虎ノ門病院臨床腫瘍科 高野利実先生とNPO法人ミーネット代表花井美紀さん監修のもと「がん難民」は救済できるのかー? (前編) という記事があった。
そもそも「がん難民」という言葉自体、何か他の表現はないものかと思ってしまう。
2010年国立がん研究センター初代理事長による "今後はがん難民を出さない" 宣言もあり、今ではセンターの資料で「がん難民」が定義されているそうだ。要約すると、がんの進行に伴い主治医から一方的に治療の終了を宣告されること、を意味しているとのこと。記事ではこれを狭義の定義と捉え、対する広義の定義が挙げられていた。
①標準治療もしくはそれに準ずる治療が尽きたと、医師から告げられるケース
②がん治療の地域格差の中、望む治療を求めて患者が右往左往するケース
③病状が慢性期に移行し転院を要請されるが、受け入れ先が見つからないケース
④病状説明や治療方針の選択で医師に不信感を抱き、患者が望む医療機関を探し回るケース
がん難民の支援のために開設された、国立がん研究センターの「がん相談対話外来」、静岡県立静岡がんセンターの「がんよろず相談」、その他の民間が運営する「がんサロン」が紹介されていた。しかし、このようなサポートだけではがん難民の根本的な解決にはなり得ない、とあった。
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「がん難民」という程のことではないが、例えば "牛乳・乳製品は避けるべき?" とか、"大豆イソフラボンはエストロゲンに似た働きをするから大豆製品は避けるべき?" 他に、諸説あって戸惑ってしまうことはある。これは、花井美紀さんのことば "情報混乱難民"の少し前状態と言えるかもしれない。
記事の中で花井美紀さんが指摘されているように、アクセスできる治療情報が増えた分、その情報に翻弄されてしまうことも増えてしまっていることは想像できる。その意味での難民にならないようにするには・・・。
次号後編も読む必要あり?