湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

新緑の峠行 旅のお宿

2008年05月26日 | 自転車生活
 宿に着いてからは、お茶を頂いてひと休みしたのち、集落にあるふたつの共同浴場に向かいました。



 ひとつ目はこの広瀬の湯。もともと木賊温泉には川原の露天風呂しかなかったそうなのですが、少しずつ観光客が増えるにつれて地元の方たちの入浴が困難になってきたそうで、昭和60年頃にこの共同浴場がつくられたそうです(民宿のおばあさんの話)。



 そして広瀬の湯で汗を流したあとは、ジュースを買ってから今度は川原の岩風呂でのんびり。川の音を聞きながらの入浴がなんとも和みます。



 そして温泉のあとは夕飯。



 囲炉裏端で食べる岩魚のフルコースです。



 塩焼き、味噌焼き、身と肝の刺身、たたき、唐揚げ、岩魚の卵をのせた豆腐、岩魚のおつゆ、そして骨酒。さらに山の幸と大根葉のご飯。かなりお腹減っていたのですが、1時間半民宿のおばあさんと話をしながらのこの夕飯ですっかり、苦しいくらいにお腹ふくれました。いやぁ、満足満足。

 ちなみに岩魚の骨酒ってはじめてだったのですが、本当にお酒が甘くまろやかになってびっくりでした。そしてさらに驚いたのが、酒を吸った岩魚。強烈に身に酒がしみ込んでるのです。それに醤油をかけて、囲炉裏で焼いて頂いたのですが、これだけで酔っちゃうのではと思うくらいの濃厚なお味でした。

 夕飯のあとはすっかり酒がまわってほろ酔い気分。しばらく、ぼんやりと布団に横たわって考えごとをしたりしながら宿の天井を眺めていたら、いつの間にか意識が遠のいてました。布団に横たわりながら耳に入ってきていた川の音、ささやかな蛙や虫の鳴き声がとても心地良かったです。

 翌朝は5時に起きて、再び川原の岩風呂へ。そしてそのあとに宿の温泉に入ってから、出発の準備を整えて、



 7時に朝食。夕飯ほどの豪華さはもちろんありませんが、これがまたどれも美味しくてとっても満足でございました。とくに岩魚の甘露煮はたまらなかったです。僕はてっきり山女だと思ってたんですけど、訊いてみたらこれも岩魚でした。うまかったぁ。

 ところで、4分割された右下の写真は、このあたりの集落では今でも家の一番高い場所に必ず祭られるという男女のシンボル。火伏せと子孫繁栄のためとのことでした。平日の宿泊ということもあってか、宿泊客は僕ひとりだったので、宿のおばあさんにはいろんな興味深い話を聞くことができました。

新緑の峠行 1日目 『田代山峠』 

2008年05月26日 | 自転車生活
 僕の自転車の原点であり、いつまでも変わらぬ憧れである、ランドナーでの峠越えツーリングを1泊2日で久し振りに楽しんで来ました。

 1日目の行程は、東武鉄道の新藤原駅から鬼怒川沿いに走って、栗山温泉から土呂部峠と田代山峠と唐沢峠を越えて木賊温泉まで。距離は70km弱とたいしたことありませんが、全般的に上り基調なのと長いダートが少しやっかいそうです。そして標高1600m近い田代山峠近くの残雪や道路の崩壊も少し気になりました。ただそういった心配があるからこそ、車やバイクと会わない静かな旅ができるわけですし、GWあたりまでならいざ知らず、この時期に自転車で越えられないほどの残雪や崩壊はさすがにないだろうと思い、このコースを走ることにしました。

 自転車を組み立て、ボトルと500mlのペットボトルに水を入れて新藤原駅を走り出したのが9時20分頃。走り出してしばらくはアップ基調のアップダウンといった感じの道。結構嫌らしいのですが、天気最高ですのでまわりの景色を眺めながらのんびりと楽しみながらペダルを漕いでいきます。

 川治温泉の手前からは鬼怒川とともに西へ。
 


 澄んだ空気の先の尾瀬の山を眺めながらの走行になります。



 そして県道黒部西川線に入り、土呂部の集落でひと休み。ここまでは携帯が通じると思ってましたが、すでに圏外になっていて少しびっくり。ひとつメールを打っておきたかったのだけれども。この県道に入ってからは、ほとんど道は上りになりました。



 しかし、溢れるような新緑のなかを



 清流沿いに高度をあげていくのであまり疲れは感じません。それに今日は距離や速さとは無縁のツーリング。日が暮れるまでに目的地に着けばいいわけですから気持ち的にも焦りはありません。



 そうして走っているうちにいつの間にか土呂部峠を越えて、道は未舗装に。なんというか、ダートに入ると自然に頬がにやけます。「これだよ、これ」といった気持ちになります。



 高度があがるにつれて、少しずつ展望も開けてきます。楽しい!



 そして田代山峠が近づくにつれて、少しずつ残雪があらわれ、



 道も荒れてきます。



 おかげで林道をひとり占め。貸切です。



 峠まであと少し。



 の場所の残雪(崩壊?)。自転車を担いでひょいと乗り越えようとしたら、



 結構すごかった。とくに問題なく通れましたが、バイクだとかなり気合入れないと厳しいような気はしました。



 途中、勾配がきつかったり砂利が深かったりして走りにくいところも少しありましたが、峠近くはなだらかな走りやすい道。



 そして13時37分に無事田代山峠に到着。峠の向こう側は会津です。しばし峠の空気を楽しみました。



 峠からは豪快なダウンヒル!と言いたいところですが、下りも未舗装ですし、こういうところでは事故だけは起こしてはならないので、路面に注意しながらのんびりと下ります。



 でもこちらも素晴らしい景色の連続なので、そういうのも全然苦になりません。



 繊細な緑が本当に素晴らしいです。



 そんなわけで、ついつい写真のために自転車から降りる回数が多くなります。







 でもこんな道を走ってみたいと思いませんか?



 そして長いダートの下りを終え、ようやく湯の花温泉の少し手前にある水引の集落へ。湯の花温泉からは唐沢峠という小さな峠がまたありますが、



 上りはじめたらこんな標識が。僕は新しい峠と旧い峠であれば、旧いほうに興味を持つタイプなので、標識に導かれるまま入り込んでみたのですが、



 なんだかすぐに廃道の雰囲気に。そんなわけで、「う~ん」と1分ほど悩んで結局新しい唐沢峠に向かうことにしました。



 でも新しいほうもこの道(笑)



 そして唐沢峠を無事越えて、16時少し前に無事木賊温泉に到着しました。本日の走行距離は66.55kmでした。さてこれから温泉と宿の夕飯です。楽しみ、楽しみ。