4名の方に久米島式で真綿から糸をつむいでもらいました。
今までより真綿の量を増やし、時間も長くしました。
着尺用2~3本合わせたくらいの一番つむぐのが難しい太さでつむいでもらいました。
真綿の糸の特徴を知ってもらいたいからです。
単に簡単なことを初心者だからといってやってもらうのではなく、本当のことに少しでも触れてもらえればと思います。
今回の4名の方は厳しい指導のもと!?(^-^)かなり太目の糸を忠実につむいで下さいました。
細いほど均一になりますが、紬らしい味わいは失われます。
私は糸をつむぐことも好きで、在庫の糸がなくなったらまたつむぎたいと思っています。
糸つむぎで大事なことは真綿の繊維の量、状態を瞬時に見極めながら取り出してくることです。
細くなったからとあわてて真綿を右手で引っ張ってきて足すのはよくありません。
右手の指先で糸にまとめたところは結果なだけです。
その結果で慌ててももう遅いのです。
真綿の三角になったところを見ればよいのです。
左手の指の腹を当てる角度や量を加減しながら真綿を引き出します。
単純な道具で、単純な動きですが、それゆえに個人の感覚の違い等もでてきます。
簡単ですが難しくもあり、でもずうっとやり続けたくなる側面もあります。
布を纏って生きる人間の根源にある仕事です。
しかし、真綿から糸をつむいでくれる方はごく限られてしまいました。
この糸は無撚糸ですが、撚りを掛けなくても染めたり、糸巻きをしたり出来るところが、しなやかで長繊維の絹ならではのことです。
次回7月にはこの糸を使い植物で染る作業になります。