柚子のがらくた箱

ご訪問 ☆ 閲覧

   ありがとうございます。

老いの才覚

2011年06月29日 | 
             老いの才覚        

               著者   曽野綾子さま


             25

  かつては、損のできる人間に育てるのが、教育の一つの目標でした。


             152

  句碑、歌碑、文学碑は、背景の邪魔になります。

  私は、死んだ後のことは何一つ望まない。自分の葬式も必要ないと思っているくらいです。
 肉体が消えてなくなったのを機に、ぱたりと一切の存在がなくなるようにしてほしい。
 何もかもきれいに跡形もなく消えるのが、死者のこの世に対する最高の折り目正しさだと
 思っているからです。


             168

  私は、孤独と絶望こそ、人生の最後に充分味わうべき境地なのだと思う時があります。
 この二つの究極の感情を体験しない人は、たぶん人間として完成しない。
 孤独と絶望は、勇気ある老人に対して 『 最後にもう一段階、立派な人間になって来いよ 』 
 と言われるに等しい、神の贈り物なのだと思います。



                                     


最新の画像もっと見る