遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

カルロス・ゴーン被告 レバノンに出国

2019-12-31 23:58:58 | つぶやき
 保釈中のカルロス・ゴーン被告が大みそかの前日、レバノンに出国したことが31日、明らかとなりました。
 長期間拘束し、1日8時間におよぶ取り調べを行う。取り調べに弁護士の立ち合いが許されない。家族の面談も許されない。拘束の環境が劣悪等々の海外からの批判が高まった事件でした。
 その批判を背景に立ち上がった著名弁護士、批判に煽られた裁判官が、検察の逃亡や証拠隠滅の懸念による反対にも関わらず、条件付きの保釈をみとめました。
 当時、ファーウェイの孟晩舟副会長兼最高財務責任者に対するカナダの裁判所の保釈と対比した議論もありました。
 しかし、結果は検察の反対主張通りの逃亡・出国。
 この事件との関係があるのかどうか、保釈の緩和傾向がみられるとの指摘があります。また、保釈中の容疑者の逃走事件も頻発しています。
 今回の国外逃亡が何故防げなかったのか。国内でも増えている逃亡は何故成功しているのか。
 制度の準備もなく保釈の緩和が進められている日本の司法制度。早急な見直しが必要ですね。

 保釈決定に涙のファーウェイCFO。事実上軟禁も「家族と静かに過ごしたい」 | Business Insider Japan

 ゴーン被告? 関空からイスタンブールにプライベートジェット機 搭乗者は不明 - 産経ニュース

 
「世界に恥さらした」…出国のゴーン被告、検察の懸念的中 裁判所も動揺 - 産経ニュース 2019.12.31

 保釈中の日産自動車前会長、カルロス・ゴーン被告(65)が大みそかの前日、レバノンに出国したことが31日、明らかとなり、公判準備を進めていた東京地裁、弁護側、検察側に衝撃が走った。厳格な条件を提案してゴーン被告の保釈を得た弁護側が「寝耳に水」と言えば、裁判所側も「ショックだ」と驚きを隠せない。証拠隠滅や逃亡の恐れを理由に保釈に強く反対してきた検察側からは「いつか逃亡すると思っていた」との本音も漏れた。

 「それは、どのくらい確度の高い話なの?」。ある検察幹部は31日早朝、ゴーン被告出国の一報に驚くあまり、海外メディアの報道をいぶかしんだ。

 東京地検特捜部は一昨年6月ごろ、日産からの内部情報を得てゴーン被告に対する内偵捜査を開始。約半年後の11月19日、前代表取締役のグレゴリー・ケリー被告(63)と同時来日のタイミングを図り、金融商品取引法違反容疑での逮捕に踏み切った。

 続いて立件した会社法違反(特別背任)事件の舞台は捜査権の及ばない国外の中東にもおよび、
特捜部は過去最大規模の捜査態勢を組んで昨年4月22日に一連の事件の捜査を終結させた。

 
ゴーン被告側はただちに保釈を請求したが、捜査の過程でゴーン被告の妻、キャロルさんが事件関係者と接触していたことが発覚するなどしたため、特捜部は証拠隠滅の恐れが高いなどとして強く反対。だが4月25日、東京地裁の島田一裁判官は証拠隠滅の恐れを認めながらも「弁護人らの指導監督が徹底している」などとして保釈を許可した。

 ある検察幹部は「
弁護人の責任は十分ある。あの手この手を尽くして細かい条件と引き換えに得た保釈の結果が逃亡だ」と憤る。別の幹部は「いつか逃げると思っていた日本の刑事司法の恥を世界にさらした裁判所と弁護人の責任は重い」と痛烈に批判する。

 弁護人の弘中惇一郎弁護士の事務所には31日朝から報道陣が詰めかけた。取材に応じた弘中氏は「寝耳に水で大変当惑している。報道以上に知っていることはない」と憔悴(しょうすい)した様子。ただ「保釈条件に違反する裏切り行為だが、気持ちが理解できないかといえば別問題」とも述べた。

