湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

初秋の山登り 笹ヶ峰~高谷池

2011年09月12日 | 山・山スキーなど
 腰の具合がやはりまだ良くないので、9月7・8日の休みは久し振りに山登りをしてきた。余っていた18きっぷで鎌倉初4時57分の始発電車に乗って、直江津まであと少しの妙高高原駅に着いたのが13時半。そこからバスに乗って登山口である笹ヶ峰に着いたのが14時20分頃。いやぁ、遠かった。でもうとうと眠ったり、景色見てぼんやりしたり、厚めの文庫本を持っていったこともあって退屈することはなかった。中央線から眺める南アルプスと八ヶ岳は相変わらず見事だったし、松本駅コンコースから眺める北アルプスも駅からこんなに立派に山が見渡せるのが不自然に感じるくらいに立派だった。1度読んだことのある持っていった文庫本が想像以上に面白かったのも良かった。松本あたりで読み終えて、長野駅での乗り換えのときに駅近くのブックオフでもう1冊追加した。

 登山口の笹ヶ峰で水筒に水を入れて歩き出したのが14時半頃。妙に立派な登山口の横にあるベンチでは、下山してきたらしい登山者が気持ち良さそうにイビキをかいて眠っていた。

 歩きはじめてしばらくはブナの森のなかの木道を歩く。ブナの森はいつ来ても気持ち良い。しかし歩きはじめて少したち、傾斜がきつくなってくるとともに気持ち良さより、きつさが圧倒的に上回るようになる。こんなに涼しいならあまり汗かかないでキャンプ地まで歩けるかなぁなどと最初は思っていたけれど、気づけばしっかり汗だくになっていた。でも明るいうちにテントは張りたいなと少し早めのペースで歩き続けた。

 途中の黒沢で笹ヶ峰で補給した水を捨てて、沢の水に入れ替えた。とてもおいしい天然水だったからなのだけれども、あまりの水の冷たさにほんの10秒くらいで指の感覚がなくなりはじめたのには驚くというより呆れてしまった。この時期にしては本当に冷たすぎる水だった。

 黒沢からは十二曲りという登るのはもちろん、下りも大変そうな急登。久し振りの山登りだからか、ヒジョーにつらい。徐々に空が近づき、少し開けた稜線に出たときはやはりほっとしたけれど、そこらからキャンプ地である高谷池ヒュッテまでまだもう少しある。

 高谷池ヒュッテに着いたのはちょうど17時。ところどころしっかり休憩はとったものの、少し早めのペースで歩いたおかげで無事明るい時間に到着することができた。ヒュッテで400円のキャンプ代を払い、水場を越えたところにある池の脇にあるキャンプ指定地にテントを張った。池越しに翌日上る火打山が見渡せる場所はすでに残っていなかったけれども、それでもなかなかなキャンプ地だった。

 テントを張ったら、さっそく夕食の準備。もっとも準備といっても、やることはとっても簡単。水場でコッフェルに水を満たすだけ。ここの水は池の水なので煮沸しなければならないけれど、飲み水用は黒沢の冷たい水をたっぷり水筒に入れてきたので問題なし。持ってきた無洗米を2合強炊き、そのうちの半分を温めたレトルト・キーマカレーと一緒に食べた。夕食後はテントのなかで寝そべって、ピーナッツをかじりながらヘッドランプの灯かりでしばらく文庫本を読んだり、時折テントから顔を出して星を眺めたり。そして21時前には眠りについた。


篠ノ井線・姨捨駅。


8分の停車時間に、日本3大車窓に選ばれているらしい開けた景色を眺める。


不思議に立派な笹ヶ峰の登山口。右のベンチで男性が気持ち良さそうにイビキをかいていた。


気持ち良いブナのなかの木道。


十二曲りを越えて空が近くなる。


高谷池と黒沢池の分岐の富士見平。富士山は見えず。




翌日登る火打山と、小さく見える今日の目的地である高谷池ヒュッテの三角屋根。






久し振りのテント設営。なんか嬉しい(笑)






初秋の山登り 火打山と妙高山

2011年09月12日 | 山・山スキーなど
 1時頃までは快適に眠れた。けれども、それからは寒さで眠れたり眠れなかったり。テント内を温めるために意味もなくストーブをつけたりした。あとから聞いた話では、前日の最低気温は4℃だったらしい。もし同じくらいに下がっていたのであれば、それは寒いわけだわ。

