ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

検察庁人事に注目

2020-07-09 18:34:32 | 日記
大学生だった頃、私は時々渋谷で玉を撞いた。ビリヤードを習いはじめた遊び好きの友人が、飲み会の帰りなどに私を誘ったからである。友人と私はポケットはやらず、四つ玉を撞いた。幾何学的・規則的な玉の動きが何ともおもしろかった。私が撞球にハマらなかったのは、ビリヤード場の料金が意外に高く、馬鹿にならなかったからである。

ビリヤードの玉は撞き方に応じて規則的な動きをする。「玉突き人事」という言葉があるが、これは(A部長の後釜にはB課長が、B課長の後釜にはC係長が就く、といった具合に)予定調和的な規則性に則って人事が行われるからである。

今、検察庁内部の人事が耳目を集めている。私の関心をそそったのは、「文春オンライン」に掲載された7月7日付の記事《東京地検エース・森本宏特捜部長に交代情報 後任にダークホース浮上》である。

それによれば、森本宏東京地検特捜部長が「地方の検事正ポスト」に「栄転」し、その後釜には新河隆志東京地検特別公判部長が就くという。
この人事がなぜ耳目を集めるのかといえば、それは、現在の東京地検特捜部長である森本なる人物が「特捜検察エース中のエース」として、辣腕の誉れ高い人物だからである。

「森本特捜部が手がけた事件は、特捜検察史に大きな足跡を残してきた。リニア中央新幹線の建設工事を巡って大手ゼネコン4社が関与したとされる談合事件、スーパーコンピューター開発者を逮捕した助成金詐欺事件、文部科学省の局長級官僚を次々と逮捕した「文科省汚職事件」(医科大学の不正入試の実態も明るみに出た)、日産自動車のカルロス・ゴーン前会長らを逮捕した特別背任などの事件は世界に衝撃を与えた。
そして、秋元司・衆院議員を逮捕した「IR汚職事件」、衆議院議員の河井克行前法相と妻の案里・参議院議員を逮捕した公職選挙法違反事件。」

記事が述べるように、これほどの業績をあげた辣腕検事が今ーーよりによって今、東京地検特捜部長の職を離れ、地方の検事正のポストに転出するとすれば、「むむ、裏に何かがあるのではないか?」と勘ぐりたくなるのは、自然な人情というものだろう。たとえば、河井夫妻の公職選挙法違反事件を突破口にして、安倍政権の本丸に捜査の手が及ぶのを阻止するための陰謀ではないのか・・・?黒川検事長を強引に検事総長に仕立てようとした安倍政権の過去のやり口を思い返せば、今回の人事を安倍政権が仕掛けたとみても、何らおかしくはない。

だがこの文春オンラインの記事は、今回の人事が安倍政権の思わくとは一切関係なく、「予定調和的な規則性」に則った玉突き人事の一環であると強く示唆している。

「森本氏は同期の検事が既に多く地検トップの検事正に就任しており、検察組織としても早く森本氏を栄転させる必要があるのだろう。元々、森本氏は法務省在籍時の行政的手腕も評価されており、行政でも事件でも辣腕を振るう実力から『将来の検事総長』と目されてきた。そのステップとして、早期の検事正への昇格は不可欠だ。」

むろんこの見解も一つの解釈に過ぎず、確たる根拠があるわけではない。では、はたして今回の森本人事は、安倍政権によって仕掛けられたものなのだろうか、それとも、予定調和的な玉突き人事の一環なのだろうか。この記事の周辺事情にもう少し目を注ぐ必要がありそうである。
(つづく)

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