ザンパノ日記

ザンパノシアター制作日誌

さらば二十代。

2006-09-29 | 雑記。
実際30になって新たな意志表示という気概よりも、20代の終わりという半ば諦観のある寂しさを強く感じるのだ。駅のホームに立ち、30代を数えてみたりする。どっちつかずも何人かいて、僕はどうせなら年齢相応、いやそれ以上に見えるほうになりたいと願うわけだが、そうもいかないようだ。いつまでも若くいたいから、若い心を知っていたいに変わり、やがてはそれさえも無感覚になってしまうのだろうか。人生とは、戻れない場所の集合体であり、そうかといってそれを見届けられることはついぞあり得ないのかもしれない。今ある場所は簡単に過ぎ去ってしまう。ああ、昔日の日々、いまどこに…。

最後の言葉。

2006-09-28 | 雑記。
いよいよ三十歳となる前日、なるほど何だか感慨深い。二十歳の時より心そわそわ落ち着かない。この多くは将来的不安が生んだ焦りか否かはさておき、僕は二十代最後の夜に心落ち着け、目を閉じて、瞑想に耽ってみる。

その中で自然に出てきた言葉を、出来るだけ修飾語を添えて、なるたけいっぱいざっくばらんにノートに殴り書きしてみなさい。色々な言葉が浮かんでは消える。いかにもな抽象的な語句もあれば、懐かしい固有名詞も出てきた。その中の一つを紹介すれば、「新しい家族」。

ザンパノシアターにとって、ここ最近、おそらく今後ずっと付き纏う主題でもある、古くも新しくもある家族。何度でも初めからやってやろう。またいつか、この場所に立ち返ることもあるかもしれない。

お叱りご尤も。

2006-09-27 | 新作その他制作日誌。
土曜日の誕生日会で、アコ姉さんにザンパノシアターHPが更新されていないとのお叱りを受ける。お叱りご尤も。それ見たことかとさっそく急いで更新する。(更新内容はcolumn→「秋物語」in「午前三時の低空飛行、月曜日」です。)今回の読み物では、次回撮影予定の新作に触れているので、是非読んで下さいませ。間もなく役者さんにも脚本が届くであろうと思います。こちらも読んで下さいませ。宜しくお願い致します。

画像は、先日の誕生日会の主役、美女に囲まれ、抹茶アイスにロウソクをあしらった山家さんの悪魔教もどきです。笑。

サプライズその後。

2006-09-26 | 雑記。
日曜日の昼間、山家さんと会う。いつものように歌舞伎町で「マイアミバイス」。最高だ。給料前の二人に金はない。コーヒーでも飲もうと店を探すが、どこも混んでいた。仕方なくビールを飲む。二人して、前日皆が祝ってくれたささやかなる誕生日会を思い出し、幸せに浸る。そういえば、今日が山家さんの誕生日であったことを思い出し、僕は気付かずすいませんと謝った。いいよいいよ、俺の誕生日は昨日だからと嬉しそうに言った山家さんはとても男らしく、素敵でしたよ。

サプライズ②

2006-09-25 | 雑記。
(そしたらなんと)そんな考えもつかの間、ネネちゃんと香織ちゃんからプレゼント。明日(24日)誕生日を迎える山家さんと、月末に誕生日を迎える僕の誕生日会を僕らに黙ってみんなで企画していたのです。これには二人して驚きました。本当に本当に嬉しかった。

その後も、いつの間にか呼んでくれていた古川ちんぼらそ先生や、スタッフで協力してくれた友人ケンタと婚約者のあき子さん、そして秀子役の美帆ちゃんも駆けつけ、大いに盛り上がりました。締め括りは、アコ姉さんのロウソクつきアイスクリーム。俺は幸せ者だなあと言った山家さん、僕も同じ心境です。僕は本当に幸せ者だ。僕は本当に幸せ者だ。僕は本当に嬉しい。

画像は、アコ姉さんがくれたロウソクつきのアイスクリーム。ロウソクを消したなんて何十年振りか…誕生日会なんて小学生以来だ!ちなみに昨日の画像は、ネネちゃんがくれたサイコロの灰皿と、香織ちゃんがくれたビールコップだ!嬉しくて、さっそくお店で使ってました。みんな本当にありがとうございました!

サプライズ①

2006-09-24 | 雑記。
久し振りに会って会話も進む、酒も進むってな具合でホルモン焼きでお疲れビール。そしたらそこに和江役の香織ちゃんが登場した。嬉しい。これで、幸一役の山家さん、美佐江役のアコ姉さんとのトライアングルで「立秋」親子だな、それに恭一役の森下君、そして、なんと言ってもヒロイン節子のネネちゃんで「立秋」家族だななどと一人楽しんだ。思えば、このメンバーでゆっくり会うのは初めてのことでした。僕は自分が作った劇中の登場人物たちと仲良くさせてもらっているような気になって、とても不思議な心地でした。そしたらなんと…どうしてもつづく。

立秋アフレコ三日目。

2006-09-23 | 「立秋」日誌。
アフレコ三日目。この日はレギュラーの山家さんとネネちゃんに加えて、恭一役の森下君と美佐江役のアコ姉さんの登場です。二人とも久方振りの再会、お元気そうで何より。あたりはすっかり秋めいて、前回の時は、窓を閉め切っての作業に本当に暑くてほとほと参りましたが、今回は涼しいくらいにやりやすかった。昼過ぎから始めて、アコ姉さんの差し入れのハーゲンダッツを食べ(姉さんスペシャルサンクス!)、暗くなる前には無事終了しました。

少し寒いくらいの空気に触れながら皆で商店街を歩く。その時の僕に、どうしてこれから起こる驚くべき出来事を想像できようか(いや、できまい)。そして、皆で運命のホルモン焼きに入ったのでした。つづく。

父と映画。

2006-09-22 | 雑記。
映画「フィールドオブドリームス」を観た。野球ファンも嬉しい、父と息子の和解を扱ったファンタジーだ。前に観たのは実家に住んでいた頃だったろうか。親父がいい映画だと言っていたことを思い出す。久し振りに観て、新しい発見が多くあった。それを知ってか知らずか、うちの親父は涙脆いと考えてみる。

小さい頃、父の店の名前を冠した草野球チームがあった。うちの父は5番セカンドで、休みの日は、試合の前にキャッチボールをしてくれた。今、父のグローブが手元にある。父はもう野球など出来る体ではない。野球も観なくなったようだ。何だかひどく遠くに来てしまった。この頃のことは、いつか長いもので書きたいと思います。

素直にこういう映画が作りたいなと思いました。

続コインランドリーの空から。

2006-09-21 | 雑記。
ともすれば、僕は一匹と彼女を父と母に育てられた錯覚を覚える。いやもしかして、それは全くの逆で、彼らが僕の子供であるような、そんな感覚。そんな馬鹿げた想像をしながらも、強ち嘘でもないような気がしていた。気付くと、彼女は犬を抱いて、窓の外に立っていた。僕は早くそちら側に行きたくて、洗剤を適当に落とした。電信柱が見えた。その向こうにある空が僕らを見ていた。今日は晴れていた。

コインランドリーの空から。

2006-09-20 | 雑記。
彼女が犬と戯れる。
僕を見ている犬を見ている。
僕は洗濯物を放り込み、彼らを見ている。
小さく開いた窓の外はそれだけで、
銀色に縁取られた額のようで不思議な気がした。
僕は少しの不安を飲み込んで、
幾つもの幸福を呼び戻す。
それは今まで彼女の前で、
何度も繰り返してきた作業であったから、
やり方は十分心得ていたのだった。