遊爺雑記帳

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米中貿易戦争 トランプ氏には自国優位の確信

2018-06-23 23:58:58 | 米国 全般
 アメリカファーストのトランプ大統領の貿易赤字解消目的での輸入品への課税増税が、世界各国・地域に対して拡散し、夫々の国・地域が報復するという反自由貿易のスパイラルが進みつつありますね。
 最も大きく熾烈なのが、米中間の貿易戦争。
 中国に対しては、単なる通商戦争だけではなく、覇権拡大を続ける安全保障面の脅威にも警戒を高めているトランプ政権。強硬派は、その中国の弱みは貿易との見方を強めているのだと、WSJの記事。
 中国は米国の根本的な脅威であり、強硬派は、米経済への打撃という代償を払っても立ち向かう必要があると考えているのだと。
 通商紛争では、中国の方が失うものが大きく、もっと厳しい姿勢で臨めば、目標を達成できると、トランプ政権は自信を深めているのだそうです。
 
トランプ氏の対中強硬姿勢、自国優位の確信が背景 - WSJ 2018 年 6月 21日

 米政権の関係者によると、ドナルド・トランプ大統領が貿易面で中国に対する脅しを強めている背景には、中国との通商紛争で米国が優位に立っているとの確信がある。この紛争で打撃を受けかねない米企業からの圧力を同氏は受け流す構えだという。

 トランプ氏は18日、中国が米国の貿易政策に報復した場合、4000億ドルもの中国製品に10%の追加関税を課す方針を明らかにした。米国が先週、500億ドル相当の中国製品に25%の輸入関税を課す(大部分は7月6日から適用)と発表したことを受け、中国は報復措置を警告していた。

 ホワイトハウスのこうした強硬姿勢から、
政権内の勢力図は現在、強硬派が優勢となっていることがうかがえる。その筆頭格ピーター・ナバロ大統領補佐官通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー代表だ。いずれも中国は米国の根本的な脅威であり、米経済への打撃という代償を払っても立ち向かう必要があると考えている。

 ナバロ氏は「はっきりしているのは中国の方が(米国よりも通商紛争で)失うものが多いということだ」と語った。
 ライトハイザー氏は追加関税について、対象品目を決め、産業界の意見を聞いた上で適用すると述べた。これには数カ月かかる見通しのため、交渉の余地はある。ただ今のところ、そうした交渉が近いうちに行われる気配はない。
トランプ政権は、中国に対してもっと厳しい姿勢で臨めば目標を達成できると自信を深めているようだ。

 中国政府は強力な報復措置を取ると表明したが、これまで同様、その詳細は明らかにしなかった。米国が対中追加関税を課す7月6日に同額の米国製品に報復関税を課すとしている。

 
トランプ政権が次に狙いを定めているのは、米国の先進技術への中国の投資を阻むことだ。「産業にとって重要な技術」を中国が取得するのを阻止するため、財務省が6月30日までに規制強化策を発表する見通し。

 トランプ氏は4月、中国製品に対する関税の大幅な引き上げを示唆したが、発動は見送った。ムニューシン財務長官が主導した対中通商協議で、中国が米国製品の購入拡大を約束したことから、両国は一時的に「停戦」状態となった。
 ホワイトハウスはその後、テレビ番組の司会者や議員から「弱腰」と批判されたこともあり、こうした対応は失敗だったと判断した。6月の対中通商協議では、ウィルバー・ロス商務長官率いる交渉団を中国に派遣した。中国はトランプ政権が関税の発動を回避すれば、米国の農産品や工業・エネルギー製品を700億ドル近く購入する案を示したが、トランプ氏はこれも空約束だとして拒否した。
 米国製品の購入を約束すればホワイトハウスが揺らぐと中国側が考えたのであれば、それは「判断ミス」だったとナバロ氏は指摘した。

 
トランプ政権の強硬派は、中国の弱みは貿易との見方を強めている。中国の対米輸出(2017年は5055億ドル)が米国の対中輸出(同1299億ドル)を大幅に上回っているためだ。ナバロ氏によると、米国は中国の経済・貿易慣行に関して、強制力があり透明性の高い組織的な改革が行われることを目標にしている。

