
トランプ政権発足時の重鎮閣僚として残っていて、同盟国との連携重視や、国際平和に貢献する軍事行動に各国から信頼を得てきたマティス国防長官が、トランプ氏との見解の相違に耐えられず辞任表明し、その辞任表明の内容に怒ったトランプ氏が、国防長官の代行を置き、マティス氏の任期を2ヶ月前倒しするというドタバタ劇が生じています。
読売と産経が社説(産経は主張)で取り上げ、共にマティス氏の辞任を惜しんでいます。
軍人だからこそ、軍事行動に慎重で同盟国との連携による抑止力を重視したマティス氏。
辞意の内容に怒って任期を前倒ししたトランブ氏が代行に選んだのは、軍需産業の米ボーイング社上級副社長などを経て、2017年 7月から国防総省ナンバー2 の副長官を務めている、パトリック・シャナハン国防副長官。
貴重な重鎮に去られてしまったトランプ氏は、どんな国防長官を選出するのか、日本をはじめ世界の安全保障への影響が注目されます。
米国防長官辞任 「重し役」の不在に懸念が募る : 社説 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
マティス氏の辞任書簡怒り、国防長官交代早める : 国際 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
「トランプ氏には、軍事・外交のプロから適材を後任指名し、内外の不安の払拭に努めてほしい。」と、産経・主張は訴えていますが、日本国民としては、そう願うことしか出来ません。
マティス長官が腹を切ってまで諫言した辞意の文書。誇り高く世界平和に尽くしてきた米国軍人の心意気を示されたもので、日本の武士道とも通じるものを感じさせられます。
その心意気が汲み取れず、怒って任期を前倒しにしてしまうトランプ氏。
批判されて怒っただけの単純な愚行なのか、それだけ信頼していたのに見捨てられたことへのショックでの反動なのかは判りませんが、残念な反応です。
一刺のショックが大きかった証しでもあるのでしょう。
シリアでは、オバマ政権の関与の消極さにロシアがつけこんでアサド政権を支援したことで、今日までの混乱の元が生じました。
オバマ政権の言動を全否定するトランプ氏が、オバマ氏と同様にシリアへの関与から後退するのはどうした一致なのでしょう。
読売の社説は、「シリアのアサド政権を支えるロシアとイランが、撤退を機に影響力を拡大するのは間違いない」と、マティス長官と同じ指摘。
戦争開戦に慎重な軍人出身のマティス氏に対し、軍需産業でもあるボーイングの元副社長のパトリック・シャナハン国防副長官の長官代行就任。
国防長官にはどんな人が選ばれるのか。要注目ですね。
# 冒頭の画像は、トランプ大統領とパトリック・シャナハン国防副長官

