ここ10年くらいだろうか、都立・私立を問わず高校が説明会に学習塾を招待してくれるようになってきた。その学校の空気を肌で感じることができるし、学校案内には書かれていない情報も得られるので、私どもにとってはなんとも嬉しいお誘いなのだが、最近、各高校のお話を伺っていて何かひっかかるものがある。都立高校と一口にいっても、色々あって普通科、総合学科、商業・工業などの専門学科、定時制等々、この10年の統廃合を経て分化してきたし、もちろん私立高校はそれぞれの伝統を守ってカラフルだ。それぞれの校風、伝統があって子どもたちはその香りに惹かれて進学する、それはそれでいいことなんだろうくらいに思ってきた。でも最近の説明会で強調されるのはどの高校もおしなべて「大学進学率」一辺倒。私立高校が高進学率を目玉にするのはわかるが、都立高校まで「難関大学に○名合格」を目標にすることにはどこかひっかかるのである。背景には都の教育委員会が各校を競争させているという事情がある。旧制高校のバンカラ気質を懐かしんでも仕方ないのかもしれないが、どこか大きなところで都の教育行政は舵を取り違えてしまっているように思えてならない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます