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パレード

2010-10-10 | 邦画(な・は)
 パレード
 


  あらすじ 
「上辺だけの付き合い、それくらいが丁度いい」都内の2LDK
マンションに暮らす男女四人の若者達。映画会社勤務の直輝
、イラストレーターの未来、フリーターの琴美、大学生の良介。
それぞれが不安や焦燥感を抱えながらも、“本当の自分”を
装うことで優しく怠惰に続く共同生活。そこに男娼のサトル
が加わり、同じ町では連続暴行事件が起こり始める。
そして彼らの日常に、小さな波紋が拡がり始める…。

【出演】
藤原竜也
香里奈
貫地谷しほり
林遣都
小出恵介




  感想  ※ネタバレ注意

第15回山本周五郎賞を受賞したマンションの共同生活をする
若者たちの日々を描いた、吉田修一の同名作を映画化。



几帳面な性格で映画会社勤務の直輝のマンションに、自称
イラストレーターの未来、恋人が芸能界に入り自分も追い
かけるかたちでやってきたフリーターの琴美、大学生の良介
が、ルームシェアをしている中に、男娼のサトルが加わり
上辺だけで作られた現代の若者たちを描く。


原作を読んでいるのですが、原作ではこの5人のわからない
内面が深く読み取れるのに対し、映画ではそこはあっさり
描いていて、例えば大学生の良介の友達の死も、友達との
経緯が省かれていたり、直輝と元彼女との別れた原因などが
あっさりとしていました。

おそらく観ている人がその部屋にいて、希薄な人間関係を
感じてもらうようにしたのかもしれません。
それはこの物語のそもそもの、現代での人間関係の希薄さ
からくる「怖さ」や「不気味さ」を生かす為なのだと思いました。

原作でも映画でもラストにはルームシェアの1人が起こす
事実に、事実を知りながらも共に生活をしているという「怖さ」
がやってきて、読み直すと現代人の「不気味さ」が見え、何度か
読み直したいと思えるものでした。

映画も、誰もが他人との共同生活の中で演じている自分や
距離感はリアルに表現されていて、そこから生まれる虚無感
や不気味さは伝わってきました。




【評価】
 (3.8点/5点満点中)

 パレード HP


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