この花の名前は、レイジンソウ
↓よろしかったら、お願いします。







読売と産経が社説(産経は主張)で取り上げ、共にマティス氏の辞任を惜しんでいます。
軍人だからこそ、軍事行動に慎重で同盟国との連携による抑止力を重視したマティス氏。
辞意の内容に怒って任期を前倒ししたトランブ氏が代行に選んだのは、軍需産業の米ボーイング社上級副社長などを経て、2017年 7月から国防総省ナンバー2 の副長官を務めている、パトリック・シャナハン国防副長官。
貴重な重鎮に去られてしまったトランプ氏は、どんな国防長官を選出するのか、日本をはじめ世界の安全保障への影響が注目されます。
米国防長官辞任 「重し役」の不在に懸念が募る : 社説 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
マティス氏の辞任書簡怒り、国防長官交代早める : 国際 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
米国防長官辞任 動揺せず結束を確認せよ (12/24 産経 主張)
マティス米国防長官が2月末で辞任することになった。
トランプ大統領に対して、シリアやアフガニスタンからの駐留米軍撤収に反対を訴え、辞表を提出した。
マティス氏は、トランプ政権の外交・安全保障政策の「屋台骨」として、政治家、軍人だけでなく、日本や欧州の同盟国から厚い信頼を獲得してきた。
自由や法の支配など価値を共有する米国と同盟諸国は今、現行の国際秩序を脅かす中国やロシアとの「第2次冷戦」に突入した。
そうした中、「米国第一主義」に傾斜しがちなトランプ氏の歯止め役でもあったマティス氏が去ることで、米国の内向き志向が強まるのではないかと、欧州などから懸念する声も上がっている。
トランプ氏には、軍事・外交のプロから適材を後任指名し、内外の不安の払拭に努めてほしい。
独断専行型で予測困難なトランプ氏に対し、マティス氏は「戦う修道士」と称された海兵隊の指揮官時代から、熟考と議論を尽くす冷静な判断力が定評だった。
直言もいとわぬマティス氏と大統領の間柄には、以前から見解の相違が指摘された。そのひとつが「同盟国観」である。
トランプ氏は、かねて日本や韓国、北大西洋条約機構(NATO)加盟の同盟国がさらなる負担を負うべきだと主張し、貿易赤字削減には同盟国にも容赦せず追加関税や輸出規制を迫った。
これに対しマティス氏は、同盟国への配慮を重んじ、公表された辞表の中でも、「強固な同盟関係を維持し、同盟諸国を尊重しない限り、米国自身の国益を守ることはできない」と訴えている。
とりわけ北東アジアの安全には日米同盟の役割を重視した。北朝鮮の非核化に懐疑的で米韓軍事演習中止に反対したとされる。中国の海洋覇権拡大に対抗して米海軍の艦艇増強も一貫して唱えた。
マティス氏が辞表の中で、「権威主義体制」を広げる中露の動きに、「同盟諸国と団結」して国際秩序を守る使命を訴えたのは注目に値する。美辞麗句を排した異例の書簡は、トランプ氏への最後の忠告と受け取れよう。
日本政府がマティス氏の退場を惜しむ一方、日米同盟への影響を否定したのは当然だ。いたずらに動揺しては中露を利するだけである。結束を確認するときだ。
マティス米国防長官が2月末で辞任することになった。
トランプ大統領に対して、シリアやアフガニスタンからの駐留米軍撤収に反対を訴え、辞表を提出した。
マティス氏は、トランプ政権の外交・安全保障政策の「屋台骨」として、政治家、軍人だけでなく、日本や欧州の同盟国から厚い信頼を獲得してきた。
自由や法の支配など価値を共有する米国と同盟諸国は今、現行の国際秩序を脅かす中国やロシアとの「第2次冷戦」に突入した。
そうした中、「米国第一主義」に傾斜しがちなトランプ氏の歯止め役でもあったマティス氏が去ることで、米国の内向き志向が強まるのではないかと、欧州などから懸念する声も上がっている。
トランプ氏には、軍事・外交のプロから適材を後任指名し、内外の不安の払拭に努めてほしい。
独断専行型で予測困難なトランプ氏に対し、マティス氏は「戦う修道士」と称された海兵隊の指揮官時代から、熟考と議論を尽くす冷静な判断力が定評だった。
直言もいとわぬマティス氏と大統領の間柄には、以前から見解の相違が指摘された。そのひとつが「同盟国観」である。
トランプ氏は、かねて日本や韓国、北大西洋条約機構(NATO)加盟の同盟国がさらなる負担を負うべきだと主張し、貿易赤字削減には同盟国にも容赦せず追加関税や輸出規制を迫った。
これに対しマティス氏は、同盟国への配慮を重んじ、公表された辞表の中でも、「強固な同盟関係を維持し、同盟諸国を尊重しない限り、米国自身の国益を守ることはできない」と訴えている。
とりわけ北東アジアの安全には日米同盟の役割を重視した。北朝鮮の非核化に懐疑的で米韓軍事演習中止に反対したとされる。中国の海洋覇権拡大に対抗して米海軍の艦艇増強も一貫して唱えた。
マティス氏が辞表の中で、「権威主義体制」を広げる中露の動きに、「同盟諸国と団結」して国際秩序を守る使命を訴えたのは注目に値する。美辞麗句を排した異例の書簡は、トランプ氏への最後の忠告と受け取れよう。
日本政府がマティス氏の退場を惜しむ一方、日米同盟への影響を否定したのは当然だ。いたずらに動揺しては中露を利するだけである。結束を確認するときだ。
「トランプ氏には、軍事・外交のプロから適材を後任指名し、内外の不安の払拭に努めてほしい。」と、産経・主張は訴えていますが、日本国民としては、そう願うことしか出来ません。
マティス長官が腹を切ってまで諫言した辞意の文書。誇り高く世界平和に尽くしてきた米国軍人の心意気を示されたもので、日本の武士道とも通じるものを感じさせられます。
その心意気が汲み取れず、怒って任期を前倒しにしてしまうトランプ氏。
批判されて怒っただけの単純な愚行なのか、それだけ信頼していたのに見捨てられたことへのショックでの反動なのかは判りませんが、残念な反応です。
一刺のショックが大きかった証しでもあるのでしょう。
シリアでは、オバマ政権の関与の消極さにロシアがつけこんでアサド政権を支援したことで、今日までの混乱の元が生じました。
オバマ政権の言動を全否定するトランプ氏が、オバマ氏と同様にシリアへの関与から後退するのはどうした一致なのでしょう。
読売の社説は、「シリアのアサド政権を支えるロシアとイランが、撤退を機に影響力を拡大するのは間違いない」と、マティス長官と同じ指摘。
戦争開戦に慎重な軍人出身のマティス氏に対し、軍需産業でもあるボーイングの元副社長のパトリック・シャナハン国防副長官の長官代行就任。
国防長官にはどんな人が選ばれるのか。要注目ですね。
# 冒頭の画像は、トランプ大統領とパトリック・シャナハン国防副長官

この花の名前は、レイジンソウ
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