湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

立ち返る読書

2007年02月25日 | 日常生活
 読もうと思っていて手元にある本、それから今図書館に予約を入れてある本を読み終えたら、雑多な本の読み方から少し遠ざかろうと思っている。

 本を読むのは好きだけれども、たくさんの本を幅広く読むようなタイプの読書はあまり得意ではなかった。一度読んでなんとなく心にひっかかった本を何度でも読み返すような読書をしながら、だんだんと本の魅力を知っていったようなところがある。

 僕にとってそういった魅力をもった本は、往々にして一読ではいまひとつその面白さが掴みかねる場合が多かったような気がする。もちろん最後まで読みきったわけだから面白いことは間違いないのだけれども、なんとなくその面白さがはっきりしない。その本のどんなところに自分が魅かれたのかがはっきりしない。おそらくそれだけ深い部分で訴えかける物語がそこにあったのだと思う。

 そういう本は何度読んでも常に新しい発見があるし、何度読んでも色褪せることのない空気がそこにある。そのときどきによって、様々なたくさんの感情を僕に抱かせてくれる。そしてそうした感情のほとんどすべてが僕にとっては大切なものであり、また大切にしたいと願うものだったりするのだ。

 少し興味を持った面白そうな本を手当たりしだいに読む読書(と言うほど読んでないけど)ももちろん悪くないし、自分の世界を広げる意味では大切だったりするのだけれども、こちらの深い部分に訴えかけてきたり、否応なしにこちらの感情を乱すような本は残念ながらそんなに多くない。そんな一読して通り過ぎることができるような本の読み方と少し距離を置きたいと感じるのは、大切なもの(大切に思っていたいもの)を見失いそうになって焦る気持ちが今僕にあったりするからだと思う。

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6 コメント

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なるほど (jun)
2007-02-27 07:34:33
手当たり次第に読んでますねぇ、私。
何かを求めて読んでるんでしょうか。だとしたら、まだ見つけるべき何かが見つかっていないのでしょう。
yuzitoさんは、通り過ぎるにはもったいない、大切にしたい何かを見つけたのかもしれませんね。
私は、見つかるのかなぁ。

つーか、読んだそばから内容すぐ忘れるから!!Σ(@□@)
追伸:現在、本多孝好、読んでます。
「うへ~」は宮部みゆきの本に出てくる人の口癖です^o^)
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バランス (yuzito)
2007-02-27 08:17:11
□junさん

 気持ちに引っかかっる本ばかりを読み返していたときは、「こんなんじゃ世界が狭くなっちゃうな」と心配していたりもしたのです。実は(笑)。結局バランスなんでしょうね。

 ある本を読んで自分が切実に感じた気持ちがわからなくなるのって結構怖いです。そんなふうに最近感じていました。こういうエントリーって結構悩んじゃったりするんですけど、たまに口に出して確認したくなるんだと思います。あとから後悔することも多々ありますが、まぁたまにはいいかなと。こういうのも多分僕らしいのです(笑)

 本多孝好、読んでるんですか!どうだろう、junさんはああいうの?僕は「今夜、誰の~」手元にありますよ。これは読んじゃおうと思ってます。あと図書館に予約を入れてある本って結構あるんで、完全に立ち返るには案外時間がかかりそうです。うへ~
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自転車本あれこれ (ちゃり猫)
2007-03-01 14:41:49
 私も好きな本は100回でも読み返す方ですが、というか二度と読む気にならない本なんて無価値だと思うので、本を買う際は熟考してからだったのですが、自転車本は例外でWeb書店で情報不足のままつい買っちゃいます。で、やっぱ玉石混淆ね。
 昨日読んだ『吉田自転車』と『奇跡の自転車』もその口か。yusitoさんは読みました?吉田戦車は好きだったので即注文でしたが、如何せん短すぎ。切れ味も今一。Web連載の活字化という私には未経験の物だったからか。『奇跡の』も朗読CDの活字化だし。本の世界も変わったものだ。
 後者は「ビリー・ミリガン」とか「シーラ」系の軽精神医学・心理学読み物としてはいいかも。アメリカで売れたのはそれかな。自転車はモチーフなので厳密には自転車ものではないのですが、ロード・ノヴェルの体裁を取った所謂成長小説です。結末がチープな事もあり文学の域からは惜しい所で落ちたが、決して詰まらない訳ではありません。20世紀アメリカ風俗もよく描かれてるし、自転車に乗ってる部分は共感する点多いし。
 でも、もっと面白い自転車ものって無いんですかね。ご存じでしたら紹介して下さい。
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難しい、と頭を抱え (yuzito)
2007-03-01 20:47:21
□ちゃり猫さん