 中国の国内総生産(GDP)に国際貿易が占める割合は現在3分の1未満(2006年は3分の2近くだった)となっているが、中国の昨年の経済成長率が政府目標を上回ったのは、輸出の好調が大きな理由だった。エコノミストによると、工場などの固定資産への投資が数年ぶりの低水準となり家計消費も鈍り始めている中、輸出が数カ月後に急減すれば、中国の経済成長は危うくなる。

 中国には
もう1つ弱みがあると米政権関係者は指摘している。輸入額は米国より少ないが、経済成長を輸入機械・技術などに頼っている度合いはより大きいという点だ。

 
中国には米国の強硬な通商政策に対抗する手段が豊富にある。中国で営業する米企業への規制を強化したり、国内の反米ナショナリズムをあおったりすることができる。
 中国は近年、係争を抱える国への団体旅行を禁じたり、外国製品の不買運動を起こしたり、中国に進出した海外企業の検査を恣意(しい)的に強化したりしてきた。
 中国の前財政相で、現在は全国社会保障基金理事会の理事長を務める
楼継偉氏は3月末、米中のエコノミストや政府顧問による非公開会議で、80~90年代の日米通商紛争時の日本とは違い、中国が米国の要求に屈することはないと述べた
 中国は米国の「愛人」ではなく「夫婦のようなもの」だと楼氏は述べた。

 ホワイトハウスは米国の「虎の子」の技術が中国に略奪されるのを防ぐ意向を示している。その第一の防衛線が関税だ。
政権関係者は、新たな関税の導入を受けて海外企業が生産拠点を中国以外に移すとみている。米国ではなくアジア諸国に移転した場合でも、中国が先進技術を取得する機会が失われるため、プラスだという。

 
米IT業界団体「情報技術産業協議会(ITIC)」のジョシュ・カルマー上級副会長は、トランプ政権の計画はコスト拡大や競争力低下を通じて米企業に打撃を与えるだろうと述べた。
 
政権関係者は米企業の順応の速さは各社が認めている以上だと反論している。また、一時的な痛みを伴うとしても、米企業への中国の影響力をそぐ価値はあると指摘。米企業が将来、中国政府の圧力を恐れることなく同国で事業を展開できるようになれば、「この経済と世界経済はもっと強くなるだろう」とナバロ氏は述べた。

 米大手企業は通商問題に関して政権内の強硬派に影響を及ぼす力がほとんどない。強硬派は米企業が業務のアウトソース(外部委託)を急ぎすぎたとの立場だ。企業ロビイストはそれを踏まえ、来る中間選挙で影響力がある消費者・農業団体と連携している。
 ロビイストは、
中国製品に対する追加関税が消費財に影響を及ぼし、反発を招くのは必至だと述べている。中国政府は米国の農産品に報復関税を課す構えで、同じような反応が見られることに期待している。

 中国の弱点の貿易依存の他に、もうひとつの弱点は、経済成長を輸入機械・技術などに頼っている度合。
 トランプ政権が次に狙いを定めているのは、米国の先進技術への中国の投資を阻むことなのだそうです。
 政権関係者は、新たな関税の導入を受けて海外企業が生産拠点を中国以外に移すとみている。米国ではなくアジア諸国に移転した場合でも、中国が先進技術を取得する機会が失われるため、プラスなのだと。。
 
 米中の貿易戦争。この二国間の他、世界に拡散されている米国との通商紛争。
 トランプ大統領の掲げるアメリカファーストでの貿易赤字解消の為という貿易戦争。果たして米国は勝者となれるのでしょうか。

 ただ、札束外交と軍事力拡大を背景に、「中華の夢」を求め覇権拡大を続ける習近平・中国を放置してよいことはないのも現実。
 中国の札束外交や軍備拡大の源泉が貿易であり、そこを攻める戦略は正しいと考えます。
 
 そうした世界の変動の渦の中で、日本はどう生き抜くのか。
 「モリカケ」で、確証も示さず、「疑惑は深まった」とはやし立てるだけで延々と国会や行政を空転させ日本を沈没させようとする、オールド偏向メディアとその下請け活動をしている野党。
 日本国民と日本国をどう護るのか。アジアで日本に求められている期待にどう応えていくのか。自己利益の為の政局ではなく、政策論争を深めていただきたい。



 # 冒頭の画像は、中国製品に対して最大6兆3000億円規模の追加関税賦課を決定し大統領覚書に署名したトランプ大統領 (2018年 3月)



  ドウタンツツジの紅葉


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