ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

北朝鮮 ドンの涙は「不都合な真実」なのか

2018-06-10 11:27:22 | 日記
権力基盤を失いつつある北のドン(金正恩)は、核を放棄したとき、自分が
リビアのカダフィ大佐のように、怒リ狂った民衆によって殺害されるのでは
ないかと恐れている。ーーすこし前のことになるが、本ブログで私はこのよ
うに書いた(5月30日付《米朝首脳会談 核棄てドンの目に泪》)。独裁
者の暴君が民衆の怒りを恐れている(のではないか)、とは、なんとも奇抜
な想像だが、私のこの推測の根拠になったのは、朝日新聞に掲載された5月
30日付の記事である。

この日の朝日新聞は、北朝鮮の経済がすでに土台から破綻し、敗戦目前の、
かつての日本のような、惨憺たる状況にあると報じていた。同日、朝日はま
た次のような記事も掲載している。

海を眺める金正恩の映像。その頬には涙が流れ、同時に、こんなナレーショ
ンが流れる。「強盛国家を実現するため努力してきたのに、改革がうまくい
かないもどかしさから、涙を流しておられる」。

これは体制を引き締めるために作られた、幹部教育用の映像だということだ
が、この記事を読んで、私は、あの暴君がーー側近を容赦なく粛清したあの
独裁者の暴君がーー悔悟の涙を流すこともあるのか、と呆気にとられたもの
だ。そしてこれは、「俺は改革に失敗した。許してくれ。頼むから俺を殺さ
ないでくれ」と民衆に哀願する、そんな命乞いの映像ではないかと思い、そ
こにリビアの独裁者・カダフィ大佐の末路を重ね合わせたのである。

そしてきょう6月10日のこと。いつものように朝食後、ネットの森を散策
していたら、次のようなニュースに出会った。

北朝鮮国営の朝鮮中央通信は8日、朝日新聞と同紙ソウル支局長を名指しし、
北朝鮮と金正恩党委員長のイメージを傷つける報道に対しては「必ず高価な
代償を払わせる」とする論評を配信した。
                  (livedoor NEWS 6月9日配信)

この記事によると、朝鮮中央通信は朝日のどの記事が問題なのかを明示して
いないが、非難の対象になったのは朝日が5月30日に掲載した、件(くだ
ん)のドンの涙に関する記事である可能性が高いという。たしかに、「涙を
流すドン」の映像は、誇り高い北の国家を領導する威厳あるトップリーダー
のイメージにはそぐわない。この記事が「北朝鮮と金正恩党委員長のイメー
ジを傷つける報道」であることは間違いないだろう。

だが問題は「涙を流すドン」の映像である。この映像は朝日が捏造したもの
ではなく、現に実在する映像だということは、疑いようのない事実である。
この映像が(おそらく)ドン自身か、ドンの側近である朝鮮労働党の幹部に
よって制作され、何らかの意図をもって(幹部党員たちを対象に)流された
ことも、事実だと見なければならない。

ではだれが、どういう意図でこの映像を流したのか。謎なのはそのことであ
る。朝鮮中央通信は、肝心のそのことには触れていない。

「涙を流すドン」の映像が制作され、一部に流されたこと、そのこと自体が
北朝鮮にとっては、アンタッチャブルな「不都合な真実」なのだろうか。こ
の「不都合な真実」を公の目に晒したことが、朝日の咎だとでもいうのだろ
うか。
ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
« 北朝鮮問題 外交はプライスレス | トップ | 米朝首脳会談 さてさてどうなる »

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事