湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

もっとも適当なエントリー、湘南国際マラソン

2007年03月19日 | 日常生活
 あたたた。疲れない走りを試みて、少なくとも走っているときはそれはうまくいっていると思っていたのに、翌日になってみればしっかりと体に痛みと疲れがあらわているようで・・・。よくよく考えてみれば1000m以上の標高差を上って145km走って疲れないわけがないものな、と朝から変に納得。

 ところで、昨日行なわれた湘南国際マラソンについて、僕はこんなエントリーをしたことがある。もっともらしいことが書いてあるこのエントリーは、実はあとあとになっても「あれはひどかった」と思い出す、今まででもっとも適当なエントリーである。

 どうしても書くことが思い浮かばない。部屋を出なければいけない時間は刻々と迫っている。そんなときにたまたま目に飛び込んできた『湘南国際マラソン開催される!』というYahooのニュース。「これだ!」と思って速攻で飛びついた。そういや俺、一度くらいはフルマラソンを走ってみたいと思っていたものな、と思って、かなり慌しくああいったことを書いた。でも、そのとき僕が本気で湘南国際マラソンへのエントリーを考えたかというと、それはかなり微妙なわけで・・・

 適当なエントリーは他にも多々あるけれども、思ってもいないようなことは僕はあまり書きたくないと思っている。明らかな冗談は別にして、どんな場合においても嘘をつくのはあまり気持ちの良いことではないから。だけれども、このときのエントリーは嘘とまではいかないけれども、自分の気持ちを適当につくりあげ、それをもっともらしく書いてしまったかなりひどいエントリーとして今でもしっかりと記憶に残っている。

 もっとも逆にこうしたエントリーをしたことによって、その後数日は実際に湘南国際マラソンへのエントリーを考えたりもした。自転車から離れていた一時期、結構熱心にランニングをしていたこともあったので。そしてそのときにやはり江ノ島起点終点の湘南マラソンというイベントに参加して、気持ち良く10kmを走ったこともあったので。ただそんなふうに湘南国際マラソンへのエントリーを考えたのはわずか2日だった。なぜならこのエントリーの2日後に直江津まで自転車で走ったからだ。直江津に着いたあとで、自転車でたったひとりこんな体験ができるのであれば、わざわざマラソンのためのトレーニングに時間を割いて湘南国際マラソンへのエントリーなんてする必要はないとかなり強い気持ちで思ってしまったのだ。

 昨日の大観山からの帰り道は、湘南国際マラソンの参加者を最後尾から追い越していくような形になった。最初は車の隊列しか見えなかった。リタイアした人を乗せた大型バス数台、その他のスタッフ・カー。そういった車を何台か追い越したところにその最後尾のランナーはいた。最後尾のランナー2人は盲人と伴走者だった。その盲の方は足を痛めてしまったようで、片足を引きずりながら必死に歩いていた。そして伴走者はその盲人の手につながった伴走用の紐をしっかり握ってやはり同じペースで歩いていた。「大丈夫ですか?」と心配そうに声をかけるスタッフにたいして、「大丈夫です」と繰り返しこたえながら。

 その姿を見た瞬間、目と目のあいだがツーンとなった。一瞬にして涙が込み上げたようだった。

 その2人のランナーを追い越してからも、しばらく目は潤んだままだった。そして、来年とは言わないけれども、地元で開催されるこの湘南国際マラソンを僕もいつか走ってみたいなと思った。それは決して適当な気持ちではなく、心から感じた正直な気持ちだった。

 ずっと続いていけばいいんだけどな。湘南国際マラソン。