僕の細道

地図

『 地図 』                  
地図は基本的に上辺が北方向を示していますが、観光地図などでは縮尺、方向、距離がデフォルメ(大袈裟に、大雑把に)してあり、実際と違う事がままありますので気を付けましょう。
 地図を見るにはコンパスで東西南北を見るのが一般的ですが、コンパスを常時携帯する人は少ないでしょう。ところが街中、山間部でも大体の方向は解るのです。古来より、太陽、星による動作ぐらいは耳にした事があると思います。それ以外にも街中でしたら、近年増えつつあるBSアンテナ。これは大概が南(厳密には南南西)を示しています。
 また、家々の窓も南側に面しているモノの方が大きく、数も多いのです。自然界でも木、植物は南側の方がよく繁っているものです。これらを利用して照合するとより効果的です。

 現在位置を確認するのには先ず目標物を探す事です。役場、学校、寺社、線路等の公共建築物は頻繁に移動しないので最適です。GS、コンビニエンスストア等も多いので目標にする事が出来ますが、近年は出店、閉店が多いので注意が必要です。また、電柱の根元には住所等の地域を記すラベルが貼られています。

 地図を眺めていると茶色や緑色の部分が有ります。それらは等高線を元にして解りやすく表記してあるものなので地図を立体的に解釈する事が出来ます。川の流れは山々の谷あいを示し、線路は急勾配の少ない平坦路を表しています。国土地理院発行の地図には高圧線まで記載されているので、山中で高圧線の鉄塔を目印にすると距離感が掴み易くなります。
 等高線を注意して見ると、山岳部頂上付近に一定でなく平坦になっている所は、大昔に土砂崩れがあった場所だとか、標高の高い山々の東側を走行すると雨風がしのぎ易いとか言われています。

 都市地図でも全体を大まかに眺めていると一本のうねった道が浮かび上がってくる事があります。新道に平行するように途切れ途切れになったその道は旧道であったり、大昔の古道の名残なのかもしれません。
 地名で「山」の文字が付くのは山間部、「見」の文字が付くのは比較的展望の良さそうな所、「沢」の付く所は窪地で林が多いだろうとか、地図にはキーワードがたくさん書き込まれています。

仕事や通勤に車両を使用されている方も多いと思います。
で、毎日の通勤の際、漠然と走るのでなく、下記のようなことを意識して見られると、日々、新しい発見があるかもしれません。

目の前に広げられた地図を眺めていると、いろいろな事柄が現れてきます。私たちの住んでいる名古屋市の場合、点在する寺社仏閣を結んでいくと、旧道、古道を辿ることが出来ます。その交差する角には、酒屋、米屋など多く、通り沿いには郵便局、小中学校、公民館などの公共施設が多く所在しています。

以前、本道であった道に並んでいる電信柱は、他の地域より高くなっています。見知らぬ町でも、遠くから、高い電信柱を探す事は容易です。そして、古い本道、細い道でも、古くから伝わっている道は、自然災害に強い道路が多いのが特徴です。ただし、古い民家も多く立ち並んでいるので、倒壊などの危険も生じます。また、戦後、区画整理のおり、寺が協力し、墓地を供出していった過去があります。それゆえ、その跡地に民家は立ちにくく、公園などになっている事が多いです。現在では、酒屋はコンビニエンスストアに、公民館はコミニュティーセンターに変わっています。

方角を見定めるには、家屋、マンションは南側に大概、大きな窓があり、添えつけられている衛星放送の受信アンテナが名古屋地域では、南南東に向いていることにより判ります。

もし、外出先で“もしも”に遭遇した場合、それらの公園などを覚えておくと、避難者が集まる場所を把握しやすくなりますし、自らの避難先を探す時の目安に、これらの事を覚えておくと役立ちます。

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