湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

雪の火打山

2011年09月13日 | 山・山スキーなど
 実は先日の火打山は、僕にとって3度目のチャレンジだった。過去に2度、雪の季節にチャレンジしているのだけれども、頂上を踏むことができず撤退したのだった。

 1度目は2002年の4月上旬。学生時代の自転車仲間3人で、登りはじめの妙高杉の原スキー場に車で向かったのだけれども、スキー場に着くと「これが4月か・・・」と呆然とするようなかなりの吹雪。運休しているゴンドラやリフトもあったので、仕方なくシールをつけたスキーでゲレンデを登り、多分このコースの核心である雪崩注意の沢までたどり着いた。本格的な雪山の訓練など受けていないわれわれはこの時点ですっかり意気消沈。そんな僕らが目の前を沢を横断する勇気など当然あるわけもなく、いや多分このときの降雪からすれば横断なんてすべきではなかったのだろうけれども、ゲレンデトップからほんの数100メートルのところのその沢のところで結局撤退したのだった。その後はせっかく新潟まで来たのだからと、懐かしの直江津の民宿で1泊して帰ってきたのだった。

 2度目はその翌年の2003年の3月下旬。ひとりで火打山を目指したこのときは、天候には素晴らしく恵まれた。核心の沢も緊張しつつ無事渡り、三田原山を越え、先日眺めた雪に覆われた黒沢湿原を歩き、茶臼山南の鞍部を越えて高谷池ヒュッテまで無事たどり着くことができた。翌朝も心が震えるような快晴だったのだけれども、風が強かった。そして火打山稜線に向かう斜面は強い風でガチガチに凍っていた。もっともそうは言っても、あの程度の風と雪の斜面であれば、しっかり訓練を積み、経験のある登山者であれば安全に登ることができたのだと思う。現に小屋に泊まっていた何組かのパーティは、斜面が急になる手前でスキーをアイゼンに履き替え、斜面のトラバースを避けて稜線に向かって直登していった。同じことが僕にはできなかった。ひとりなので無理をすべきではないと臆したし、もし首尾よく頂を踏んだとしてもガリガリに凍った斜面を果たして自分のスキー技術で安全に滑り降りてくることができるだろうかという不安も感じた。そして結局、魅力的な頂上を目の前にして、自分の周りの景色を目に焼き付けてから、来た雪原を引き返した。

 下の写真はその2003年のときの写真。本当に素晴らしい天気だったんだなぁとあらためて思う。そして今になってみると、良くまぁこの時期に出かけていったよなぁと思ったりもする。ホンモノの登山家ならともかく、僕にはこの時期の山はちょっと頑張り過ぎだったかもしれない。

 ただ火打山周辺は山スキーヤーにとっては天国のような場所。GWあたりのもう少し厳しくない時期にまたスキーで出かけてみたい。高谷池ヒュッテをベースに周りの斜面を滑るような楽しみ方でももちろん良いけれど、憧れはやはり焼山北面台地。僕の経験や技術では無理は禁物だけれども、条件さえ良ければ不可能ではないと思う。無理はせず、でも少し頑張って、いつか登り、滑れたらいいな。 






































ここが雪崩が多発するゲレンデ近くの核心の沢。