武蔵國日記(むさしのくににっき)

土佐日記にあやかって、「女もすなる日記といふものを、中年男もしてみむとてするなり」

retrospective or prospective

2011-09-17 07:49:47 | 随筆
自分の専門領域のものの見方に、
「retrospectiveか?prospectiveか?」と云う観点がある。
得られている事実結果から事前に戻って考察するか?
予め仮説を立てて、人為的意図を排除して実験した結果を見て考察するか?
と云うものである。
結果の信頼性は後者の方が優れている。
http://www1.mhlw.go.jp/houdou/1106/h0602-3_c_15.html

さて、マスメディアの皆さん方の騒ぎ立て方の手法を見ていて
ずっと違和感を感じていたが、その理由がやっと分かった。
(遅すぎ、、、。)
彼等の記事は、総てretrospective型なのだ。

つまり彼等のニュースの取り上げ方が
”事後事例報告をもって、それが一般事例である”かのように結論を導き出していることが
変なのだ。
例えば、”震災地では不安で眠れない老人が増えている。”と云う記事があった場合、
それは、本当に ”震災地のみ突出して増えているのか?”
もしかしたら、”日本中で老人全般に不眠が増えているのではないのか?”
もっと云うならば、”日本の高齢化に従って、老年人口の割合が増えているので
必然的に眠れない人の数が増えているのではないか?”と云った裏付けがなされた上での記事ではないだろう。

社会の木鐸として、市井の民の言葉を届けるのは大切だが、
感情論を前面に出しての、お涙頂戴型のニュース作りは
社会を煽動するようなウソを書くことに繋がりかねない。


コメントを投稿