妄想ジャンキー。202x

あたし好きなもんは好きだし、強引に諦める術も知らない

『あまちゃん』最終週その2.感動をありがとう、あまちゃんたち。

2015-10-03 17:35:59 | 朝ドラ
『あまちゃん』最終週、「おらたち、熱いよね!」後半(155回~156回)の感想まとめ。
前半151回~154回はこちら。→『あまちゃん』最終週その1、『大逆転』の着地点。

あっという間の全156回。ありがとうございました。




157回、テレビでやってくんねえかなあー。テレビで観たいのよ。テレビで






関連リンク

『あまちゃん』25週、復活・復旧・復興の道へ。

『あまちゃん』24週、夏ばっぱやメガネ会計ババアたちが見てきたもの、これから見るもの。

『あまちゃん』23週、まとめその2.さよなら、またね、ただいま、おかえり。

『あまちゃん』23週、まとめその1.あまちゃんの描いた東日本大震災

以前のもの、本放送当時の記事はこちら。
朝ドラ感想記事のまとめ。




■祭りの後で




いっそんの南部ダイバー、種市の南部ダイバー、アキも加わって南部ダイバー。
南部ダイバーに次ぐ南部ダイバー。
南部ダイバーにも思い出いっぱい。
ありがとう南部ダイバーたち。

 

市長が鳩がチラチラ見えてる手品したり。
若くないおばさんたちが海潜ったり、陸さ上がって歌ったり踊ったり潜ったり。
オタクさんたちでも何でも人ががわんさか集まったり。

こんな田舎、いいなあ。




■夏ばっぱの言葉



「天野家の初代マーメイドでがす」

夏ばっぱ、気に入ったんだな。、海を自由自在に泳ぐマーメイド。


「あんたが動いてくれたおかげで20数年前に拝めなかった娘の花嫁姿を、図らずも見ることが出来ました」

鈴鹿さんがいなかったら春子さんは政宗さんと出会わなかったし、鈴鹿さんとアキが出会わなかったらこのステージもなかった。
もしかしたら春子さんと夏ばっぱもすれ違ったままだったのかもしれない。


「できれば忠兵衛さんに見せたかったが、ぜ~んぶ叶ったらあの人もうここさ帰ってこねぐなる」

忠兵衛さんはサヨナラも言わずに北へ行ってしまったけれど。
でも夏ばっぱは寒さ堪えて波止場で待ち続けるんだな。


昨日のシーンが蘇る。


「大吉! 今度こそ安部ちゃん泣かしたらおらもう北鉄乗んねえど。ウニ丼作んねえぞ!わかったか?!」

北鉄と海女クラブ、観光協会も。地元のいろんな産業がお互いに支え合う。それって当たり前なんだけど、結構難しいんだよね。


「それから荒巻ジャケ。 あんたみてえな金持ちが田舎さ目ぇつけるのはいいことだ。どんどん金出せ。そしたらおらたちもどんどん元気出す」

夏ばっぱ、GMT計画を暗喩してるのか。
全国区になった岩手出身、海女のアキちゃん。


「明日はどうなるかわがんねえ日々を毎日送っていましたが、娘や孫に助けられてなんとか生きてます」

体のこと、震災。夏ばっぱも不安を抱いていた。
お互いに支え合って乗り越えた。
改めて忠兵衛さんに届けたいねえ、この言葉


「今年こそ海女、引退するつもりです。老兵は去りゆく。去る者は追わないでください」

毎年言いつつそれでも夏ばっぱは潜り続ける『海女ちゃん』。それでも去るときがきたら、浜に立ちすくむ誰かの背中にウニを投げたりするのかな。



「おらの夢を 叶えてくれて どうもありがとう」

ゆっくり、静かに、星めぐりの歌を聴きながら『ありがとう』と。
夏ばっぱは「いつでもどんなときでも夢を抱いていた」んだなと。




■それぞれの夜




「アキちゃんはさ、どっちが辛かったと思う?」
アキに尋ね、鈴鹿さんの方が辛かったんじゃないかとユイちゃん。

アキとユイちゃん、春子さんと鈴鹿さん。
保護者、アイドル、奈落。

多面的に描かれた対比関係が帰結するんだなあ。



松田聖子のポスターの前でおしゃべりする小泉今日子と薬師丸ひろ子。

これ、何度見てもすごい絵だべな。美術さんはここまで計算してたのか。


 