 そんなにたくさん読んでいるわけではないんですが、自転車本は確かに玉石混淆かもしれません。でも自転車に関しては僕はかなり寛大というか謙虚なのでたいがいが面白く読めちゃいます。ただだからといってその本が内容的に優れているかというとちょっと微妙かなぁ。とくに僕が好んで読む自転車旅行記なんかの場合は。
 というわけで、お薦めってちょっと難しいです。ランスの2冊の本なんかは面白かったと思うし、ルイゾン・ボベの『自転車チャンピョン』も良かったですし、『華麗なる双輪主義』もなかなか興味深かったんですが何度も読み返したりはしてないしなぁ。九里さんの『チベット高原自転車ひとり旅』は僕自身がチベットを走りたかったこともあって、それこそ参考書のようにして何度も読み返したけれども、だからといって誰にでもお薦めできる本はないと思うし、『シャカリキ』は絶対にお薦めだけどマンガだし・・・。う~んごめんなさい、やっぱ難しいです!ただ、とりあえず今読みたいと思っているのは『自転車依存症』です。これは図書館で順番待ち中です。楽しい本だと良いのですが。
 『吉田自転車』と『奇跡の自転車』はどちらも未読です。でもとくに『奇跡の自転車』のほうはかなり面白そうですね。これは近いうちに読んでみたいと思います。厳密な自転車ものじゃないほうが案外楽しめるような気もしますし。
 ところで、「あれ、しばらく新しい本は読まないんじゃないの?」と思ったかもしれませんが、手持ちの本でかなり良い本と出会ってしまったのでさっそく前言撤回なのです(笑)
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極めて危険な自転車本 (ちゃり猫)
2007-03-12 14:28:34
 masaさんの所でも読みましたが、10日はほんとに楽しそうでしたね。お天気も最高でこれぞ自転車イベントって感じ。ご病気だったそうですが、すっかり回復のご様子で何よりです。もう疲れは取れましたか?

 私はこの所実走なしの脳内onlyで少々後ろめたい。自転車本ばかり読んでました。まず『シルクロード自転車西遊記』ですが、94年刊でやや古色蒼然。最高68歳からお婆ちゃんまで含み、公安の先導付きで10日で900キロを団体で走る異色パックツアーものでした。駱駝でシルクロードとか、変なツアーばかり扱う旅行社があるらしい。ほとんどが全くの素人。サイズの合わないMTBにレーパンもなしで「女性陣は皆お尻の痛みに悩まされ」って、メカニックまでいたのにもうちょっと準備してあげなよ。でもある意味凄いかも。自転車度は高いけどお勧めではないですね。

 石田ゆうすけの世界一周もの2冊。既に読まれたと思いますが、自転車本ではあるけれど自転車度はほぼゼロ。読者層を広く設定するためには旅行記になっちゃうんでしょうね。考えてみれば自転車本など、マニアしか読まないですものね。

 『イタリアの自転車工房物語』は、競技・選手や製造技術の歴史的な知識も、工房の現況情報も得られ凄く面白かった。自転車度100%。但し、危険度90%。どのブランドではどんな信念を持ち、どんなメンバーでどのように作っているかが分かるので、現実に直結しちゃうんですね。つまり....わぁー!注文しちゃいましたぁ!!今年はフレームだけ、コンポやなんかは来年以降ね、ねと言い訳しつつ。yuzitoさんは読まないほうがいいかも。
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断固として読みます! (yuzito)
2007-03-12 19:05:26
□ちゃり猫さん

 10日は素晴らしい1日でした。企画してくれた方々、参加者皆さんにホントに感謝でした。

 自転車本の感想ありがとうございます。『シルクロード自転車西遊記』はいまひとつでしたか。でもある意味凄いかも、というのが少々気になります(笑)何の分野においてもきっとそうだと思うのですが、往々にして何もしらない素人さんのほうがものすごいことをやっちゃうことってありますものね。

 石田ゆうすけ本は僕もつい先日1冊読みました。『洗面器でヤギごはん』って本です。なかなか楽しかったです。こういう食紀行って結構好きなので。軽い内容なんで一気に読めるのもいいですよね(笑)ただこういう本を読むと、僕は少し素直じゃなくなるので良くないです。世界一周まではいかなくてももう少しこんな感じの旅行もしてみたかったなぁって思って少し嫉妬しちゃうんですね。一応僕も3回海外を走ってるんですけど、どれも短期だったので。

 『イタリアの自転車工房物語』は僕も読みたいと思っていた本です。そうですか、良かったですか!きわめて危険ですか!それは是非とも読まなくては(笑)
ってちゃり猫さん、フレーム注文しちゃったんですかぁ~?うわぁ、おめでとうございます(笑)また何かの機会にどこのどんなフレームなのか教えてくださいね。

 僕に関しては多分大丈夫です。先立つものがありませんし、注文するとしてもまず国内産になると思いますので。って注文しちゃったら大丈夫じゃないか? 
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