晴れ上がった空のように・・

日常の出来事や読んだ本の紹介

椿山課長の七日間・・その2

2006年01月30日 | 
椿山課長は大手デパート勤務46歳。若く美しい妻一人、小学生の息子一人がいる。高卒ながらデパートの花形といわれる、本店婦人服課長は異例の「出世」だ。

そんな中、取引先との接待中に突然脳卒中で急死。過労死である。気がつくと4階建ての白いビルにいる。そこは現世と来世の中間にある世界で、スピリッツ・アライバル・センター(通称SAK)とよばれる役所である。ここで講習を受け、反省ボタンを押せば、ほとんどの人が極楽往生できるという夢のシステムだ。しかし
椿山課長は、このままでは死に切れない!と審査を申し立て、この世に7日間逆送されるのです。それもナイスバディーの美女の肉体をかりて・・・

と、まぁ~こんな話なんですが、とにかくおもしろい!です
死後の世界をこんなに明るくコミカルなタッチで描いてある小説は初めての体験です。「よみがえりキット」という小道具がまた、おもしろいんです送り込まれた現世で、困らないように、何でも必要なものが出てくる魔法のカバンです。ドラえもんもびっくり!って感じです。携帯電話(着メロはベートーベンの「運命」)、いくらでもお金が出てくる財布、生理用品!?など。読みながら、なんど声を出して笑ったことでしょうそして・・現世に戻ってくるのがあと二人います。やくざの組長武田勇と、少年雄太です。この三人が現世で遣り残したことをはたそうと悪戦苦闘するんでが・・これまた話がうまく出来てるんですネ~

実は、椿山課長のお父さんがキーマンだったんですが・・これから読む人のために割愛しておきましょう^^

「あっ!!」と驚くような、仕掛けが待ち受けていて、ラストは感動のるつぼ 目頭が熱くなりました

浅田次郎が書きたかったのは、やはり「家族愛」だったんでしょうね・・