ささやんの天邪鬼 ほぼ隔日刊

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

民主主義の根幹を蝕む新型ウイルスのうごめき(その6)

2025-01-14 09:12:23 | 日記
(承前)

先の衆院選で政権与党の自民・公明を大敗に追い込んだ原因の一つは、裏金問題を除けば、SNSを利用した「中国の関与」だった可能性がある。その可能性に、どうして石破首相は思い及ばないのだろうか。

「え?中国がSNSを利用して、日本の国政選挙を操作した疑いがあるって? 南シナ海で大暴れしているあのバリバリ武闘派の中国が、『ペン派』の牙城のようなSNSを利用しようとするだろうか?」

石破首相は中国の武力行使を警戒するあまり、そういう素朴な疑問にとらわれたのかもしれない。

だが「事実は小説よりも奇なり」である。中国の矛先は実際、サイバー空間にも及んでいる。私は、先日の朝日新聞が次のように伝えていたことを思い出す。目的のためには手段を選ばす、なのだ。

サイバー攻撃、中国政府関与か 19年以降、210の標的 警察庁発表

警察庁は8日、中国系の『ミラーフェース』と呼ばれるハッカー集団が日本国内の政府機関や企業などを対象に、安全保障や先端技術に関する情報の窃取を目的としたサイバー攻撃を繰り返している、と発表した。捜査などの結果、中国政府の関与が疑われる組織的なサイバー攻撃と判断したという。

(朝日新聞1月9日)

この記事を読んで、
「そうなのか。だったらあの衆院選に中国の関与があったとしても、まあ、おかしくはないかな」
そう考えた人は、比較的マトモな判断力の持ち主である。
逆に、そういう判断力を持たない(石破首相のような)人がいたとしたら、その能天気のほうが数段ヘンだと言わなければならない。
サイバー攻撃に手を伸ばす中国が、その魔の手をSNSに伸ばさないとは考えにくいからである。

たとえばSNSの言論空間に、中国が次のような「意見」をばらまいたと考えてみればよい。
「政権与党の自民党は軍事予算を倍増し、中国に戦争を仕掛けようとしています。
戦争になれば、中国は日本中に核ミサイルの雨を降らせます。日本は80年前のヒロシマやナガサキのように、焼け野原になることでしょう。
皆さんはどう思いますか?」

LINEか何かのコメント欄でこれを読んだ日本人は、
「う〜む、自民党が政権をとる限り、戦争は避けられないのか。これはヤバいぞ!」
と思うのではないか。

もちろん、悪知恵に長けた中国なら、もっと巧妙な手を使うだろう。「中国が関与した」という証拠も残さないだろう。
だが、朝日新聞が伝えるように、中国のサイバー攻撃の手口を暴いた実績のある警視庁の有能なハッカー対策班なら、先の衆院選に関与した中国の手口も暴けるに違いない。

中国の関与が明らかになったとき、日本政府は先の衆院選を(ルーマニアに倣って)無効にするだろうか。

自民党総裁の石破さんよ、ひとつお願いがあるのだが、そうなったとき、あんたは中国に対して、ぜひとも毅然とした対応をとってほしいものだ。
旧民主党の菅直人が首相だったときのように、いたずらに中国との対立を恐れ、尻尾を巻いて逃げ出したりしないでほしいのだ。
自民党を盛返そうと思うなら、ここに来て「事勿れ主義の頬被り」はしないことだ。わかっていると思うけど。
(この項、了)

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