ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

ホリエモンに異議あり!

2017-12-13 14:28:34 | 日記
きょうも相変わらずネットの森の散策である。《堀江貴文氏、生活保護世帯
への進学支援案を批判「税金の無駄遣い」》(YAHOO!ニュース 12月12日
配信)という記事を見つけた。「むむっ、ホリエモンが・・・一体どういうわ
けなのだ!」
私がこの記事の関心を寄せたのは、IT成金の、あるいはIT長者の、貧困
層支援策に対する異議申し立てを読みとったからではない。富裕層が貧困層
への優遇政策を批判するのはありふれた図式だが、ホリエモンがそんなあり
ふれた陳腐な見方をするとは、私は思わなかった。生活保護世帯への支援策
を批判するにしても、ホリエモンがするのなら、そこには彼独自の、それな
りの理由があるはずだ、ならばなぜ?と思ったのである。

ホリエモンが問題にした行政サイドの生活保護世帯への支援策について、毎
日新聞は次のように報じている。

厚生労働省は、生活保護世帯の子どもが大学などへの進学時、最大30万円
の給付金を支給する方針を固めた。現在は高校卒業から入学直後に必要な資
金が賄えず、進学を断念するケースがある。貧困が親から子に引き継がれる
「貧困の連鎖」を防ぐのが狙い。進学後に実家の住宅費を減額する措置も親
との同居に限り廃止する。来年度予算案に盛り込むとともに、来年の通常国
会に生活保護法などの改正案を提出する。
                    (毎日新聞 12月11日配信)

「YAHOO!ニュース」の記事によると、ホリエモンはこうツィートしたとか。
「既存の大学の枠組みを残すための税金の無駄遣い。優秀な学生には返さな
くて良い本当の奨学金がすでに支払われる枠組みがあるんだから、優秀でも
ない学生がわざわざ行くところではないのに補助金だすとかマジおかしい。」
つまり、こういうことだろう。貧困層の子女にも、学業が優秀な学生と、そ
うでない学生がいる。学業が優秀な学生に対しては、既存の奨学金制度によっ
て、すでに支援の対策がなされている。厚労省が最近打ち出した生活保護世
帯への進学支援案は、優秀でない学生にことさら補助金を出して、大学への
進学を助成しようとするものだが、それは「マジおかしい」というのであ
る。

優秀でない学生が進学できる大学は、偏差値が高くない低レベルの大学と相
場が決まっている。そんな大学に優秀でない学生を送り込むことにどんな意
味があるのか。ーーホリエモンの意見はそういうものだが、これは、東大に
進学できた「優秀な学生」が抱きがちな意見である。

いかにもエリートっぽいこの種の意見に対しては、さまざまな角度からの反
論があるに違いない。ホントに優秀なら、そもそも大学なんて行く必要がな
いのではないか、という反論もその一つである。ホリエモンはこんなことも
言っていたという。
「勉強しようと思ったら、論文なんか全部公開されてるから(ネットで)検
索していくらでも読める」「(大学教授の授業は)自分が出してる本をただ
読んでるだけだから基本的に。行く意味全くない」、等々。ーーこうした意
見は、優秀な学生にこそ当てはまると見なければならない。

優秀であるかどうかは、その子供が生まれ育った環境に大きく左右される。
同じ才能の持ち主でも、子供の頃から進学塾に通えた学生の偏差値は高く
なり、アルバイトに明け暮れざるを得なかった学生の偏差値は低くなる。
学業への支援策を考えるのなら、そのあたりから見直して、もう一度対策
案を組み立て直す必要があるのではないかと私は考えている。

けれども、そんなことより、私が問題にしたいのは、もっと別のことであ
る。ホリエモンの異議申し立てに触発され、上のようなことをつらつら考え
ているうちに、私はふと気づいてしまったのである。「生活保護世帯への進
学支援案」と銘打ってはいるものの、この政府の政策案は、じつは「一部の
私立大学への支援案」にほかならないのではないか、と。

報道によれば、このところ大学の「定員割れ」の傾向がひどく、4割の私立
大学が赤字経営で倒産の危機にあるという。そういう大学を救済するために、
「生活保護世帯への進学支援案」を打ち出すとは、行政の当事者も知恵をし
ぼったものである。彼ら知恵者からすれば、ホリエモンの異議申し立ては
きっと頭痛の種になるに違いない。
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