ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

またしても徴用工問題が

2019-01-11 12:36:05 | 日記
きょうは主要全国紙のほぼすべてが韓国の徴用工問題を社説のテーマに取りあげている。
朝日新聞《徴用工問題 日韓で克服する努力を》
読売新聞《徴用工問題 文氏は判決を言い訳にするな》
毎日新聞《文大統領の徴用工発言 政治のリーダーが解決を》
日経新聞《日韓対立の影響を企業活動に広げるな 》
産経新聞《文大統領演説 余りに勝手な日本批判だ》

事の発端は、韓国の文在寅大統領がきのうの記者会見で、次のように発言したことにある。
「韓国は三権分立だから、韓国政府は判決を尊重しなければならない」、
「日本の政治家らが(徴用工問題を)政治争点化するのは賢明ではない」、
「(徴用工問題は)日本の植民地支配に起因した問題であり、日本政府には謙虚さが必要だ」等々。

読売や産経の社説のタイトルが示すように、文大統領の言い分は、大法院(最高裁)の判決を言い訳にした余りに身勝手な日本批判と言うしかないが、これに対して、日本の新聞各紙はどういう主張を展開するのか。

朝日新聞は次のように述べている。
「日韓は、1965年の基本条約や請求権協定を礎石として、信頼と協力を深めてきた歴史を忘れてはならない。
 徴用工問題をめぐって韓国政府は盧武鉉(ノムヒョン)政権以来、協定当時の経済協力金に事実上の補償が含まれるとする見解をとってきた。それとは異なる大法院の判断に、どう向き合うのか。
 大統領にとっては難しい判断だろう。だが、懸案を乗り切るには、世論の不興を買ってでも従来の政府見解を踏襲し、外交問題をこじらせない策を早期に出してもらいたい。」

つまり、元徴用工への賠償は、1965年の「日韓請求権並びに経済協力協定」によって、すでに解決されたとする立場を朝日は打ち出している。これは日本政府の立場でもある。朝日はこの立場から「二国間の話し合いで合意を築く」べきだと主張するのである。

問題の中心は、元徴用工の請求権が1965年の日韓請求権協定の対象に含まれるか否かである。韓国の歴代政権は、「含まれる」と認めてきた。にもかかわらず、韓国の大法院がこうした経緯を一切無視して、「反人道的不法行為はそもそも日韓協定の対象外」と独断的主張を掲げたことが、混乱の原因である。この国内不統一の事態に文大統領が匙を投げる以上、最終的には、日本政府が国際司法裁判所へ提訴するのもやむを得ない、と読売新聞は主張する。

「請求権協定は、解釈などで争いが生じた場合、まずは日韓の外交交渉で解決を図る、と定めている。日本政府が韓国に、協定に基づく2国間協議を申し入れたのは当然の措置である。
(中略)韓国側が協議に応じない場合、日本は協定に基づく仲裁委員会の設置や国際司法裁判所への提訴も検討せざるを得まい。冷静に対処し、韓国の不当性を国際社会に訴えていくことが求められる。」

他方、毎日新聞は、文大統領の発言のまやかしをざっくり暴いている。
「(文大統領は)三権分立の原則に従うべきだと主張したいのだろう。しかし、(徴用工問題は)植民地時代の歴史問題であると強調するなら、これを清算して前進したはずの65年体制をどう考えているのか。問題解決に正面から向き合っていないと言わざるを得ない。」

産経新聞も、こうした文大統領の態度を、無責任だと批判している。
「文氏としては、聞く耳を持たないということだろう。だが一国の指導者として、あまりに無責任であり、受け入れられない。国家間の約束と国際ルールに従い、事態を収拾するのが、政治であり大統領の役割であるはずだ。」

こういうトンデモ大統領に対して、では日本はどういう態度をとるべきなのか。産経は次のように述べる。
「対立がエスカレートする事態は日韓双方の国益にかなわない。それでも、韓国に非を鳴らし、まっとうな対応を迫っていく。日本政府の取るべき姿勢はこれ以外にあるまい。」

日経は、日韓の対立がなぜ「日韓双方の国益にかなわない」のかを、より具体的に、(経済新聞らしく)経済問題に即して明らかにしている。
「韓国政府は、就職難にあえぐ国内の若者を人手不足の日本企業が貴重な戦力にする互恵関係づくりを日本の政府や経済界に強く働きかけてきた。両国の往来が年間1千万人を突破する時代に、観光やエンターテインメントなどの産業にも水を差す。
(中略)経済や安全保障での友好国同士の対立が長期化することでリスクを被るのは国民である。冷静に話し合いを重ねて状況が悪化しないようコントロールするのも政治の役割だろう。」

そう。まさに、政治が機能不全に陥って、その役割を果たせない現状こそが問題である。その責任がどちらにあるかは、言わずもがなである。
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