 昨晩の残りの冷や飯を20枚くらいの味付け海苔で食べてテントを出たのが5時少し前。ほとんどまだ真っ暗なので、しばらくはヘッドランプの灯かりを頼りに歩く。火打山の往復は必要最小限のサブザックのみなので、昨日に比べてずいぶんと楽だ。あいにく雲が多く、期待していたような快晴というわけにはいかなさそうだけれども、稜線の木のない場所ではとりあえず展望は得られる。先日集まった直江津も、その翌日に走った関田山脈もしっかり見渡せる。なんだかとても嬉しい。山登りでこんなふうにしっかり日本海を眺めるのは、ちょうど20年前の夏合宿中に登った鳥取の大山以来か。

 火打山の山頂に着いたのは1時間後の6時頃。どんよりとした天候だけれども、360度の大展望。富士山も思いのほか近くに見えるが、一番に眺めたのは糸魚川方面の焼山北面台地。いつかスキーで滑ってみたい憧れの場所だ。何度も写真で見た雪のある風景と重ね合わせてじっくり目の前の台地を眺めた。それから周りの大展望を楽しんだ。

 高谷池ヒュッテに戻り、米粒の残るコッフェルで塩ラーメンをつくって食べてから、テントを撤収。今度は妙高山に向かって歩きはじめるが、妙高山に登るにはその前に茶臼山と大倉乗越を越えなくてはならない。茶臼山あたりは2003年の3月にスキーで歩いている。あのときは火打山を目指したけれど、力不足で結局山頂には立てなかったんだよなぁ。茶臼山を越えると目の前に黒沢湿原が広がる。空も晴れてきて秋の空と湿原の緑が素晴らしい!そして大倉乗越を越えると今度は目の前に妙高山がどーんとあらわれるのだけれども、僕の目はついついまた直江津や関田山脈のほうに目がいってしまう。

 大倉乗越を下り、妙高山に登り返すあたりの沢で水を補給。ここの沢の水もうまかった。

 妙高山までは樹林帯のなかの急登。ここが最後のきつい登りと諦めて黙々と登る。そして11時少し前に頂上着。青空の下に素晴らしい景色が広がっていた。しばらく周りの風景を眺めてから、ここでもインスタントの塩ラーメンをつくって食べた。うまい!

 お腹を満たしたあとは、南峰の頂を踏んでから下山。少し高度感のある岩場、鎖場を過ぎてからあとは楽ち~んと思ったのだけれども、ここからが実は一番つらかった。下りでも足にくるのはわかっていたけれど、こんなにも足にきたのははじめてだった。赤倉温泉の源泉あたりからは、引湯パイプに沿ってつくられた崖沿いのコンクリートの道を歩くのだけれども、ここらでは足を前に進めるのが本当に苦痛だった。でも細い道の横は少なくとも300mくらいは切れ落ちた谷。落ちたら無傷ではいられないだろうから、慎重に歩いた。引湯パイプ沿いのコンクリート歩道が終わってからは、燕温泉までの舗装林道歩き。目の前に広がる景色は素晴らしいが、とにかくきつい。自転車だったらあっという間に下っていけるのに。膝はもうがくがくで、後ろ向きに歩こうかと思ったくらいだ。だから林道を抜けて、ゴールである燕温泉の無料の露天風呂・黄金の湯に着いたときはとにかくほっとした。できたら黄金の湯ではなく、そこから10分くらい歩いた混浴の露天風呂・河原の湯に入りたかったのだけれども、もうここで充分だ~

 燕温泉からは、関山駅までバスで下り、そこから再び18きっぷの長旅。のんびりとした関山駅で、最近はほとんど食べていなかったポテトチップスをポリポリ食べながら飲んだエビス・ビールが美味しかったなぁ。最後の下りが想像以上に大変だったけれども、久し振りの山登りの充足感に浸ってビールを呑みながら誰もいないホームで電車を待ったのだった。








憧れの焼山北面台地。いつかスキーで滑るのだ。






























今どきジャージというのも結構恥ずかしいのだが・・・


























山を降りてきた場所にある無料の露天風呂。幸せ過ぎる。ビールの自販機がそばにあればもっと幸せだったのだが・・・