今日は。
行ってきました!
ジャングルハンター千葉。
地元千葉の開催、しかも我が家から近いこともありイベント嫌いの私も行ってきました。
私がイベント嫌いな理由は
①生体への負担(展示されるストレス)
②衝動買いの助長
③生体移動による外気温変化のダメージ
の3つです。
カメのブリーディングスキルの定点観測として毎年「とんぶり市」には行きますが、それ以外のイベント参加は皆無でした。
今回は地元千葉の爬虫類界隈がどのような方々により成立しているのかが気になり、主に参加者観察を目的に出かけました。
殆どのブースが撮影禁止です。
会場主催者に許可を頂き会場全景を撮影させて頂きました。
私は11時の開催直後に入りましたのでその時の様子です。
割と入っているなぁ、という印象です。
あと30・40代が多く若い方々が目立ちました。
ザクッとした試算ですが額面年収の7%がサラリーマンの平均的なお小遣いといわれますから456万円×7%= 319,200円、これを12ヶ月で割ると月26,600円。
察するに背伸びをして購入できる生体価格は最高で10万円が常識的だと思います。
そう考えると会場の生体価格は随分と良心的な価格設定だと感じました。
さて本題のカメですが…
す、少ない…
更に私が興味あるカメは全て10万円以上とお高い…
リクガメはマルギ、ギリシャ、アカアシ、ホルス、ミズガメはキボシ、モリイシ、ドロガメ、ほぼ全てが国内CBだと思いますし、価格は相場通りでした。
私が気になったのはトゲモモ、これは私が購入した10年前の倍近く値上がりしてました。
またセダカガメを揃えているショップさんがありました。
ベニマワリは我が家の個体の15〜40倍の値上がり。
アッサム♂も我が家の個体の3倍以上に値上がりしていました。
我が家のセダカは2003年に私が買い求めた個体ですから既に飼育年数は15年以上になりますが、私は価格以上に驚いたのは仕上がりの悪さです。
輸入が止まっている以上、販売個体は私が購入した時期とさほど変わらない時期の飼い込み個体を買取して仕入れたカメでしょう。
かろうじて私が買ってもいいかなぁ、と思ったベニマワリの♀でも私なら絶対にもっと綺麗に仕上げる自信がある程度のレベルでした。
今回のイベントでの一番の気づきは、カメは15年も飼い込むと同じカメなのに驚くほど違う外見になるのだと学びました。
誤解のないように補足しますがこれらのカメに今、最も重要なことは繁殖能力であり見た目の綺麗さではありません。
しかしながら買取のカメについては甲羅を見ればどこで飼育に躓いたのか、私なりに推測できるので彼等の過ごしてきた年月と飼育環境を思うと暗澹たる気持ちになってしまいました…
改めて「買わない勇気」もまた立派な飼育者なのだと確信しました。
カメは長生きです。
自分が飼育できなくなった時にどれだけの付加価値を付けてあげられるか?は彼等の次の行き先を決める重要なファクターとなります。
高い価格で取引されれば、より本気度が高く、愛情深い飼主に巡り会える確率も高くなります。
こうした良個体育成に向けた飼育ノウハウの伝播はカメ達の環境エンリッチメントに直結すると思いました。
やはり飼育ノウハウを惜しまずに公開することが私の責務であると教えてくれたイベントでした。
カメ飼い、とりわけミズガメ飼いの皆様にお願いがあります。
どうかお迎え時点で最大の飼育環境投資をして下さい。
取り敢えずプラケ、なんて飼育はやめて下さい。
プラケ飼育は長くても1週間。
カメの健康状態が把握できれば即不要です。
我が家のセダカは最初から90*45*45→90*60*60。
パーカーは60*45*45→90*45*45→150*60*60。
特にアクリル水槽は高さ60㎝以上になるとアクリル板を厚くする関係で価格が急騰します。
が、遊泳型のカメは上下動による運動量確保とストレス軽減が必要です。
また我が家はミズガメ水槽は3本ともメタハラです。
日本においてはエムズワンの爬虫類用メタハラがその黎明期を担ってきた機種であり私は10年以上前から使用しています。
また我が家では基本的にはレイシーサーモコントローラーを使用しています。
使い方は簡単です。
例えば私は設定水温を1度上げるのに10日かけます。
お分かりでしょう。
毎日0.1度ずつ上げていくのです。
これは1度単位の普及品のサーモスタットでは出来ません。
この機能とセンサーのシビアさは当然販売価格の上昇となります。
https://rei-sea.iwakipumps.jp/products/cooler/tchc/
爬虫類を飼うにはお金がかかります。
そのコストを試算して「やはり僕には飼えないなぁ…」と思った貴方は既に爬虫類飼育上級者なのです。
買わないこともまた勇気。
私は胸を張って「私にはコウヒロナガクビガメは飼えない」と言えます。
このカメをWC張りの甲羅に育成するには3*1*1mの水槽が必要です。
このサイズの水槽を新品で買うとれば水槽本体だけで170万円程度します。
ただし、WC張りの甲長48㎝に仕上げられれば投下資金を回収できる価格で売れるかもしれませんが…
イベントの結論ですが今後は飼育方法が確立された安価なカメが主流となるでしょう。
これは喜ばしい事かもしれません。
セダカガメの価格急騰の語るものはこのカメが飼育や繁殖に向かない飼育難関種だとう証左でしょう。
残念ながら野毛山動物園のテクタセダカガメの飼育環境を見れば個人で飼育繁殖させることが不可能なカメであり、やはり動物園で見るべきカメなのかもしれません。
今、我々飼育者は改めて襟を正し、足るを知るべき時が来たのではないか?と感じたイベント参加でした。