中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

「紬きもの塾」移動教室②―――――武蔵野美術大学にて

2011年12月19日 | 「紬きもの塾」移動教室


昨年に引き続き、11月30日に小平の武蔵野美術大学へ特別講義に行ってまいりました。
今年も紬糸のこと、植物による染めのこと、紬の織りのこと、着物文化、そしてミニ着物着付け教室も加え、最後はきものの畳み方で締めくくりました。
授業ですでにいろいろ染や織りを学んでいる方々ですが、着物については特にカリキュラムにないようです。

着ることについても、腰紐1本でおはしょりを決めることさえしっかりできれば、あとは半巾帯を前で結べば若い方はまずは充分だと思います。
若い人がきものはいろいろな意味で大変なもので自分には無理と決めて敬遠しないで、染も織りも心得があるのですから尚のこと、着物や布を大切に思ってもらえると嬉しいです。
昨年講義を聞いてくれた一人は(4年生)自分で糸を紡ぎ着尺を織り始めたところで見てほしいということで機場の教室で見てきました。細い美しい糸でしたが少し細すぎるようでアドバイスもさせてもらいました。

学生たちから感想をもらいましたので、その一部を抜粋して以下に載せます。

成人式で着物を着たのがとても楽しくて、
ゆかたも好きなのですが、自分で着たことがないので、
今日見せていただいたような日常で着れるものを、自分で着てみたいと思いました。

手仕事でいやだと思ったことがないと先生が言われていたのが印象的で、
私も手仕事を続けていきたいと思いました。


真綿から直接糸を引き出してもらう。

カイコがつくる1本の長い糸を、人間がまた巻き取って
そこから布をつくるサイクルが良い回転だと思いました。

中野先生の織った着物がとてもシンプルなのに、
色合いがとてもやさしくて、すてきでした。
是非来年のお正月には着物を着たいと思いました。

着物の考え方や構造がシンプルでとてもいいです。単純でありながら深みがあります。
草木染の出てくる色には嫌味がなく、なんだかスッとなじんでくるものがあります。

着物は今では一部の趣味の人が着たり、特別な時でしか着ないものと思って、
扱いにくいものだと思っていましたが、着方もそんなにむずかしくなく、
コンパクトにたためて、とても使い勝手のいものなんだなと思いました。
一枚で何世代にもわたって使えるし、とてもエコロジーですね。

初めて‘きもの’を着てみました!
ただ見ているだけのときは、おびでぎゅっとされている感じで、
歩いたり動いたりがちょっと難しいかなと思いましたが、
思ったより全然動きやすかったです。
きもののたたみじわって、きものを重ねてしまうときの重みで
自然にできているというのがすごく印象的でした。

植物染料の色は本当に美しいと思いました。
着物は思っていたものより身近なものなのかも、と思いました。


繭を煮て、蚕が吐き出した1本の糸を巻き取っているところ。

絹ってつやつやの糸のイメージしかなかったのですが、糸にする方法によっては
木綿のようにもなるということを知ってびっくりしました。面白かったです。
お湯につけると1本づつ糸がほぐれていくということも、
蚕のまゆが全部1本の糸でできているということを改めて実感できて感動しました。
それと、着物がとても着たくなりました――自分で着れるようになりたいです。
たたむとピシッとコンパクトになって、着物ってよく考えられて
作られてているんだなあと実感しました。

着物のとことん使う文化という話がとても興味深かったです。
今の世界は大量生産、大量消費の中にあって、
使い捨てのような薄っぺらいものが溢れているので
本当のよさを感じることができなくなっていて、悲しい世界だと思いました。
来年のお正月は祖母の着物を着て新年を迎えたいと思いました。
ありがとうございました。

着付け教室もありがとうございました!
ゆかたなら一人で着られるのですが、ほとんど変わらないのですね。
春先、着物で出掛けたいなと思いました。

すてきな着物を着させていただいて、すごく楽しかったです。
今度、自分でも着物を着てみたいです。


コメント
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