がんに克つ

父のがんを治すためにがんを研究しました。がんは意外と簡単に治ることを知ってもらえたら、亡き父も喜んでくれると思います。

タバコのリスク

2012-10-08 09:01:24 | 健康・病気

前回、生涯発がんリスクを比較すると、農薬<ヒ素<放射線の順番にリスクが高くなることをお伝えしましたが、それでは、タバコにはどれぐらいのリスクがあるのでしょうか?

2006年に放送された放送大学の「がんの健康科学」という番組では、日本の研究(調査期間:1966年~1982年、平山氏らの研究)が紹介されていました。それによると、最も死亡リスクの高かった集団は、調査開始年齢が55歳から64歳の男性の集団で、1日45本以上吸う人の場合、肺がん死亡リスクが0.066(100人中6.6人)だったそうです。

これを分かりやすく言うと、ヘビースモーカーの中年男性は、15人に1人が肺がんで死亡するリスクがあるということのようです。調査期間が17年間という短期間であったことを考慮すると、この集団の生涯発がんリスクはもっと高くなると思われます。

ただし、インターネットで調べてみると、この平山氏らの研究には批判もあるようで、死亡リスクが高めに出ている可能性があることをお断りしておきます。

ところで、タバコのリスクは肺がんだけではありません。タバコの死亡リスクの内訳を調べてみると、アメリカ国立がん研究所(National Cancer Institute=NCI)のホームページには次のように書かれていました。

「アメリカ合衆国では、喫煙とタバコの煙にさらされることで、毎年44万人以上の人が早死にしている。このうち、約40%ががんであり、35%が心臓病や脳卒中からであり、25%が肺疾患からのものである。」

つまり、喫煙や受動喫煙によって、がんで死亡するのは約4割で、残りの約6割の人はそれ以外の病気で死亡しているのです。「タバコ=がん」というイメージを持っている方も多いと思われますが、実際にはがん以外の病気で死ぬ人の方が多いというのは驚きですね。

NCIによると、タバコの煙によって引き起こされるがん以外の病気は、心臓病、脳卒中、大動脈瘤、慢性気管支炎、肺気腫、喘息、股関節骨折、白内障です。さらに、異常低体重児を早産したり、乳幼児突然死症候群、勃起不全のリスクが高くなるとNCIは警告しています。

また、がんが発生する部位は肺だけではありません。NCIは、肺以外に、食道、喉頭、口、喉、腎臓、膀胱、膵臓、胃、子宮頸部、並びに急性骨髄性白血病を挙げています。

最後に、NCIがタバコの煙に含まれるとしている主な有害物質を列挙しておきましょう。なお、食品中に含まれるヒ素は皮膚がんの原因となりますが、タバコの煙に含まれるヒ素は肺がんの原因となります。

【発がん性物質】
ヒ素、ベンゼン、ベリリウム、1,3-ブタジエン、カドミウム、クロム、エチレンオキシド、ニッケル、ポロニウム210、塩化ビニル

【発がんの疑いがある物質】
ホルムアルデヒド、ベンゾ[α]ピレン、トルエン

【その他の毒物】
シアン化水素、一酸化炭素、アンモニア

さすがにこれだけ有害物質があると、どんな病気になっても不思議はないという気がしますね。愛煙家の方には、できるだけ早く禁煙されることをお薦め致します。

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