湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

なんでだ、ホントに、全然鳴りやまねぇ・・・

2013年05月09日 | 山・山スキーなど
 余韻が。



 それまで一度もスキーをしたことがなかった。するつもりもなかった。でもどうせはじめるのであればと、山登りにも使える山スキー用の道具とウェアを大枚はたいて一気に揃えた。

 はじめてのスキー。当然ゲレンデ。まったく滑れない。ここまでどうにもならないかと愕然。大枚無駄にしたかと焦る。

 2回目も初回とほとんど変わらず。しかし3回目のゲレンデで変化が。午後には下手糞ながらも上級者用のコブ斜面を降りられるようになっていた。新しい世界へのひかりを見た気がした。




 はじめての山スキーは伊吹山。もちろん入門者向けの山だ。しかし、横殴りの吹雪で撤退。さらにゲレンデと違う不整地の斜面を滑る難しさを体感。山スキーが決して簡単なものではないと思い知らされる。




 2度目は美濃の野伏岳。天気は快晴。しかしやはり頂上には達せず。しかし晴れた日の山スキーの圧倒的な気持ち良さを知る!




 はじめてしっかり頂上を踏むことができたのが、3度目の巻機山。天気も展望も良好。ラーメンを食べながら頂上から眺めた上越の山々が最高だった。そして・・・、ゲレンデのように滑りやすい残雪期のザラメ雪に、今でも胸が震える山スキー滑走の醍醐味をはじめて味わう。

 なかなか山行回数は増えなかったけれども、その後も時々山スキーに出かけた。




 はじめてふかふかのパウダーを味わったのは四阿山。滑りはじめはうまくバランスがとれずに転倒ばかりだった。しかし、転倒の連続のなかで何かを掴んだ!そこからは広大なゆるい斜面の滑りを思う存分楽しむことができた。




 4月上旬の谷川岳は散々だった。ザラメになる前の重い雪。僕の技術じゃ全然うまく滑れなかった。狭い熊穴沢は雪崩のデブリでいっぱいだった。何度か転倒しながらデブリをやり過ごして、パンパンの足でなんとか麓まで降りてきた。それはそれで結構な充実感だった。




 少しやばかったのが、はじめてのテレマークで出かけた1月の安達太良山。ゲレンデトップからそう遠くない山ということで甘く見ていたが、ほとんど視界のない天候と、アイスバーンになった山頂付近に緊張を強いられる。谷のなかは逆に深雪。そしてこれが全然うまく滑れない。さらにコースミスして狭い沢に降りてしまう。登りかえすためにスキーを脱ぐと腰あたりまで雪に沈んで、シールを付けて再びスキーを履くだけで消耗。そこから尾根に戻るまでは、ほんとに大変だった。

 今までの外遊びでもっとも追い込まれた状況になったのが、GW明けに出かけた白馬岳。途中から急に天気が崩れた。強い風が吹き出し、視界がまったくなくなった。GW明けの平日ということで、周囲には誰一人いない。ただ引き返すという決断もできず、強風にあおられながらコースではない急斜面を直線的に稜線を目指した。神経を集中させてもう引き返せない急斜面を登った。そしてほとんど倒れ込むように尾根を通る夏道に到達。しかし、そこから山小屋まではまだだいぶあった。岩に囲まれた風を避けられる場所でしばらく体をやすめたあと再び歩き出し、ようやく山小屋に到着したときはかなりぎりぎりな状態だった。しっかり訓練や経験を積んだ山屋さんだったら問題なかったのだろうけれども、僕のような人間には本当にきつい行程だった。ストーブの焚かれた乾燥室に1時間以上もへたり込んでしまった。

 翌日は天地も昼夜もわからないような猛烈な吹雪。1日ぼんやりと山小屋で過ごした。

 そして3日目。すべてが吹き飛んだ快晴。早朝、小屋から白馬岳を目指した。頂上から見渡す大パノラマ。今まで見たこともないような風景。頑張った。頂上付近は氷化していてとてもではないが僕のスキー技術では無理。途中までスキーを担いでアイゼンを履いて降りてきた。そして氷の斜面が途切れたとこから、スキー。これが素晴らしかった。新雪の快適斜面。こんなにもスキー上手かったかと錯覚するような滑りで、2日前に苦労した登りをあっという間に滑り降りた。

 全然頻繁ではなかったけれども、それからも時々山スキーに出かけた。






 根子岳




 北ア・焼岳




 北ア・白馬岳~柳股谷源頭~雪倉岳東面~蓮華温泉




 三田原山~火打山(山頂は踏めず)




 北ア・白馬岳~柳股谷源頭~雪倉岳北面~朝日岳~蓮華温泉~金山沢




 北ア・針ノ木岳

 いつもわくわくさせてくれる。ときにすごくどきどきさせてくれる。うまくできなくても、ただそんなふうに遊ばせてもらっているだけで幸せな気持ちなれたり、問答無用の充実感が得られたりする。そしてそれは、ホントに、いつまでたっても全然鳴りやまねぇ!ものだったりするのだ。それは山スキーだけでなく、他の外遊びも同じだったりするのだけど。

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2 コメント

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Simple is Best. (さくらなみき)
2013-05-12 19:43:10
料理でも、素材が良ければ手を加えないほうが美味しかったりしますし、外遊びも、自然に向かって1対1で臨んだときの感動は、他のものでは得られない喜びになると思います。

ただ単純に「走る」「登る」「滑る」「漕ぐ」でも、そこに何かを感じたときは、ちょっと得した気分です。そんな体験が欲しくて、次は…なんて考えちゃうんですけど。
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課題 (yuzito)
2013-05-12 20:59:03
□さくらなみきさん

山スキーはいつも単独だったわけではないのですが、自転車にせよ山にせよスキーにせよ、ひとりのときのほうが緊張や不安が強い分、感動も大きいかもしれません。それがいいのか悪いのかは別として。
毎回毎回得した気分を味わえたら嬉しいんですが、義務的にこなしているときもあったり、それさえも最近はしていなかったり・・・。課題です(^^;
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