それにしても、ふたりの笑顔が清々しい。

 

あの幸せなお座敷列車から3年。
いろんなことがあったけれど、ユイちゃんはそれを乗り越えてきた。アキも辛いことを乗り越えてきた。
アキとユイちゃんの笑顔も清々しい。




■そして朝


 

なんて豪華なアナウンス。かつえもすっかり名女優。

 

「私の故郷、北三陸が大きな一歩を踏み出します」

アキが海女クラブ会長を引き継ぐ、という放送ではカットされたシーンがあり。
このときアキが海女クラブ会長として、海を見ている姿はどこか力強さを感じる。






■そして迎える最終回。




震災から初めてアキが帰郷したとき、ここにいたのはキタキツネだけでした。
あの日アキが感じた寒さと、開通式のこの暖かさ。
それだけ時間が経ったということか、あるいはそれだけ「おらたち」が「熱」かったということか。


 

 

何がすごいってまずこの地元エキストラの皆さん。
2012年と1984年を演じ分けられてるんですね。
撮影・放送当時もロケの様子を口外しないようにと言われていたそうで。

能年さんや小泉さんら俳優さんたちの影武者は彼らであり、この方々こそプロでもない素人でもない「あまちゃん」じゃないかって。



■開通式にて





大吉さんと吉田の喜びもひとしお。
欲の皮のつっぱったたくましい大人たちで描かれた彼らの目に光る涙。



地元で生きていく道を選んだユイちゃん。
ユイちゃんにとってアイドルになるべく場所は北三陸だった。

ユイちゃんにとっての東京は北三陸だったのかもなあ。

 

1984年をなぞるようなテープカット。
でも1984年と2012年は違う。

あとでヒビキの言葉に出てくるけど、「産みの親」のもう一人が背中を押したのが象徴的。



3月11日と、その5日後に一区間の復旧を果たしたとき。
あのとき描かれた鉄道マンたちがどれだけ力強く見えたか。


三鉄の乗りたくなってきた。
三鉄の鉄道マンたちに会いたいなあって。



■海開きにて


 

ユイちゃんが浜にいるアキに手を振って、アキがまた手を振りかえす。
不思議とアキと夏ばっぱが大漁旗を振っているように見えた。



海女クラブの面々。吉田に散々なあだ名をつけられたっけ。
強い強いマーメイドたちの、笑顔がいいね。

 

それぞれにいろいろあったけど、潜る。
自分たちの人生にプライドをかけて潜った先には銭があり、上った先には光がある。






■おかえり、北鉄


 

 

「平成25年、全線復旧へ」

ドラマの放送は平成25年。実際の三鉄北リアス線の全線復旧は平成26年。
「おかえり!北鉄」の文字に込められた思いを察するとこみ上げてくるものがあるなあ。




■深みを与えた歴史の証人


 
「こっちは8500万年待ったんだよ!」

採掘場から発見された 恐竜の骨格珍しく声を荒げる勉さん。

ずっと証人として北三陸の25年間の歴史を見てきた勉さん。
ラストに一気に8500万年もの歴史を掘り下げるのがまた深い。


 

恐竜の骨を箸置きにしていたミズタクww
そのお手柄が欲しい勉さんだけど、それは「いやそれは証人がいますし」と笑顔でお断り。

勉さんはやっぱりこれからも原石を磨いていく人なんだなあ。



■お座敷列車



「お座敷列車、潮騒のメモリーズ号まもなくの発車です」

2009年をなぞるように階段を駆け下りて乗り込むふたり。
でも2012年は2009年とは違う。

いろんな出来事を乗り越えたふたりの笑顔が、少し大人になったなあと。

 

