湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

元サイクル野郎たちと

2008年01月05日 | 日常生活
 今夜は北海道から上京してきた元サイクル野郎を、やはり元サイクル野郎の友人とともに出迎えた。ここで“サイクル野郎”なんて恥ずかしいことばを使ったのはもちろんふざけてのことだけれども、キャンプツーリングであちこちを走っていた頃を考えると、あまりに遠い昔のことのように感じられて、なんとなく「あの頃われわれはサイクル野郎みたいな若者だったのかな」と思ったりしないでもない。

 上京してきた関西出身のその自転車乗りとは大学1年の夏に北海道の然別湖畔で出会った。そして然別湖から幌加峠を一緒に越えて糠平湖でテントを張った。西サ連の多くのクラブではノルマというものがあって、大量の白米(3合くらい?)を食わされるという話を聞いて対抗心を燃やし、いつもよりかなり多めに米を炊いて無理矢理完食して、翌日思い切りお腹をこわして苦しんだのが愚かな思い出である。当時はどれだけたくさん米を食うとか(おかずの量を減らすため)、1日どれだけ金を使わずにすむかとか、何日風呂に入らずにいられるかとか、そういうことを競っていた“サイクル野郎”がまだ結構いたような気がする。僕はそういうのとはちょっと違っていたけれど。少なくとも風呂にはなるべく入りたいと思っていたから。

 とまぁ当時はそんなワイルドなサイクリングを楽しんでいた我々だけれども、今夜は僕以外の二人は年末年始の疲れが出たのかしっかり風邪をひいてしまっていた。普段はどちらも僕なんかよりずっとタフなのだけれども、今夜はちょっと疲れ気味で少しつらそうだった。そんなわけで、思ったよりも早く飲み会はお開きになった。熱燗にして呑もうと買った日本酒も結局飲まず終いだった。なんとなく物足りない気もしたけれども、あまり酒量の多くない僕にとっては今日くらいがきっとちょうど良かったのかもしれない。

 若い頃は、歳をとってもツーリングに行くならテントで寝たいと思っていたけれども、今では宿でうまいもん食って温泉でも入って布団で寝たいよなぁとか思うようになってしまった。そしてそのことを寂しいとも思わなくなった。でもそれはそれでいいのだろう。いつまでもサイクル野郎をやってられるわけじゃないのだから。でもだからこそ若いうちにしっかりサイクル野郎みたいなことをやっておいて良かったのかもしれない。そんなふうに少し思う。