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『真田丸』40話「幸村」 日の本一の兵、戦国最後の名将

2016-10-11 17:13:49 | 大河
2016年大河『真田丸』40話「幸村」のざっくりあらすじ&ネタバレ感想のようなものまとめ。



裏題は「片桐」「きり」


※変なテンションですがおかまいねぐ。




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■残された創業メンバー


大坂からやってきた運命の使者は明石全澄でした。
明石に連れてきた先にいたのは豊臣建設の創業メンバーのひとりである、片桐且元渉外担当


「関ヶ原で石田治部、大谷刑部らがああいうことになり、その後も加藤肥後守ら豊臣の重臣らが次々と世を去って。気付いたら秀頼公のおそばに仕えるのはわしだけになってしまった」

傾いて沈没しかけた大企業・豊臣建設。
大規模な人員整理を行うも、建て直しは効かず。
かつての時代の寵児としてのネームバリューこそあれど、今やそのすべてを上回るのが徳川コーポレーション。
豊臣建設の重役・片桐殿が語りだした「人員整理」のその後。

あれから同僚は皆死んでしまった。
気がついたらひとりだけになっていた。
弊社の若手二代目がキラキラしすぎて、御社から警戒されている節があるものの。
御社と弊社、それなりにうまいことやってきたこの十数年間。




■御社のご意見が辛い


先代から進められていた方広寺の大仏殿造営事業。
その大仏様の開眼供養という大きなイベントが契機となりました

そもそも大仏殿を建て直すように勧めてていたのは御社。
南禅寺のやり手クリエイター・清韓に受注した銘文もなかなかの出来。
うん、いい感じ。

 
「鐘に刻む銘文を南禅寺の清韓という僧に頼んだ」


御社にも弊社にも期待された事業。
最初はスムーズに進んでいたかのように見えた、のですが……。

「はい、ご意見いただきました!なあおいクレームつけられたんだが

立場的に仕方ないし、ここでまごついていては話が進まない。
現場の職人に頭を下げて作り直してもらうのですが、クリエイターにもクリエイターの意地。
なかなかどうしてご立腹。



とりあえず『洒落た』ものを作り直してもらえました。


(しっかし平清盛に出てきそうなくらい悪い顔してんなあ)



■耐えろ


ところが、いざ納品!となったとき。
「これはあかん」とまたご意見いただきました。

すでに予算も時間も厳しい状況。
なんとか御社を納得させるしか方法がない、のですが……。


「人の名を2つに割って記すのは呪いの意味もあるとか」
「まあ…いやまあそうとも言うが」

「(おいおいおいおい確信犯かよおいおいおい)」

 
「何が祝いじゃ!これは呪いじゃ!」
「豊臣の名は上下が逆になっておる。これは呪詛返しであろう?」

「(ええええちょっと待ってちょっと待って)」


御社が鬼畜なご意見を言ってくる。
業者は確信犯。
さてどうする。


 
「なんとか大御所様を説き伏せることはできぬか、片桐殿」
「(何言ってくれてんの)」

 
「大御所様ひとり説き伏せられなくていかが致します?」
「(ちょお前黙ってて)」


耐えろ。
誰も手を貸してくれない。
ここはふんばるしかない。



■罵倒、パワハラ、罵倒




1か月間、血を吐きつつ、交渉のタイミングをうかがうも功を奏さず。
片桐渉外担当の胃壁がそろそろ限界に達しかけたころ。

なぜか、取引先の応接間から出てきた弊社の総務・大蔵卿局。
理由を聞いてみると。

 
「あなたが頼りないからでしょ!」
「(おいおいおいおい交渉の窓口は一本化するのが原則、てかおまえ専門外なのに今更何してくれてんの)」


巻き込んだらめんどくさいタイプの総務がしゃしゃり出てしまい、状況はさらに悪化。

弊社からパワハラ、御社から罵倒。
わしの胃壁もう限界。


それでも弊社のために。
愛する弊社のために。
ここはこれ以上事態を悪化させないために。


「事を収めるための3箇条を預かっておる!」

と っ さ の 嘘 。


「話が違うではないか!」

すぐにばれた。
もうやだ辛い帰りたい。


取締役たちがそろう会議室で処分が降りる。
頭をさげるも罵倒の嵐。

いや、なんのかんの言ってますけど策を弄したのはあなたではないんですか?
いい条件でももらってたんでしょ?
もしかして徳川コーポレーションさんに言いくるめられたんじゃないんですか?