正宗さんはまたアキの歌を聴けないのか、と思いきや。
ヒビキの意外な優しさ。

ヒビキもまた、潮騒のメモリーズを見てきた証人なんだよなあ。
いやはや、ドルオタの鑑よ。



2009年に誕生した潮騒のメモリーズとお座敷列車。
一度は壊れかけたけれど、数々の大逆転を果たし、2012年に再生する。

ドラゴンボールじゃないけど、「Z」ってつけるのがまた粋といいますか。
クドカンの意思表示なのかな。




■離れているけど見ている。




本放送のとき「甲斐さん出てきた!」って喜んだっけ。
甲斐さんは東京の勉さん。
2人のような歴史の証人がいたからこそ物語が深まったんだなあ。


 
「メモリーズブオブ潮騒よ!」

マイドーターズドーターを、はるかかなたベーリング海上で見守る忠兵衛さん。



忠兵衛さんのラストカットを「早生まれのマーメイド」に被せるのがやっぱりうまい。
鈴鹿さんの『潮騒のメモリー』を知らない存在としての忠兵衛さん。

余談ですが。

「メモリーズオブ潮騒」でふと思う。
これからちょうどフィリピンで、完全吹き替えの『あまちゃん』が放送されるわけだけれど。
「じぇじぇじぇ」をはじめ、セリフが同翻訳されるのかが楽しみな所でもあります。
(参考リンク:「あまちゃん」フィリピンで放送へ 挿入歌タガログ語に

それからもうひとつ。
もしかしてこれが蟹江さんのラストカットになったのかと思うとよりぐっとくる。



■切れないミサンガ




切れないミサンガが意味するもの。

「クドカンはじめ制作陣はロケを通じて東北沿岸部を多く見てきた。
それで「まだ復興はなされていない」と感じた。
だから最後のミサンガを残して、その意味を問わせた」


……という個人的な考えです。



このとき、列車から正宗さんらが眺めているのが津波の爪痕が残る海岸。

「寄せては返す波」が見つめてきたもの。
「その日」、奪っていったもの。
それを「乗り越えた」もの。


これまでの物語がよみがえります。




■遠くで一緒に歌っている


 

それぞれの『潮騒のメモリー』を思い起こす。
これが幻の最終回・「おら、紅白出るど!」へつながるんだよなあ。




■トンネルの先に


 

 

「明日も明後日もある」
「こっから先へ行ける」
「行ってみよう」
「行こう」


当たり前のことだった。
それが奪われた。
でも今ふたりは取り戻した。

ユイちゃんの背中に線路があるのが、彼女の心を象徴してるんだなあ。


 

 

トンネルを駆け抜けて。トンネルの向こう側へ。



走って走って、ひたすら走って。

 



「おしまい」

同じ4文字なのに、2013年の2015年のそれは違う。何か違う。


再放送で実感したトンネルの黒さと、外の白さ。
(本放送のときはストーリーラインに夢中でした)

ラストシーン、ロケ日の天気がいいこと。
これは夏ばっぱの大漁旗シーンにも思ったけど、天候すら味方につけたんだねえ。

再放送中でも、様々な偶然を味方につけたと思います。
ユイちゃんが津波で受けた心の被害が描かれる週は関東東北豪雨。
夏ばっぱが昭和の三陸大津波を語るシーンでは、2015年の南米地震での津波警報。
いい偶然とは言えないけれど、ドラマをよりリアルに感じさせて。改めて身につまされて考える。
もうほんと神がかった作品だったな。





■幻の第157回


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第64回 NHK紅白歌合戦 小海女(あまちゃん) SP from fuji on Vimeo.



本放送の後、猛烈に襲われた『あまロス』。
きっかり区切りをつけてくれたのが、第157回「おら、紅白出るど!」でした。

  

 

オンデマンドのほうで配信もされているようです。


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■それぞれの第158回


改めてキャスト、スタッフ、関係者の皆さん、「地元」の皆さん、Twitterの『あまちゃん』クラスタの皆さん、ありがとうございました。
2013年から時間が経ってまた新たに楽しめる、多面的な解釈ができる作品。
それぞれの「第158回」、本当に楽しかったです。




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