一族本家の長老が85歳で亡くなり、親戚一同が各地から集まった。 田舎は過疎が進み、冠婚葬祭がないと人は戻って来ない。 葬式の場合、一時の賑やかさは、悲しみの上に成り立っている。 齢を重ね、入院状態の長老だったから、皆も承知だった。 旧陸軍の軍医であり、退役後は地方医療の道に進み、過疎地に住む 高齢者たちの支えとなっていた。 戦後の高度成長期に、外国製オープンカーに乗る新しい物好きでもあった。 謹んでお悔やみを申し上げます。合掌。