いやそもそもこの人に策を弄すほどの知恵も度胸もないですよwww。




2代目キラキラ社長の視線が刺さる刺さる。



弊社を守ろうとしたなんてきっともう通じない。
この人たちには通じない。


誰ももう自分を必要としていない。



■ここを去るのは辛いけれど。




創業当時は楽しかった。
治部と刑部たちが常に御文庫にいて、一服してコーヒー飲んで帰り道に一杯飲んでいって。
いろいろと言われてはいたけれども、気心知れた仲間がそこにいるのは嬉しかった。

でも、もういない。
みんなここにいない。



「秀頼公のもとを去るのは辛い」


「しかしわしがいることで、豊臣家の足並みがそろわなくなるのであれば答えは一つ」

 
「わしは大坂城を去った」


大坂城に頭を下げて、治部の桃の木に別れを告げて。

辛いけどこれでいい。
これでいいんだ。
自分がいなくなれば全ては丸く収まる。
豊臣建設も零細ながらも存続できる。






これでいい。
そう思っていた。

 
交渉は完全に決裂したこと。
両者の間には埋まらない亀裂が走っていたことを知るまでは。






■お行きなさいよ


そんなこんなで、信繁に会いに来た片桐&明石だったのですが、信繁が出した返事は「NO」でした。
「真田左衛門佐死んだものとお思いください」と帰してしまう。

しかし片桐さんのもたらした最新情報に、信繁の心は大きく動いていました。

「間もなく戦が始まる。徳川が大坂に攻めかかる。大戦だ」

きりに語りかけるように話す信繁。
いつかこんな日が来るような気がしていた、ときりちゃん。

「行きたいと思った。だが今の私にはもっと大事なものがある」

お前は何ヘタレなことを言っているんだ大河ヒーロ―真田信繁。
なんだ九度山スローライフで日和ったか。
もう戦国は終わったってか。


きりちゃん、信繁にドストレート剛速球を投げ入れました。


「お行きなさいよ」



人を不幸にする女がいようがいまいが、そこには来てほしいと思っている人たちがいる。
自分の助けを求めている人たちがいる。
だったら行けばいい。



「ここで一生終えたいの?それでいいの?」
「私は幸せなんだ。ここでの暮らしが」

「あなたの幸せなんて聞いてない」


「今まで何をしてきたの?」
「何を残したの?」


聚楽第の落書きの科人捜し、結局見つからなかった。(第20回「前兆」
沼田を巡ってリーガルハイしたけど結局とられちゃった。(第22回「裁定」
小田原城に忍び込んだけど、顎クイされて終わっちゃったし、手柄は全部『何とか官兵衛』のものになっちゃった。(第24回「滅亡」

あのころ頑張ってたけどさ、結局ダメじゃん
全然歴史に名を残してないじゃん。
あんたこのままじゃ大河ドラマにできないじゃん。
『何とか官兵衛』ならドラマ化できるけど、あんたこのままじゃだめだべ。


 
「何もしてないじゃない。何の役にも立ってない。誰のためにもなってない」
がむしゃらに向こう見ず。
やんちゃで賢くて明るくて。
度胸があってきらきらしていた真田家の次男坊がいない。

 
「うっとうしいんだよお前は!」
「分かってるわよそんなこと!」
「何かいいこと言ったような気になっていたら大間違いだからな!思い上がるな!お前の言ったことくらいはな、とっくに自分で問いかけておるわ!」


「だが自分で問いかけるよりもお前に行ってもらう方がよっぽど心にしみた。礼を言う」





以前こんなエントリを投下していたのですが…… →【まとめ丸】真田源次郎信繁、大河ヒーロー成長日記 【故郷から大阪へ】
きりちゃんの圧倒的ヒロイン力がここにきて発揮。

3話の登場から『うっとうしい』と言われ続けて。
信濃、大坂、九度山。
ずっとそこにいる、ずっと見ていた。
源次郎が誰と出会って何をして、何を残してきたか。

そんなきりの言葉だから、記憶の中の箱を今開いたんだろうなあと思います。

「今まで何をしてきたの?」
「何を残したの?」


何ともメタ的な視点。


そういえば序盤、きりだけが現代語という指摘が多くがありました。
11回「祝言」、室賀の暗殺回で「生きてるからこそ汚い」ことを思い知らされたあと。
きりは信繁らに激しく怒りをぶつけます。
そこでハッと我に返り気づく、「綺麗ごとじゃ生きられない時代」ということ。
だからこそ「ひとりひとりが生きている」ということ。

