ゆらゆら生活

2012年に始まったゆらゆらとした生活の中、絵を描くことの魅力に。

仮名手本忠臣蔵 五段目・六段目

2013-12-09 | 歌舞伎・観劇ほか

昨日、歌舞伎座へ十二月大歌舞伎 仮名手本忠臣蔵 夜の部を観に行った。

私は特定の役者さん以外、観た公演の内容を忘れてしまうことがよくある。それは申し訳ないことだという思いはあるものの、先が読めない分楽しめることも多いので、普通、観る前にあらすじの予習などはしないようにしている。

ただ、忠臣蔵では なぜ? と話の展開に気を取られしまって、楽しめなかったことがあったことを覚えていたので、今回は人物相関図のようなものを確認した。

五段目までの背景として、主役の勘平は、恋仲の おかる に会っていたため、主君 塩谷判官(浅野内匠頭)の一大事に駆けつけられず職を失なってしまい、おかるの実家に居候の身だった。おかるとその両親は、勘平が武士に復帰し主君の仇討ちに加われるようにと、勘平には内緒でおかるの身売りを企て、お金を工面しようしていた。そんなことから、私は、勘平に" おかるとその両親に愛されている ちょっとドジな無骨者"の印象を抱いていた。

今回公演の五、六段目の勘平は 染五郎さん、"妖艶華奢な美男子"のイメージが強く、私は、はじめ配役に違和感を持ってしまった。

ところが、誤って義理の父を撃ってしまったと思い込み苦悩している様子に観入っているうちに、予想とは異なる、染五郎さん演じる勘平の姿にぐっときた。型が気持ちよくシャープに決まっているところ、凝縮されたような気迫、怪我から復活した染五郎さん、かっこいい勘平だった。

一方、予想通りにいい味面白みスパイスをしっかり加えていたのは、私の大好きな 亀蔵さん だった。本当はいくらかの人情を持っているものの、しっかりお金儲けをしようとする源六役、声の感じ、回し方が何ともいえない。

獅童さんの定九郎役は、ピッタリはまっていたと思う。いかにもやんちゃそうな白塗りの顔に鋭い目つきが印象的だった。亀蔵さん、獅童さんお二人とも、気持ちよく演じてみえたことと思う。

贔屓目ではあるが、七之助さんは、健気な様子、所作の美しさが際立っていて、演目の中で生きている 若々しく切ない おかる の姿を観ることができた。また、七段目おかる役の玉三郎さんに繋がるものがあったと思う。

勝手に解釈して、勝手に楽しんだ忠臣蔵だった。

 


今日一日が素敵な日でありますように

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