湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

消去法的な映画鑑賞

2011年03月28日 | 日常生活
 「ねぇ、おばちゃん。タンポ×くださいな」
 「あら、お嬢ちゃん。まだ小さいのにどうして?」
 「うん、それつけると自転車乗ったり、泳いだりできるようになるって聞いたから」

 ipodに落としておいた立川談志の落語を聞いていた。一瞬の???のあと、計画停電中の暗闇のなかで思わずを小さな笑い声を出してしまった。

 先週末に3日連続自転車で遊んだら、なんだか自転車に乗るエネルギーというか、元気がシュンとしぼんでしまった。そんなわけで昨日の日曜日は休みなのにだらだら。いや、久し振りにちょっと硬めではあるけれどもなかなかに面白い本に出会って、それを読んでいたのでだらだらとは言えないかも知れないけれども、天気いいなぁ、でも自転車乗る気しないなぁというときは、心のなかに幾ばくかの後ろめたさがあったりするので、それゆえなんとなくだらだらしているように感じられたりしてしまうのだ。なんという馬鹿馬鹿しい悪循環な思考だろう。

 そんな悪循環的思考を断ち切るために、午後は少し自転車に乗った。と言っても、スポーツサイクル的な楽しみ方ではなく、ただ単に茅ヶ崎に映画を観に行くのにランドナーで出かけただけですが。

 今の時期、観る映画を決めるのはかなり厳しいものがあった。上映されているのは多くがアニメ。他のいくつかもあまり魅力的とは思えない。でも手元には3月末が有効期限のマイカルの映画券がある。

 その気になればドラえもんでもディズニーでも楽しめると思ったののだけれども、「yuzitoさんくらいの年齢でその手の映画をひとりで観るってのは相当やばいと思いますよ」と職場の人に言われ、僕もそんな気がしたのでとりあえず却下。だったらナルニア国でもと思ったら、「今までの観てないと楽しめないと思います」とまたしても却下。「観たい映画ないんだからそんな無理して行くこともないんじゃないなですか?」とも言われたけれども、これは僕が却下。性格的にそれはできない。「もったいない」

 ところで、今僕が読んでいるのは、『人は原子、世界は物理法則で動く』という題名の本。まだ読みかけだけれども、人はそれぞれ自分の意思で物事を決定し、行動しているわけではなく、原子のようにある引力に従って、つまりそれは模倣であったり追随であったりするわけだけれども、ある種のきっかけやそのときの流れに影響を受けて行動している、してしまうものだというようなことが書いてあって、まぁそうなんだろうなぁと思ったりしていたのだけれども、どの映画を観ようという決定ひとつとってもそれが正しいということがよくわかったのがなんとなく興味深かった。まぁ観たい映画がはっきりしていれば、また違うのでしょうけどね。

 ちなみにこの本を読んでみようと思ったのは、伊坂幸太郎の『マリアビートル』の巻末の参考文献のところに載っていて、面白そうだと思ったから。自分ではなかなか選ばないと思うので、こんなきっかけで面白いと思える本に出会えたことは本当にラッキーだった。まったくもって、安易に影響受けまくりですけど。

 ま、そんなふうに流され、影響を受けながら、消去法的に観ることに決めたのが『漫才ギャング』。お笑いとか全然観ないので楽しめるだろうかという懸念はありましたが、基本的にしょうもない感じのことって嫌いではないので。で、感想ですけど、なかなか、ではなく結構これ面白かったです。お笑いに免疫がないからか、あるいは人とツボが違うからか、周りの中高生なんかが笑わないところでウケてしまったりとお得だけれどもちょっぴり恥ずかしい思いもしましたが、充分楽しめました。映画券無駄にしないで良かったです。

 映画を観終わったあとは、近くの眼鏡屋さんに寄ろうと思ったのですが、ちょうど接客中だったので遠慮しました。またの機会に寄らせてくださいませ。もっともお笑い映画を観たあとということで、もし寄ったらあまりにくだらない話を連発していたかもしれないなんて気もするので、寄れなくて正解だったかもしれないなんて気も。

 消去法的に観た映画がそれなりに面白くてラッキーだったのともうひとつ、自転車で出かけたおかげで行きのR134では久し振りに僕の尊敬するサイクリストに出会えたのもラッキーでした。かなりみすぼらし目の普段着姿のランドナーで前を走るのは少し抵抗がありましたが、のんびりスピードにあわせて頂き、短い時間ですが楽しくご一緒できました。ありがとうございました。もし映画観た帰り道だったら、きっとしょうもないくだらないことを言っていたかもしれないので、会ったのが往路で良かったです。あ、でも往路でも充分くだらないことばかり話していたような気もしますね。ってことは、観た映画は関係なく、僕自身が・・・。ま、まったくもって、その通りなんですけどね。どーん。