秀次事件、細川屋敷炎上などなどに居合わせるきりちゃん。
彼女の存在が象徴しているものは、『視線』のような。



(しかしまあ『何とか官兵衛』とは、上手いこと世間の声を脚本に落とし込んだものだなあwww)



■宿命


頭の奥で呼んでいる。



太閤殿下が呼んでいる。

 
「関白、豊臣秀吉である」


「秀頼のこと頼む」

 
「私と源次郎は不思議な糸で結ばれている気がするのです」


「徳川屋敷に夜討ちをかけ、家康の首を取る」

 
「義をないがしろにする者を、わしは断じて許すわけにはいかぬ」


「それがしは殿下のために生き、殿下のために死に、殿下のために舞うのみ」


「日の本を分ける戦をやってみたかったわ」


「何万という大軍を率いて敵を蹴散らしたい」


「ひと言で言えば宿命や」


「この呂宋助左衛門、あらゆる弱き者たちの守り神でござる」


「何ゆえ私が伏見を追われなければならぬ…」


「どうしてそのような小細工をするのです!なぜ正々堂々と戦わないのです!」


「お前は優しすぎる」


「これだけ言っておく。わしのようにはなるな」

 
「本当は気の利いたことのひとつでも言ってやりたいのだが、わしは今岩櫃の城を任されそれだけでいっぱいいっぱいなのだ」

 
「大博打のはじまりじゃ!」


「城はのう大きければ攻めにくいというものではない。むしろ大きいと守りの手薄な場所が必ず出来る」


「いずれ必ず真田と徳川はぶつかる。その時はここを抜け出し、お前は豊臣につけ」

 
「これより話すは徳川に勝てるただ一つの道。18年かけてわしが考えた策じゃ」


「大事なのは人の命を出来る限り損なわないこと。そんな気が致します」


「おぬしのまなざしの奥にくすぶっている熾火が見える」


「己が正しいと思う道を行けばよい。それが真田左衛門佐の進むべき道じゃ!」


「死に様は生き方を映す鏡。己に恥じぬよう生きるのみじゃ」


「人は誰も宿命を持って生まれてくる。遅いも早いもない。おのが宿命に気付くか気付かぬか」


ベルが呼びさます。

あなたはいつか戻ってくる。
家康の首をとれ。
義をないがしろにするな。
殿下のために生きろ。
大きな戦をしろ。
大軍を率いて戦え。
宿命を受け入れろ。
弱き者を守れ。

多くの人から多くの言葉を受け継いできました。
源次郎が見てきたもの。

守るべきものは何だ。
くすぶる熾火をそのまま消してしまうのか。
己が正しいと思う道を進め。
己に恥じないように生きろ。

宿命は、もうそこにある。
宿命は、ずっとそこにある。


秀吉のベルが呼んでいる。

 




なんだこの長尺回想シーン……!。
これはなかなか驚きました(そして泣いた

こりゃクレジット入らないはずだよ。
入りきらないもん。


だからきっとここが空いてたんですね。



オープニングの、前々回までは『真田昌幸/草刈正雄』があったトメの部分。
ここに全員いたんですね。




ネタでこんな丸絵を投下していましたが(6月末)
果たして本当に呪いなのか。

呪いというのも少し違うのかなという気がしてきています。
それぞれの登場人物の宿命が重なり合って、信繁の宿命となる。

ひとつ気になるのが信之の回想。
出浦様「おまえは優しすぎる」はわかりますし、叔父上の「わしのようにはなるな」もわかります。
そのあとのお兄ちゃんが「岩櫃任されてもうしんどい」、しかも信繁も映って「www」と。
お兄ちゃんのこのワンシーンにはどんな意味がこめられているんだろう。



■幸村ガチャ


それから。

覚悟を決めた信繁は「名を改める」と大助に宣言しました。


大事なことだからこそくじで決める。
八百万の神に託す。


この『幸村くじ』、2年前には構想で決定していたという話なので驚き。
まさに戦は始まる前が肝心。


 
「真田左衛門佐幸村。よい名だ」

大助が引いたのは「九度山村」の「村」でした。


「その日信繁は真田幸村となった。後に日の本一の兵と呼ばれる戦国最後の名将の誕生である」

第40回「幸村」がこれで終わります。
というかここまでの39回分が「幸村」のプロローグだったのかもしれません。
ここから爆発していく物語、真田幸村の物語。



……。

………。

ちょっとこれ、年末に第50回で全編終了して息してられるか、もう今からワクワクが止まらない。




■おまけ





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