ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

北朝鮮問題 外交はプライスレス

2018-06-09 11:27:52 | 日記
訪米した我がアベ首相と、トランプ米大統領との会談の結果は以下の通りで
ある。
1.トランプ大統領は12日の米朝首脳会談で、日本人拉致問題を提起すると
明言した。
2.北朝鮮から非核化に向けた具体的な行動を引き出すため、両首脳は国連
安全保障理事会の制裁決議などを継続する方針で一致した。
3.通商問題に関して、トランプ大統領は対日貿易赤字の削減の必要性を訴
えた。
(補足:1は「拉致問題の解決の扉は私が開ける。あとはシンゾー、君が自
分で部屋に入って、キムと直接交渉しろ」ということだろう。アベ首相もこ
の大統領の意向を受けて、金正恩と直接会談することに意欲を示した。
また3は、具体的には、日本がイージス・アショア(陸上配備型迎撃ミサイ
ルシステム)、空中給油機などの防衛装備品を、数十億ドルかけて購入する
ことを意味する。会談後の記者会見で、トランプ大統領は「安倍総理は先ほ
ど軍用機や航空機、それに農産物など数十億ドルに上る米国製品を購入する
と約束してくれた」と明らかにした。)

つまり簡単に言えば、我がアベ首相は、数十億ドルを米国に支払うことで、
「拉致問題の解決」という年来の政治的課題への実質的な取っ掛かりを手に
したということである。

これをどう評価するかは、いろいろな見方があり得る。朝日新聞はきょうの
社説で、次のように主張している。

「安全保障に経済を絡めるトランプ氏は、対日貿易赤字の縮小に照準を合わ
せ、巨額の米国製兵器などの購入を日本に迫っている。北朝鮮問題で対米依
存を強めれば、足もとを見られるばかりではないか。
米国に従うだけで、日本の利益は守れない。その当たり前の事実を首相は認
識すべきだ。」

この社説のタイトル《日米首脳会談 米国頼みを脱する時だ》が、そのまま
朝日の主張だということになるだろう。外交を米国に依存したままでは、日
本の国益は損なわれるだけだ、というのである。朝日の論説委員の目には、
アベ外交の流儀は「米国の動きに応じて態度を変え」、「予測不能のトラン
プ流に振り回されるだけ」のものと映っている。

だが、外交が戦いに似ているとすれば、その時々の状況に応じ、敵や味方の
動きに合わせてそのつど臨機応変に戦略を組み立てる情勢判断の機敏さは、
国際社会の戦場を生き抜くためには、むしろ必要なことだと言えるだろう。
毎日新聞のきょうの社説《6・12会談へ 日本外交の試練 ポスト米朝へ
の構想力を》が言うように、「新たな状況に合わせた戦略的な外交をどう打
ち出せるか」が大事なのである。

来る米朝首脳会談では、トランプ大統領は、朝鮮戦争の終戦宣言を出すこと
を検討していると明らかにした。終戦宣言によって北朝鮮の軍事的脅威が無
くなるとすれば、日本が米国に支払う数十億など、安いものである。仮に北
朝鮮の軍事的脅威がなお存在するとしても、日本が米国から購入する防衛装
備品は心強い備えになるだろう。

まだまだ先のことだが、米朝の宥和が実現し、日本が北朝鮮と国交正常化の
交渉に着手する時がくれば、日本は北朝鮮への経済援助に加え、北朝鮮側か
ら多額の賠償金の支払いも要求されることだろう。そうした諸々の外交経費
の支出も、朝日は「国益を損なう」と言って批判するのだろうか。
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