湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

上って下って266km ヤビツ峠・山伏峠編

2006年09月29日 | 自転車生活
はじめて道志みちを走ったのは中学3年の夏。その頃の僕は暇さえあればどこかに走りに出かけるというような熱心な自転車少年ではなく、夏休みや春休みにだけ友人たちと休みの記念にどこかに出かけるという中学生らしいといえば中学生らしい自転車少年だった。そんな小さなサイクリストにとってこの道志みちはほんとうにきつかった。小さな上り下りが連続する序盤、そしていくら走っても上りが終わらない中盤から終盤。それはまだ走り方に習熟していないわれわれを消耗させるには充分だった。以前書いたことがあるけれども、結局われわれは峠の手前で力尽きて動けなくなってしまった。それ以来なだらかな上りが延々と続くような峠道にたいして僕はしっかりと苦手意識を持つようになってしまった。昔抱いたそんな苦手意識を払拭するために、昨日僕は中学3年の夏以来はじめて道志みちを目指したわけなのですが・・・

昨日は朝5時少し前に部屋を出た。



まず目指すはお決まりのヤビツ。ヤビツで体調を確認して、それから道志みちへ向かうか決めるつもりだ。



134号を離れ、金目川沿いの道路を丹沢に向けて走っているとようやく空が明るくなってきた。素晴らしい好天が期待出来そうだけれども、体のほうはやはり少し重めであまり快調とはいえない。



そして丹沢の稜線を撮った直後にうっすらと朝靄の這う地平から太陽が顔をだした。いつも何気なく走っているこんな場所で、こんなにきれいな日の出が拝めるなんて。少し感動してしまった。



信号待ちで後ろを振り向くと今度は川向こうに朝陽が見えた。

そうして名古木に到着。あまり体調も良くないし、今日は一応ロングライドの予定で走り出しているからタイムは計らずに上るぞ。

名古木着6:06 距離28.15km 平均24.5km

タイムは関係ないのでいつもより負荷をかけずに上っているにもかかわらず、いつもよりかなり体が重く感じる。ほとんどインナー・ローで上っているのに、タイヤが路面にねばりつくような感じであまり前に進んでいかない。でもだからといってここでもっとスピードをあげようと頑張ってはまずいと思って、「焦るな、焦るな」と自分に言い聞かせる。この頃にはあまり体調が良くなくてもとりあえず山伏峠までは騙し騙し走ろうと思い始めていたのだ。



そのように菜の花台を越え、



7時3分、ヤビツ峠着。かなり疲れた・・・

ヤビツ峠着7時3分 距離39.88km 平均19.4km

ヤビツから宮ヶ瀬方面に下りはじめると、



朝の光が差し込む裏ヤビツの光景がとてもきれいに感じられた。ただ路面には前日の雨が残っていて、滑りやすくて怖かった。道幅が狭いにもかかわらずたまにすれ違う車は結構なスピードを出しているし、やはり体調のせいか自転車のコントロールがぎこちなくも感じたので普段より余計に冷や冷やした。

で、思いの他長く感じた裏ヤビツを宮ヶ瀬湖まで下ってくると、





朝の湖がとってもきれいで参りました。ここであらためて、なんとか山中湖までは走るぞぉ~!と気合を入れて、道志みちとの合流点である梶野の交差点にあるデイリー・ヤマザキに到着しました。

梶野交差点着8時9分 距離65.29km 平均21.6km
 
妙にお腹が減っていたのと下りで体が冷えたこともあり、梶野のデイリー・ヤマザキでは朝っぱらからカップラーメンを食べてしまった。普段はほとんどカップラーメンなんて食べないんですけどね。とにかく、ここからいよいよ道志みち。頑張っていきますかぁ。

この道志みち、わかってはいたことですが、やはり序盤は嫌な感じのアップダウンが続きます。たんたんと走っているとはいえ、そうした繰り返しが少しずつ足にきます。下っているときは、「別に下らなくていいんだけどなぁ」と思って下ります。そして僕が思うにこの道志みちのきついところは、こういった上り下りが連続するわりには景色が単調で面白味にかけるところではないかと今回走ってみて感じました。



時折こういう展望が拓ける場所があったり、



久保の吊り橋といった観光地のようなところもある。けれども、それ以上にたんたんとした上りがあまりにも長いので結構こたえてしまうのだと思う。肉体的にも、精神的にも。

でもってそんな上り下り、そして緩やかな勾配の上り坂を走っているうちにそれまで感じていた体調の悪さが、道志みちで蓄積されはじめたダメージと渾然となってどっちのせいでつらいのかわからなくなってきました。これが果たして良いことなのか悪いことなのかはわかりませんが、少なくとも体調の悪さを顕著に感じることはなくなりました。とにかく、きつくなりはじめたのです。変な話ですが、これであらためて頑張る気持ちが生まれました。体調?もう関係ないじゃん!そんな気持ちになりました。

そうして道の駅のすぐ手前にあるデイリー・ヤマザキに到着したのが9時52分。ここで峠までの最後の上りに備えて補給をします。

道の駅(デイリーヤマザキ)着9時52分 距離91.71km 平均20.9km

ここではおにぎり2つとミルクセーキを補給。さて、ここからはようやく上りだけの道になるのかな?



で、それはその通りでしたね。勾配はさほどきつくありませんが、しっかりとした上り坂が続きます。僕はこういうわかりやすい峠道のほうが好きですが、やはりこれまでの走りでかなり足にきちゃってます。筋肉に乳酸がたまっているというより、重めのギア(スピードに見合うギアがないのです)でゆっくり走ってきたからか膝の外側の腱だか筋だかが痛い。でもかといって、そこから気合一発で攻める走りに転じる元気もない。なので、今まで通りのペースを守って上って行きました。



そして景色的にだんだんと峠が近づいてきました。これでまだまだ峠まで先が長かったらかなりこたえそうです。でもやはり僕の予想はあたり、そこからすぐそこが



懐かしの山伏峠でした!やったぁ!リベンジになったのかとか、トラウマが払拭されたかとかはいまひとつわからないけれども、とりあえず嬉しい!しかしどう考えてもこの山伏峠は標高差以上のきつさを感じる峠だな、少なくとも僕にとっては。

山伏峠着10時42分 距離100.74km 速度20.1km


上って下って266km スバルライン・三国峠編へ続く