だっけ?と、
『!モーツァルトを弾いたシルマーだ!』
とてもにこやかに観客だったらしき人と話たり楽屋に出たり入ったり・・・。
その人柄ひかれてついサインを頂きました
なぜ終演して30分ちかくも経ったのに(しかも自分の出演が終了してからはゆうに1時間以上が経過)帰るそぶりも見せないのかな?と思ったのですが疑問はすぐに解けました。
しばらくするとゲルギエフが現れ、終演後すぐに次の演奏会場に飛ばなくてはならないとのこと。
ゲルギエフのお見送りをするために残っていたという

偶然真近でゲルギエフ見たのですが、彼もとても魅力的な雰囲気を持っていて、彼を見送るために待っていた関係者ひとりひとりとちゃんと抱擁して別れていきました。舞台を降りてしまうと全く人格が変わってしまう演奏家をよく見ますが、今日のこの2人は全く同じでした

昨日ちょっと触れたあのFAZIORIとコンチェルトの相性ですが、弱音部分はいいと思うのですが、強音部分では響きが足りず、よほどハッキリ打鍵しないとオケにかなり呑まれてしまうかと。
ソロのコンサートでの響きも聴いて見たいところです。


Palmenhaus パルメンハウス

2006-04-23 | Restaurant レストラン
昨日はウィーンフィルのコンサートの後、ウィーンの大先輩Kさんとお食事を楽しんできました
場所はBurggarten(かの有名なモーツァルト像がある敷地内)にあるカフェ&レストラン『パルメンハウス』
緑多い敷地を眺めつつ屋外テーブルを選ぶもよし、温室の造りをそのまま生かした開放的な屋内テーブルを選ぶもよし、のとってもステキなお店!
この日はKさんのオススメを伺ってフルーティなワインを頂きました
これがとっても美味しい!私はお酒は飲むほうじゃない(弱くはないですが・・・)けれど、これは今までに味わったことないさわやかな美味しさ結局おかわりしちゃいました

そしてここは創作料理もとってもステキそしてとても美味しかった白アスパラをピーリングしてイチゴを乗せたサラダはとても面白い食感で、メニューでアスパラと知っていなかったら、きっと何を食べてるのか判らなかったかも・・・。クレープの方も素材の味を殺さず、かといって調和されてひとつの味わいを作り出してました
『お料理も音楽も結局のところ通ずるものがあると思う』
とKさん。ウィーンフィルの響きがまだ頭に残っていた私は思わず納得。
もうウィーン在住の長いKさんのお話もとても興味深く、時間もあっという間にすぎてしまいました
ステキな雰囲気を体で感じて、ステキな人と美味しい食事で有意義な時間を過すって贅沢ですね

Wiener Philharmoniker&Gergiev ウィーンフィル&ゲルギエフ①

2006-04-22 | Konzert コンサート
Das war super(素晴らしかった!!)
今日はウィーンフィル定期演奏会でした。今日、明日と入手したウィーンフィル定期演奏会。今日は舞台真上のオルガンバルコン席で鑑賞。
感想は・・・。とにかく素晴らしかった!のひとこと。
3月の『ローエングリン』以来の感動
まず1曲目のショスタコーヴィチのヴァイオリンソナタOp77ではレーピンをソリストに迎えての演奏。
レーピンの名前は小さい頃から知っていましたが、あんなに素晴らしいヴァイオリニストとは知らず
技術&音楽性を兼ね備えたヴァイオリニストきちがい染みたショスタコのアクセント付けの間やテクニックの見せ所も文句なしに完璧
あそこまで完璧に弾きこなし、かつ音楽で引き込むヴァイオリニスト、初めての出会いです
各楽章間に会場のところどころから『Sehr shoene...(とてもステキ)』感嘆のため息が漏れていました!

2曲目のシルマーをソリストに迎えてのモーツァルトのピアノ協奏曲d-mollはかなり推進力にあふれた音楽作り。テンポもやや速めかと。
ちょっと気になったのがシルマーの自作によるカデンツ。もう少し、和音的な響きをなくした方がこの曲との関係が良くなるのでは?と思いました。
彼は決して音を弾き飛ばすことをしないで一音一音大切に打鍵していて、鍵盤から殆ど手を離さない独特の弾き方。
使用されていたFAZIORIという種のピアノの響きもまた独特でベーゼンドルファーの低音を抑えたような響き。勝手に鳴ってくれるピアノというよりは弾き手の音創りがダイレクトに反映されるピアノです。
このピアノがモーツァルトに合っていたかは明日確かめてきます。
(何しろオルガンバルコンに来る響きは、舞台真正面とは全然違うので・・・)

そして最後のショスタコーヴィチの9番!
これは文句なしの演奏。ウィーンフィルの面々も楽しくっておもわず笑みがこぼれるくらい楽しんで弾いていました。
ゲルギエフの創る音楽はどのフレーズもちゃんと意味を持って聴き手に訴えかけ、ショスタコーヴィチの音楽の世界を見事に提示。
例えるなら句読点、主張、根拠などなどリズムや音の運びに込められたメッセージをひとつ残らずはっきり喋るのに、ひとつひとつの要素は決して主張せずに全てがひとつになって、ただ音楽だけ耳に入ってくる。そんな演奏でした。

嵐のような拍手を受けて、去り際に彼がスコアを手にしてジェスチャー
『(素晴らしい演奏だったのは)作曲家のお陰!』
こういう演奏会との出会いがあることは音楽を愛する者にとって至福のひととき
明日はSonntagsmatinee(日曜昼のコンサート)明日も楽しみです

Fruehlingsgefuehl! 春めいた気分!

