『黒幕と言われた男』の著者の戯言

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ
政治や社会的関心事ならびに身辺雑記

東京名建築をめぐるツアー

2017-06-21 11:31:10 | 日記
 ちょっと変わった、けど私好みのツアーに参加した。2泊3日だが欲深く

あちこち廻った。まずは岸信介の御殿場邸。藁ぶきの門をくぐると林の中を散策することになる。

その向こうに数寄屋建築ではあるがすっきりした現代的な雰囲気の家屋がある。敷地が1700坪

あるから、散策した林も敷地内である。食堂や居間からは広い硝子戸をとうして庭(というより林)

が見渡せる。岸氏が一番気に入っていた居場所だったそうだ。73歳から晩年の17年間を過ごし

た現在は御殿場市に寄付されている。建築は数寄屋建築の第一人者で文化勲章を受けた吉田五十八。

 次は伊藤博文の別荘。明治期の茅葺屋根海浜別荘建築。天皇や皇族を迎えた格式の高い客間や

隣接の書斎からは広々と横浜の海が見える。博文はここに来るときは船で来たそうだ。博文は

生地山口の海の景に似てると言って好んだという。

 翌日は戦前の財閥の館。旧岩崎邸。明治29年新しい建築文化の始まりとして英国生まれの

ジョサイア・コンドルが設計している。コンドルは日本政府に招請され、鹿鳴館などを設計し

門下に辰野金吾(東京駅) 片山東熊(赤坂離宮)などを輩出した。往時は1万5千坪の敷地に

20棟の建物が並んでいたが当主はまだ30歳代であって28歳で男爵に叙されている。

戦後はGHQに接収され返還後昭和27年に国有化された。客室は17世紀英国のジャコビアン

様式やルネッサンス様式の装飾にあふれ、洋館南側には列柱の並ぶベランダがあり東南アジアの

コロニアル様式を採り入れている。別棟にはビリアードもあり当時の上級階級の人々の娯楽も

うかがわれる。内部には貴重な金唐草の壁紙が張り巡らされている。財閥の経済力とあわせて

文化に対する深い造形と磨かれたセンスに感心する。現在は公益財団法人東京都公園協会が

管理している。

 続いて旧古河邸。豪壮でおしゃれな建物に大正の息吹が感じられ庭園は和洋が用意されている。

建築設計は旧岩崎邸と同じ人物。テラス式の洋風庭園はバラで埋められその奥にある広い日本庭園は

心字池・滝や雪見灯篭を配する植治の作庭である。管理も岩崎邸と同じである。

 その後は目黒の雅叙園。国内で現存唯一の木造建築。斜面を利用して建てられているので

部屋から部屋へ行くのは階段になってい百段階段(正確には99段)と呼ばれる。江戸文化を

体現しているそうだが、装飾過剰で豪華なのか悪趣味なのか際どいところ。あの部屋で食事や

もてなしを受けても現代人の感覚では落ち着かないだろう。

 最後に別名音羽御殿なる鳩山家の邸宅。土地だけで5億円の評価で、維持費が年間1億円。

建てたのは友紀夫の祖父一郎である。大正13年、友愛をモットーにする人柄をあらわし、明るく

優しくバラとステンドグラスのロマンチックな印象である。しかしこの場で戦後政治が始まり

自由党の創設や日ソ国交回復の下準備が行われている。設計は友人で明治・大正を代表する

岡田信一郎。一郎 威一郎 友紀夫 邦夫が生まれ育った家で今なお鳩山家の所有である。相続する

息子は恐ろしい相続税を払うことになるから大変だ。早晩、都か区に寄贈して公に維持管理を委ねる

ことになるだろう。

  最終日は中曽根康弘氏ガロナルド・レーガンを迎えた日の出山荘。名前の通り山の中の農家を

改造した囲炉裏端にて自ら抹茶を点ててもてなした。他にゴルバチョフ大統領夫妻も訪問している。

やはり日の出町に寄贈されている。どこも相続税に耐えきれないだろうし、公の手でこそ維持管理

して入館料をとって功績を残すことができるであろう。

 最後の最後は白洲次郎・正子の暮らした武相荘。財閥のしかし破産した白洲家のボンと旧伯爵家の

お姫様の結婚。しかしこのお二人はボンやお姫様でない生き方を貫いた。次郎は英国留学の経歴を

買われて吉田茂の懐刀としてマッカサーとの交渉などにあたり、彼に「従順ならざる唯一の日本人」

と言わしめた。一方、正子は幼少より能をたしなみ着物や焼き物や家具等骨董品の目利きとなり、

文化人との交流がふかく、自身多くの著作を残した。

 その二人の住まいだから無駄がなく二人の磨き抜かれたセンスにかなった食器や家具やなどに

囲まれた最高の精神的贅沢の中で暮らした場所。正子の部屋には夏の着物が飾られていたが紬や

宮古上布に半幅帯など着道楽でなければ袖にしない代物だった。

 


ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
« 天皇陛下は国民か? | トップ | 稲田大臣 »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事