ザンパノ日記

ザンパノシアター制作日誌

映画「ザ・ロード」とわたし。

2010-07-03 | 雑記。
コーマック・マッカーシー同名小説の忠実な映画化。
正直マッカシーの小説は映画化して欲しくはないとは以前書いた。
彼の小説そのものが絶対的に画を想起させ続いていくものであり、
その画は個人の経験や価値観やリグレットと相まって、
まるで浄化したかのような景色を見せてくれる。
それを後で変更を加えられたくないからという
贅沢な理由である。

「ザ・ロード」は崩壊した自然、町、
人類の絶望、神の存在しない世界、
その中を男とその息子が南へ向かう
を見事に映像化している。
言葉の必要のない美しい画が幾つもあった。
そう、言葉を添付しない分だけ
映像にした意味を理解できる。
それこそが小説と映画の関係を納得するものと思われ、
大人しく席に座り観ていた。そして泣いた。
何よりもその精神が忠実に
引き継がれていることが大切なのだと思う。

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