 一方、保釈を許可した東京地裁側にも動揺が広がった。ある裁判所関係者は「裁判期日に被告が出頭しない事態はあり、制度上やむを得ないとはいえ、あまりに象徴的な事件で起きたのが残念。正々堂々と戦う人への背信行為であり、極めて残念としか言いようがない」と話した。

 厳格な条件を提案してゴーン被告の保釈を得た弁護側が「寝耳に水」。
 ゴーン被告との信頼関係はなく、騙されたと見えます。今後、ゴーン被告が日本の司法制度への批判声明を出すとのことですから、どんなことを言うのか、注目されます。
 
 弘中弁護士等の弁護団の手管、国際世論に翻弄されて流されたのか、東京地裁の島田一裁判官の検察の反対を押し切った保釈決断の結果は、両者に反省が求められてしかるべきです。

 
ゴーン被告 渡航禁止も出国 専門家どう見る? 海外の反応は? | NHKニュース 2019年12月31日

<前略>
元検事「日本の司法制度に極めて深刻な影響」

 元検事の高井康行弁護士は「今回の事件では弁護団が極めて厳しい保釈条件を提示しそれをゴーン元会長に守らせると主張したため、裁判所が信頼して保釈に応じた。しかし、
結果的にその信頼は裏切られ多額の保釈金も逃走防止の役に立たなかった日本の司法制度をかいくぐってゴーン元会長が国外に出国したことが世界中に知れ渡り、日本の司法制度はその程度のものなのかと思われてしまう。これがきっかけになって第2第3の逃亡のケースが出てくることも十分考えられ、日本の司法制度に対して極めて深刻な影響を及ぼすのではないか」と指摘しています。

 また、
裁判所が保釈を認めるケースが最近、増える傾向にあることについて「今回の問題はこのまま保釈緩和の流れを続けていっていいのかという極めて深刻な問題を提起している。逃走防止のための新たな法制度や仕組みを法曹三者や立法府が早急に検討し、その方向性が見えるまでは保釈緩和の流れを一時中断して慎重に検討すべきだ」と話しています。
<中略>

海外メディア「日本の司法制度に厳しい視線」

 海外のメディアは、長期間にわたる勾留や有罪率の高さに注目し、「日本の司法制度に厳しい目が向けられている」と伝えています。

 ロイター通信は、「ゴーン元会長の突然の逃亡は、日本の司法制度に厳しい視線を投げかけた。その司法制度とは、容疑者を長期間拘束し、1日8時間におよぶ取り調べの際に弁護士が立ち会うことを禁止する、というものだ」と伝えています。

 フランスの経済紙レゼコーは、「東京拘置所に108日間勾留されたことと、妻との接触を禁じたという保釈の条件の両方によって、日本の司法制度が注目された」と報じています。

 イギリスの経済紙フィナンシャル・タイムズは「もし、ゴーン元会長が日本に戻らなかったら、訴訟手続きは混乱に陥り、日産とケリー氏のみが裁判にかけられることになる」と伝えています。

 また、フランスの有力紙ル・モンドは、「ゴーン元会長は近く、記者会見を開き、彼を起訴した日本を攻撃するだろう」としたうえで、ゴーン元会長に対する監視体制について、「警察や弁護士などによって監視はされているが厳しいといえるものではなく、娘たちは定期的にゴーン元会長のもとを訪れていた」と指摘しています。


<後略>

 元検事の高井弁護士のご指摘通りで、制度の整備なく保釈の緩和を進めれば、破綻して当然です。
 国内の逃亡は、呼び出しに応じない容疑者を、人手不足の事務官だけで逃亡への備えもなく訪問連行しようというのですから、逃走されても当然。
 ゴーン容疑者は、その国際版。

 司法制度に欠陥があるのは、二流国、三流国の証。
 国際世論に流されることなく、改善すべきは取り入れながら、日本の司法制度を時代の変化に対応したものに、再構築する機会としていただきたい。

 (例=話がそれますが、日本には死刑制度があります。外国にはない国が多いとのことですが、それらの国では、事件現場での判断で射殺(司法の吟味無)が行われています。どちらが日本に適しているのか。)



 # 冒頭の画像は、ゴーン容疑者




  アオジソの花



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