2006-04-22 | Notizbuch 雑記帳
お昼前のこと、いきなり私のが鳴りました
表示を見るとMちゃん。
室内楽の合わせですぐ側まで来ているとのことで、例のOberlaaでお昼を一緒してきました。
外に出てみると汗ばむくらいの気温と日差し☆
まさに春まっさかりの良い天気♪

土曜日のお昼はいつもCDショップ『DA CARUSO』に行き、CDを物色する日今日は彼女を強制連行(?)してきました。
今日は『フィガロの結婚』を入手。さっそく聴きながら帰ってきましたが、いいですねぇ・・・。
ここの店員さんのオススメはホント好みです☆各役の歌手の声質まで見事に好み☆

今日は他にラトル&ツィマーマンのブラームスのピアノコンチェルトとハイティンク&ロンドン交響楽団のベートーヴェンの交響曲7番も試聴してきましたが、今日は見送り・・・。
購入ディスクは『Le nozze di Figaro』
         Rene Jacobs&Collegium Vocale Gent Concert Koeln

モーツァルトの音色で浮かれつつふと見ると、3週間前まではまったく何も無かったStadtparkのすぐ近くの植え込みがステキに変身
一面のチューリップ

お昼のランチも美味しく、会話も弾み、春を感じた幸せなひとときでした☆

Tristan und Isolde トリスタンとイゾルデ

2006-04-21 | Oper オペラ
ワーグナーのオペラの中でも『イゾルデと愛の死』などで特に有名な『トリスタンとイゾルデ』。
1月に見た『フィガロの結婚』、先日の『パルジファル』『薔薇の騎士』と例の『好みじゃないかも・・・』という同じ指揮者がまたもや振るということで、もう一度聴いてみようと思い立ち、開演30分前に立ち見券売り場に
5時間にも及ぶオペラだけあって立ち見が少ない!お陰でいい席を確保できました。
Tristan Robert Dean Smith
Isolde Deborah Polaski
そして問題の指揮はPeter Schneider(シュナイダー)氏。今日耳にしたところによると、彼はワーグナー振りで有名らしい。(知りませんでした・・・)
バイロイト音楽祭などでも振っていたそう。

さて今日は・・・。上に上げた演目の中では一番。でもやはりどうもしっくりこない。音楽がどこにいくのか、旋律がどう絡み合うのか判らないところがしばしば。
聴き手としては音楽のテンポ感(これは意識するものではないけれど)を失わされてしまうのはかなりツライ!
でももちろんとても良いと思うところもあったんですが・・・。
・・・むしろ彼があまり振りかぶってない時のほうが・・・。
しかしワーグナーをまともにスコアを見て聴いたことはないのでこの気持ち悪さがどこから来るのかは自覚できずさらに気持ち悪い・・・。
ということで、ちょっとワーグナー聴きこんでみます。
手始めは手持ちのKempeの『ローエングリン』位からにしようかな?
ちなみに歌手陣は安定していて
ただ演出なのか、トリスタンとイゾルデの『死』の描写をもうちょっと音楽と融合させて欲しいかな。あれ?いつ死んでしまったの?という終わり方だったので
お客さんも終演直後『あれ?』っという感じで拍手していいのかわるいのか判っていない人多かった

しかし人間慣れって恐ろしい。立ちっぱなしに耐性ついてきてます
写真は終演後カーテンコールの出演者とオケの面々。画像、要研究ですネ。

Leider Ausverkauft!残念ながら完売!

2006-04-21 | Notiz der Wienウィーン雑記
今日は5月にあるアンナ・ネトレプコ&ロランド・ヴィルゾンのオペラ『ロミオとジュリエット』のチケットの発売日だったので、早朝5時半に頑張ってオペラ座の近くのチケット総合オフィスに出向きました。

6時前の時点ですでに長蛇の列チケットオフィスから人があふれている
去年のドミンゴ&ティーレマンの時でさえ、こんなに並んでいなかった!
『もしや買えないかも・・・』
という不安は残しつつ2時間半ほど並んでいたのですが、オフィスの敷地に足を踏み入れる前にやはり完売
まだ私の前にも買えなかった人がかなりいたと思います。すごい人気・・・
チケットにありつけた人の話を盗み聴いたところによると・・・
昨日の夜8時から並んでいたそう!!!
しかもその人は一番ではないとのこと
そういえば毛布やら布団やら持って出てきた人がいたっけ・・・。
要するに泊り込んだ人たちがチケットをゲット
昨日、私がフィガロに夢中になっているころ、すでにここでは戦いが始まって(?)いたというワケです。

ちょっと苦い経験をしつつも、朝の4時に来た人も買えてなかったので、私はまだましだったのかも・・・。
・・・一人で何枚も購入している人がいたのですが、長時間並んでいたであろうおばさんの1人が、『なんで1人あたりの枚数を制限しないんだ!』と係りの人にくってかかってました

このぶんじゃきっと立ち見も恐ろしいことになるんだろうな・・・。
ネトレプコは来期も歌いにくる予定になっているから見送ろうと思っています。
残念・・・。